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堕ちる

堕ちる-6

身体を抱きかかえられて後ろ手に縛られた紗耶香は再び寝かされる。
「暑くないか??窓を開けてくれないか。空気を入れ替えよう」
「イヤッ、止めて、見られちゃう・・・開けないで」
「前は公園だし、この部屋は2階だろう、見える事はないよ。声は聞こえだろうけど、静かにしてれば大丈夫だよ」

男の手は優しさを保ったままで紗耶香の肌を這い回る。
割れ目の縁を指が擦ると、潤み始めている膣口からジュンと蜜が滲み出るのを意識する。
男にも分かったはずなのに、嘲りの言葉もなければ気持ち良いのかとも聞いてくれない。
物足りない思いを言葉にせずに無言のまま、いやらしく腰をくねらせても満足できる快感は与えられず、はぐらかすようなマッサージが続く。
恥骨の周囲を圧迫するようにマッサージされると、股間を中心にして下半身が熱を持ったように熱くなる。
クリトリスを愛され膣を責められる快感とは違う何かが、身体の内部で芽生え始めているような気がする。

「ヒィッ~・・・アウッ、いやんっ、気持ちいぃ・・・」
見るだけだったはずの男が乳首を口に含んで先端を舌先が叩き、コリコリと甘噛みする。
アワワッ、ウッウゥゥ~・・・窓が開け放れていることも忘れて喘ぎ声を漏らしてしまう。
「クククッ・・・いいのか??覗く人はいないだろうが、艶めかしい声を通りがかった人に聞かれるぞ」
「ウッ、そんな・・・」
手で口を塞ぎたくとも後ろ手に縛られていてはそれも叶わず、急所を外すことなく熱を帯びてくる男二人の責めを泣きたくなるような気持で必死に耐える。
ウッ、ウググッ・・・吸い込んだ息を吐きだし、歯を食いしばって喘ぎ声が漏れるのを防ぎ、鼻から空気を胸いっぱいに吸い込む。
「目隠しのために貴女の目を見られなのが残念だよ。目は心の中を映す鏡、どんな気持ちでいるのか知りたいものだ。怒りが浮かんでいるのか、あるいは諦めているのか、それとも悦びの声を誰かに聞いて欲しくて堪らないのか。身体に聞いてみようか」

強面の男の指が会陰部から割れ目を撫で上がると、綻びから淫汁が滲み出て指に絡む。
「オッ、美味そうな蜜が出てるじゃないか・・・舐めてみろよ。味はどうだ??」
「うん、美味い。美人は見た目だけじゃなく中身も美味い。忘れずにメモしとかないと」
クパクパッ、ヌチャヌチャッ・・・大陰唇に指を添えて花びらを閉じたり開いたり繰り返すと、綻びから真っ赤な花弁が顔を覗かせてヌチャヌチャと卑猥な音を立てて花蜜が滲み出る。
「ウッウッ、いやっ・・・オッパイを、そんな・・・悪戯されたら我慢できない」
乳首を弄っていた男が乳房をヤワヤワと揉み込み、襲い来る快感に紗耶香が切ない吐息を漏らすと顔を近付ける。
「柔らかくて手にしっとりと馴染む魅力的な乳房だ。カジノに来るゲストの皆様もお喜びになるだろう」
上下の女の急所を焦らされながらも弄られて性感が高まったところで、冷ますような事を言う。

オークションに掛けられて男たちの慰みものになる事を思い出した紗耶香の股間は、ジュンと熱い蜜を滴らせる。
「クククッ・・・私の勘違いなら申し訳ないが、オークションに掛けられる事を待ち望んでいるようだね。ゲストの皆様が喜ぶと言った瞬間、オマンコは一層の熱を持ち蜜が溢れ出たぞ」
「君がそういうなら、これ以上のチェックは必要ないな。恥ずかしい思いをさせたかもわかりませんが、これも我々の職務。今日はこれで終わりです。恥ずかしい思いをしながらもよく耐えました、合格です」
「えっ、そんな・・・これで終わりですか??お願い、身体の火照りを冷まして・・・このままじゃ我慢できないし惨めすぎる」
「目隠しをして両手を後ろ手に縛る。そこまでして、この人は十分にスケベな事を確かめたから終わりにする・・・如何にも、意地悪な扱いだな。逝かせてあげようか、どうだね??」
カジノで何くれと世話を焼いた男が、ここでも紗耶香の味方の振りをする。

強面の男は開いた手の平で紗耶香の股間を覆い、指先と付け根をヤワヤワと蠢かして静かに刺激する。
「イヤッ、なんだか変な感じ・・・熱くなってきたし、アソコがムズムズする」
紗耶香の反応に気を好くした男が綻びに指を這わせて上下すると、充分にほぐれていた割れ目は容易く侵入を許してしまう。
ヌチャヌチャ、クチャクチャッ・・・バギナは指の動きに合わせて卑猥な音をたて、紗耶香は声を漏らす事を恐れて身体を捩じってベッドに顔を押し付ける。
泥濘を掻き回す指に快感を覚えるものの、開け放たれた窓の下を歩く人の耳目に触れることを恐れ、喘ぎ声を漏らすまいと奥歯を噛み締める。

堕ちる

堕ちる-5

パウダーマッサージを施した紗耶香の性感が高まると、はぐらかす様に場所を移動する。
奥歯を噛み締め、堅く手を握って刺激を堪えようとする紗耶香を嘲笑うかのように焦らし続ける。
「いやっ・・・・・」
「どうしました??痛くしましたか??」
「いえ・・・なんでもありません。気持ち良いです。身体が芯から暖かくなってきます」
「そう、それは良かった。足のマッサージに移ります」
思わず、焦らすのは止めて、気持ち良くなりたいのと言いかけた自分を叱咤して平静を装う。

俯せの姿勢で太腿から脹脛や足首、足指を一本ずつ丁寧に揉み解してもらったからか、膝より下に男の手が伸びることなく太腿を入念にマッサージされる。手の平は徐々に内腿に至り、紗耶香の緊張感が再び強くなる。
「キャバクラにお勤めでしたよね・・・容姿端麗、清潔感もあるしモテルでしょう??」
「そんな、私なんかより美しい人はたくさんいるし、頭が良くて聞き上手な人もいます・・・まだまだ勉強する事ばかりです」
「そうですか・・・と、言っときますが謙遜するとは性格も良いですね」
張り詰めた様子に気付いた男は緊張を解そうとして軽口を叩き、紗耶香の身体が緊張を解くと、自然な様子で内腿から付け根までマッサージして鼠蹊部を撫で上げる。
ウッ、ウゥ~・・・紛うことない喘ぎ声を気付かない振りでマッサージを続ける。
鼠蹊部を撫でていた指が、いつの間にか大陰唇まで伸びて割れ目の縁を素知らぬふりで刺激する。

ウッウッ、あんっ、イヤッ・・・成熟した女性らしく、腰から腿にかけてのムッチリした白い肌が艶めかしく蠢く様子に見つめるだけの男は、ゴクリッと唾を飲む。
マッサージする男は声を出さずに口の動きだけで、これからだよ、想像以上に感度が好いから我慢できるか分からないよ、と話す。
クククッ・・・やっちゃっても良いよ。チェックの一部という事で新田さんも認めてくれるよ。
見つめるだけの男も声にせずに、口の動きだけで伝える。

アンッ、アウッ・・・ウッ、ウゥッ・・・割れ目の縁を指が這い、昂ぶってくる性感を我慢できない紗耶香が切なげに身体を揺すり甘い吐息を漏らす頻度が短くなってくる。
クチュクチュッ・・・割れ目がほころび始めて熱を持ち、湿り気を帯びた淫靡な音が聞こえ始めると紗耶香の全身は、あっという間に朱に染まる。
「どうしました??正直な感想を聞かせてください」
「・・・ダメなの。こんな時にと思うんだけど、我慢出来なくなってきた・・・気持ち良くなりたいの。おねがい・・・焦らさないで」
「エッチな気分になりましたか??思った通り、性感豊かな女性ですね。分りました、緊張しないで力を抜いてください」

顔を近付けて割れ目に添って息を吹きかけ、大陰唇を優しく撫でて恥丘に手の平を添えて圧迫する。視線をクリトリスから外すことなくじっと見つめて、
「何か感じますか??」
「大声で叫びたくなるくらい気持ち良いのに声が出ないの。見えるはずのない子宮を見つめられているような気がする」
「そうです、それで良いのです。性感の高まりが内攻して、普段は常識や感情に抑えられている本当の自分が姿を現し始めているのです」

クチャクチャ、ヌチャヌチャ・・・大陰唇に添えた指を左右に動かすと、割れ目が開いたり閉じたりしながら卑猥な音を奏でる。
「聞こえる??ヌチャヌチャ、いやらしい音がしているよ」
「エッチなマッサージをされたから、私のアソコが嬉し涙を流しちゃったの」
「アソコとは・・・分からないなぁ、分かるように言ってくれないか」
「アソコはアソコ。これ以上は恥ずかしくて言えない・・・イヤンッ、離れちゃ嫌。クチュクチュして、お願いよ」
男は紗耶香が懇願しても肌に触れようとせず、かといって離れもしないでそばに居る気配が感じられる距離を保つ。
手を伸ばして男の存在を確かめ、お願い、気持ち良くして欲しい。と、改めて声を掛ける。
それでも触れようとしない男に業を煮やした紗耶香は、伸ばした手で膨らみが十分でない股間を探る。
「こんな事をして良いと言ったか・・・悪戯をする手に罰を与えなきゃいけないな。ネクタイを貸してくれないか??」
シュッシュッ・・・カジノで紗耶香に付き添ってくれた男は、意識して音を立てて外したネクタイを、使ってくれと、言葉を掛けて強面の男に手渡す。
目隠しで視覚を奪われた紗耶香は自らの激しい動悸が邪魔をする中、耳をそばだてて様子をうかがう。

堕ちる

堕ちる-4

強面のイメージからは想像できないほど男の手は繊細に動き、肌に触れるか触れないかの微妙なタッチが心地良い。
肌を撫で上がる際は産毛を逆撫でされるような感じになり、わずかな刺激にも敏感になった皮膚がピクピクと反応する。
肌を這う手の平がパウダー効果で摩擦を感じさせる事無く、ローション使用による違和感もなく繊細な刺激は眠気を催すほど心地良い。
身体の芯に澱のように沈殿していた疲労感や緊張感が解されていく。

以前、アフターに付き合ったお客様に誘われるままラブホに行った時の事。
ソープランド遊びをしようと言われ、バスルームで横たわる男とローションまみれの身体を重ねてマット洗いという遊びに興じた事がある。
ヌルヌル、ニュルニュル触れ合う身体を滑らせると予期せぬ刺激に襲われて、男にサービスしているはずの自分までもが甘い吐息を漏らすようになっていた。

今、男に施されているマッサージは性感チェックと呼ぶには清潔感に溢れ、劣情を催すことなく気持ち良さだけが身体を包む。
覚悟していたとはいえ、男二人を相手に身体を預けますと言った瞬間に無意識に強度の緊張をしていたのだろう。
その緊張がパウダーマッサージにより解きほぐされる。
リラックスして安心感に包まれる身体と心は、外からの刺激を素直に受け入れる。

「気持ち良くなりましたか??・・・背中のマッサージは終わりました。仰向けになって下さい・・・」
紗耶香は全裸である事を意識することなく仰向になり、強面の男と視線が合った瞬間の羞恥で目を閉じる。
「恥ずかしいですか??」
「はい、少し・・・すみません」
「いえ、遠慮することなく思った事を言ってください。返済しろと居丈高に言う積りはありません。返済方法を貴女から提示されて、それを私たちが了とした。この時点で立場は対等です。但し、貴女の身体をお預かりしたのは私たちである事を理解していただく必要はありますが・・・では、始めます」

背中と違い腹部にパウダーを振りかけられ、男が手に取るのを見るだけで身体が熱く火照るのを意識して思わず顔を背けてしまう。
「フフフッ・・・私たち二人は衣服を着たままで、貴女一人が陽光も眩しい部屋で裸になって横たわる。恥ずかしくなってもしょうがないですね。私たちが裸になると目的を逸脱してしまうほど貴女は魅力的なので、それは出来ません・・・そうだ、目隠しをしましょうか、楽になるかも分りませんよ」
ネクタイを外した男は、紗耶香に一言も話す余裕も与えずに目隠しをする。
「どうですか??見えなければ恥ずかしさは薄れるでしょう??」
「分からない・・・なんだか怖い」
「フフフッ・・・貴女を傷つけたりしませんよ。息を吐いて、そうです、吸って、大きく吸いましょう。ゆっくり吐き出します、ゆっくりですよ・・・どうです、落ち着いたでしょう??」
頭に上っていた血が全身をゆっくり巡るのが分かる。
意識せずとも全身の力が抜けて、真っ青で広い海に浮いているような気持ちになる。

男2人を前に素っ裸で俯せに寝る緊張感を優しいパウダーマッサージで解きほぐされ、一旦はリラックスした状態になった紗耶香も仰向けになって乳房と下腹部を晒すと再び身体が強張るのを感じる。
目隠しをされて視覚を奪われると、傷つけられる事はないと信じていても緊張が和らぐはずもない。
パウダーのせいでサラサラした感触の手の平が首から肩をマッサージして、指先から緊張を追い払うようにサッと手首に向かって撫で下ろす。
首を撫でた手が鎖骨の窪みをなぞり、乳房の膨らみに近付くと緊張が頂上に達して極度の緊張を示す。
紗耶香の緊張を察したように手の平は、胸の膨らみに触れることなく左右に分かれて脇腹へと這っていく。
そのまま撫で下りていくのかと思って安心していると腹部に向かい、胸の膨らみの下部を指が這い下腹部を手の平が這い回る。
奥歯に力を込めて漏れそうになる声を我慢し、両手を強く握りしめる。

視覚を奪われた紗耶香に二人の男の反応は見えない。
男たちは顔を見合わせてほくそ笑み、強面の男が目を細めて口元を緩めるのは可愛くさえ見える。

下腹部を撫でる手の平の付け根がさり気なく恥丘を刺激する。
ウッ・・・歯を食いしばって堪えていた声が思わず漏れてしまう。
男は何も言わず、手の動きに変化もなく下腹部を撫でる。恥丘を擦る時だけ僅かに力を込めて恥骨を圧迫する。
ウッ、イヤッ・・・微かに漏らした喘ぎ声を気にする様子もなくマッサージを続け、紗耶香が握りしめた拳を押し当てて口を塞ぐのを見ると男の両手は腰から腿へと移動する。

堕ちる

堕ちる-3

声を震わせながら身体を預けますと気丈に答えた紗耶香も、直ちに全裸になれとの指示に表情を強張らせる。
「えっ・・・いっ、今、ここで、今、直ぐですか??」
「そうです、身体を預けると言いましたが、実際にその覚悟があるのかどうかも確認させていただきます。男女それぞれ一人ずつオークションにかけるのを見たと思います。予め落札者に対する条件提示も認めていますが、それに拘ると返済に日数がかかり金利を考えても得策とは言えません。嫌だと思う事もあえて我慢する事が大切だと思うのですが、それを出来るかどうかも確認させていただきたいのです」
「分りました・・・気のすむまで私の身体をお確かめください」
精一杯、抗議の気持ちを込めた言葉を返した紗耶香は、その場で立ち上がる。

モコモコのポンチョ形式のウェアに手を掛けるものの、窓から暖かい陽光が差し込む部屋で男2人を前にして肌を晒す事に羞恥心が芽生え、手の動きが自然と止まる。
一瞬、視線の端に捉えた男たちは、いらだつ様子もなく自然な視線を向けてくる。
宙を睨んだ目を閉じて下唇を噛み、心の中で自らにガンバレと励ましの言葉を掛けて身に着けたものをすべて脱ぎ捨てる。
わざと蓮っ葉な態度を取る事で、心の隅に残る後悔と未練に別れを告げる。

「ありがとう。想像通りの素晴らしい身体です。返済終了が終わりでなく、その後も継続して契約して欲しいと思います・・・あっ、失礼な事を言いました。忘れてください」
カジノで何くれと世話してくれた男が頭を掻き、予想通りの言葉を続ける。
「私の仕事はカジノルームでのアテンド役です。ここから先は私に同行した、この人が担当となります、宜しいですね」
蓮っ葉な態度で不貞腐れた様子を装っても、男たちは怒りを表情に表わすことなく淡々と要件を片付けていく。
二人は名前を名乗る事もなく職務を果たそうとし、それが不気味でもあり安心感にもつながる。借財を完済すれば付きまとわれる事はないだろう。

あとを促された強面の男が、バッグからカメラやノートと共にシーツを取り出して立ったままの紗耶香に向き直る。
「まず、写真を4枚撮らせていただきます。全身を正面、横向き、後ろ向きで各一枚。それと上半身を一枚の計四枚です。いいですね」
風貌もあって有無を言わせぬ響きの言葉に続き、カメラを構える。
「緊張しなくてもいいですよ。彼は、見た目は怖いけど、本当は優しいですよ・・・怒らせなければね」
「止してください。そんな言い方をすると怯えるじゃないですか・・・良いですか、写しますよ」
撮影を終えた紗耶香は新しい指示に従って身体の各部のサイズを計られる。
撮影や計測中にもう一人の男が持参したシーツをベッド敷き詰める。

身長や体重、スリーサイズの計測を終えても休憩することを許されず、性感チェックをするのでベッドで横になってくださいと言われて全身を朱に染める。
「えっ、性感チェック・・・いっ、今ですか??・・・何を調べられるのですか??」
「言葉通りですよ。貴女の身体が、どの程度、男を悦ばせるか。言い方を変えれば、どれほどの金を生み出す価値が有るかを調べるのです。どのような商品にも値段があるでしょう。価値を知らなければ値付けが出来ません。それが例えオークションであってもね・・・貴女は商品であることを理解してください」

羞恥で全身を朱に染め、激しくなった動悸や両足に力が入らずフワフワした状態でベッドに向かい、倒れこむように横になる。
「恥ずかしいのは判りますが、これではお金を取れませんよ。素人っぽい女性を好む人もいますが、割り切った関係を望む人には不満が残ります。我々が目指すのは、あとを引かない割り切った大人の関係です」
強面の男の言葉に続き、案内役の男が言葉をつなぐ。
「貴女がご覧になったオークションで三人の男性に落札された女性ですが、カジノで借金を背負ってしまいました。身体で返済することにしたのですが、割り切って楽しんでいたでしょう・・・金のためだけと思えば辛くなります、他では出来ないセックスを楽しんで、それがお金になると思えばいいのです。楽しんでください。お金を稼いでください、目的を達すれば終わります。その後は貴女次第です・・・継続するのも止めるのも・・・」

男の言葉を聞くうちに動悸は収まり、心の平穏を取り戻した紗耶香は静かに目を閉じる。
「そうです、リラックスしましょう。緊張していい事など何もありません・・・俯せになっていただけますか」
組んだ両手を枕代わりにして顔を乗せ、俯せで横たわる紗耶香にパウダーを振り掛け、両手の手の平にもパウダーを取って背中を優しくマッサージする。
背骨に沿って撫で上がり、肩から両手の手首まで撫でて脇腹を撫で下ろす。
腰から尻を経て太腿を撫で、脹脛から足首に至る頃には、気持ち良さから、アッアンッと吐息を漏らして身体の緊張が解けていくのを意識する。

堕ちる

堕ちる-2

真っ暗な部屋で返済方法を考えるわけでもなく、ただ漠然と股間に指を伸ばす。
身体を差し出して返済に充てる覚悟は出来ている。
むしろ、見ず知らずの人達に見られながら凌辱される事に期待もある。
気掛かりは二つ、キャバ嬢を続ける事が可能なのかどうかと、新田にどう言い訳をするかという事。キャバクラ勤めは、将来、店を持つための資金作りであり、お客様から聞く話は勉強になる。無責任なハウツー本より役に立つと信じている。
ここに至っても新田に嫌われたくないし、言い繕う方法がないかと知恵を絞る。
名案があるわけでもなく、時間だけが過ぎて行く。
とは言え、紗耶香に焦りはない。
セックスは嫌いでないし、アフターに付き合ったお客様とホテルに入って一度限りの関係を持ったことも何度かある。
夏樹や有紀が複数の男に犯される事を見ても不快に感じる事がないどころか、羨ましいと思う自分がいた。

まとまりのない思いが脳裏を駆け巡り、指は意識しないまま股間を弄る。
クチュクチュ、ヌチャヌチャッ・・・アンッ、いやっ、どうして??どうして気持ち良くなっちゃうの、こんな時に・・・・・
頭は冴えるものの、身体の疲れに抗しきれず気付かない内に眠りに落ちていた。

ピンポーン・・・ピンポーン・・・遠くに聞こえた音が再び聞こえ、ドアホンの音だと気付いて時計を見ると12時ちょうどを指している。
何も身に着けていない事に気付き、手近にあったルームウェアを身に着けて玄関に向かう。
玄関に置いたままのバッグを片付け、脱ぎ散らかした靴を整えてドアを開ける。
「おはようございます。お待たせいたしました」
カジノで何かと世話をしてくれた男が柔和な表情を崩すことなく、いかにも強面な男を従えて立っている。
「こんにちは・・・起きたばかりですか??・・・出直しましょうか??」
「いえ、大丈夫です。ご足労頂き、申し訳ございません・・・どうぞ、お上がりください」

女の一人住まいで、さほど広くない部屋を気にする様子もなく男二人はテーブルを前にして腰を下ろす。
「狭い部屋で申し訳ございません。足を伸ばして楽にしてください・・・お茶を淹れますから」

お茶の用意をしながら二人の様子を見ると、さり気なく部屋の隅々に視線を走らせて値踏みされているような気がする。
二人の視線が洋服ダンスで止まる。現金や預金通帳を入れたバッグがあるのを感じたのだろうか、さすがに回収人の鼻は効くようだ。

お茶と共に、お客様から金沢土産だと頂いた落雁を勧め、
「頂き物ですが、かの地では有名な和菓子との事です。お召し上がりください・・・その間に、失礼して着替えをさせていただきます」
「心遣いは無用にしてください。こんな事は事務的に済ませましょう。その方が、お互いに気持ちが楽でしょう・・・とは言え、せっかくの落雁、いただきます」
テーブルを挟んで紗耶香が座ると、落雁を口に運んで舌の上で溶けていく感触と和三盆の上品な甘さを楽しむように目を閉じる。
目を開けて、お茶を一口飲んで口を開く。
「美味い・・・茶道に長じた殿さまが育んだ文化は美味い和菓子を残しますね。これもそうだし、松江にも不昧公が好んだと言われる落雁があるし・・・溶け具合といい後味の好い和三盆の甘さといい、本当に素晴らしい。酒にも目がないのですが、美味い和菓子と香り豊かなお茶、日本人に生まれてよかったと思います・・・あっ、失礼しました。余計な事を・・・」

緊張が一気に緩んだタイミングで強面の男が口を開く。
「早速ですが、このコピーを、お確かめください。この借用書の記載内容に間違いはございませんね」
カジノで紗耶香も立会いのもとに作成され、内容を確認の上でサインした書類のコピーが広げられる。
失礼しますと言って手に取って確かめた紗耶香は、間違いございませんと男に返す。
「返済方法は、どうされますか。現金若しくは、それに代わる有価証券等のご用意をされていますか??」
「いいえ、申し訳ございませんが用意できていません・・・私の身体を預けます」
「分りました。1500万円すべてを貴女の身体でご返済いただきます。金利は今日を初日として一日単位で計算します。一日はカレンダー通りではなく、丁度今、12時を起点として一日が始まります。よろしいですね??」
「分りました・・・よろしくお願いいたします」
「それでは早速ですが、確認のために全裸になって下さい。1500万円の回収方法の参考にします。それと、傷や刺青の有無なども確認させていただきます。貴女にとって大切な身体、全裸になっていただくのに無料でとは言いません。金利は今日から発生しますが、それに充当させていただきます」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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