2ntブログ

桜子 -11

欲情

バスローブを脱ぎ捨ててナイトウェアに着替えた柏木は窓辺に立って青葉山公園に視線を向ける。
遮る建物はないものの2㎞程も離れていては木々が邪魔をしなくても政宗公騎馬像は見えるはずもない。

「何を見ているの??」
静かに近づいて背後から抱きついた桜子は背中に顔を埋めるようにしてくぐもり声で問いかける。
「伊達政宗像を探したんだけど見えないな」
振り向いた柏木は驚いた表情で桜子の肩に手をかけて距離をとり、青いペイズリー柄のキャミソールとショートパンツで飾る姿を見てゴクッと唾を飲む。
「どうしたの??……似合わない??それとも、こんな格好は嫌い??」
風呂上がりの上気した顔で小首を傾げ、言葉とは裏腹に自信に満ちた態度で
蠱惑的な美貌と姿態を柏木に見せつける。

青い空はこの世の善悪すべてを包み込み、青い海は果てのない遠くまで続く。
青色の魅力を身に着ける桜子に見つめられると抗しきる自信が揺れる。
「家でも桜子はこんな格好しているの??」
「家では普通の長袖パジャマ。この間、シーワールドに行った日だけど、送ってもらって部屋に来てくれるかと思って用意しておいたの……やっと着ることが出来た。似合わない??」
「桜子が想像する以上にオレのハートをぶち抜いたよ。白い肌によく似合っているし清潔な色気が溢れている」
「本当は腰から太腿がもう少しムッチリ感がある方が好いんでしょう??そう言ったよ」
「もう少しムッチリした方が抱き心地が好いのかなって思うけど、桜子は今のままでいい。オレ色になんか染まんなくていいんだよ。見たまま、感じたままの桜子に惚れたんだからね」
「クククッ、どんな言葉でもあなたの口から出ると私を蕩かしてくれる。ねぇ、もう一本ワインを開ける??」
「その風呂で飲んだ残りでいいよ。氷を入れればいいだろう」
「氷を持ってくるね」

空のグラスと氷で一杯にしたグラス、飲みかけのスパークリングワインをトレーで運んできた桜子は、椅子に座りオットマンに足を伸ばした柏木の太腿を跨いで正対する。
「重い??大丈夫??」
「眩しいな……」
「眩しい??夜だよ……えっ、もしかすると、私??」
はにかんで俯く姿が愛おしく、二か月前には存在も知ることのなかった桜子が手を伸ばせば抱きしめられる距離にいることに頬が緩む。
「どうしたの??急に笑った。笑われるようなことをしていないのに……」
「こんなに可愛くて魅力的な桜子が手を伸ばせば届く距離にいる。笑顔になるのはしょうがないだろ」
「ウフフッ、嬉しい……シュワシュワを飲みたい」

グラスに氷を入れてスパークリングワインを注ぎ、桜子の口に近付けると頬を膨らませて首を振る。
ハハハッ……柏木の微笑みはついに破顔大笑するまでになる。
「聞かせてくれないか……桜子と付き合っている積りだけど桜子はどう思っている??返事を聞いてないよ」
「付き合っているかどうかなんて確かめる必要ないでしょう。私は惚れているの、大好きなの。仙台まで来ないかって言われて嬉しかったんだよ」
「ありがとう」
柏木がワイングラスに口を近付けると桜子は目を閉じ、わざとらしく突き出した口を尖らせる。
口移しでワインを流し込むと柏木の背中に回した両手に力を込めてキスをねだる。
舌を絡ませたり重ねたりして自在に蠢き、桜子は切ない思いを両手に込めて背中を擦り、柏木の左手は桜子を支えて右手は頬を擦り、乳房を掬うように揉み始める。
アウッ、ウッ……ハァハァッ……舌が激しく踊り、唇を甘噛みして吐息を漏らし、息を荒げて伝えきれない思いをキスに込める。
桜子は胸を押し付けて上半身を揺すり、乳房で快感を得ようとして動きに激しさを増す。

ワインを飲み干して二杯目を注いだ柏木は氷を摘まんでキャミソールのストラップを氷でなぞる。
「アンッ、冷たい……クククッ、もっとやって」
氷が溶けてなくなるまで左右のストラップをなぞり、唇を押し当ててチュ~チュ~音を立てて吸い取り、グラスのシャンパンを胸に垂らす。
「アンッ、ウフフッ、あなたを挑発しようと思って用意したキャミソールなのに、こんなにされちゃった……ビショビショで気持ち悪い」
太腿を跨ぐ桜子と入れ替わって椅子に座らせ、柏木はオットマンに腰を下ろす。
二つ目の氷を摘まんで複雑なペイズリー柄をなぞるように這わせる。
「クククッ、冷たい」
「似合っているよ」
「二度目にお店に来てくれた時のネクタイはバレンシアガのペイズリー柄だったでしょう。調べてみると今は製造していないデザインだった。大切な人からのプレゼントか好きなデザイン……私は後者に賭けたの、気に入ってくれた??」
「プレゼントじゃないよ、バレンシアガのペイズリー柄は今でも何本か持っているけど十年以上も新作がないのが残念だよ」
「私の身体で遊んで、楽しそうにしているあなたを見ると私は幸せな気持ちでいられる……それに、気持ち善くなりたいし」

桜子を抱きしめて唇を合わせ、濃厚なキスで息を荒げると胸にむしゃぶりついてキャミソールを濡らすワインを吸い取ろうとする。
「クククッ、くすぐったい……イヤンッ、そこも濡れているの??そんな事をされたら気持ち善くなっちゃう」
チュゥ~チュゥ~……胸の膨らみの先端を口に含んで音を立てて吸いつくと艶めかしい声を漏らして柏木の髪を掴んで胸に押し付ける。
「フゥッ~、苦しい、息が出来なくなっちゃうよ」
桜子を抱き起して背中に覆い被さるようにして窓に押し付ける。
「イヤンッ、見られちゃう。他の人に見せたいの??」
「こんなに可愛い桜子だから、それもいいな」
髪に髪を埋めて息を吸い込み、窓に押し付けたまま尻を鷲掴みして、キャミソールと背中の縁に舌を這わせる。
「アウッ、クゥッ~、気持ちいい」
背中から首筋に沿って這い上がった舌が耳をくすぐり穴に入り込む。
ハァッ~、丸めた舌で耳穴を刺激して息を吹きかけると、ヒィッ~と悲鳴にも似た悦びの声を漏らし、全身が総毛だつような気持ち善さに襲われる。

尻を掴んでいた手がキャミソールの裾を捲り上げながら脇腹を撫で上がり、首まで押し上げて噛んで落ちないようにする。
指が顎を撫でて唇を刷くと自然と口が開いて指を舐め始める。
桜子はファラチオを施すような気持ちに酔いしれ、ピチャピチャと音を立てる。
キャミソールの背中側は首まで押し上げられ、ワインをかけられて肌に密着する腹部側も引き上げられて脱がされてしまう。

剥ぎ取ったキャミソールで両手を後ろ手に縛り、痛くないかと静かに問いかける。
「痛くない。優しくしてね……ハァハァッ、昂奮する……ハァハァッ、息をするのさえ苦しい」
何も身につけずに窓に押し付けられた上半身は冷たく感じるはずなのに、身体の火照りのせいで気持ちいい。
ひしゃげた胸の膨らみさえもが心地好く、秘所が嬉し泣きして蜜を滴らせるのを感じる。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード