休館日 -1
「もしもし、明日は月曜だけど予定がある??」
「特にないけど、あなたは実家でしょう??」
「そうだよ。明日、帰るけど飛行機に欠航が多くて新幹線に変更。それで、東京駅か新横浜駅まで来ないか??」
「いいの??」
「あぁ、来られるならね。開店準備のために17時着で平気だろう??」
「もう少し遅くても平気だよ、お通しの手間を省けばいいんだから……ウフフッ。名古屋じゃダメ??行きたいところがあるんだけど、ダメかなぁ??」
「名古屋か、好いよ。待ち合わせの時刻はアユが決めていいよ」
「今日はお店が休みだから早寝する。ちょっと待って、時刻表を確かめるから……始発に乗れば名古屋駅着が7時34分、それにしようか??」
「もう少し、遅くしてくれるとありがたい」
「え~っと、じゃぁ、名古屋着が9時半頃は??」
「それ位の時刻なら大丈夫だよ。実家を早朝出発で18時頃帰宅はチョイと気になるからな」
「奥様が気になる??」
「当然だろ、追い出されちゃ困るから」
「もしも追い出されたら、たとえ型落ちの中古品でも私が引き取ってあげる」
「それは心強いな。そんなことになったら頼むよ。到着時刻を連絡してくれよ、ホームで待っているから」
名古屋駅9時25分、定刻に到着した上りひかり号から14番線に降り立った男は周囲を確かめて階段に向かう。
下り16番線ホームに立つと直ぐに、のぞみ号の到着を知らせるアナウンスがある。
「待っていたよ」
のぞみ号から降りてきた女からバッグを受け取ると胸に抱きよせて髪に顔を埋め、スゥッ~と息を吸い込む。
東京や横浜から名古屋出張で降りた人たちを気にする風もなく顔を見合わせてニコッと微笑む。
「あのね、謝らなきゃいけない事があるの、怒る??」
「怒るわけがないよ、どうした??」
「行きたい所があるって言ったでしょう??」
「うん、そう聞いたよ。アユの希望通りにするよ。アユの笑顔が好きだからな」
「私の希望通りでいいんだね、何があっても怒らないって約束したよ……行きたかったところは月曜が休み、今日は行けないの」
「そうか、残念だね。念のために聞くけど、いつ分かったの??」
「ずっと前から知っていたよ。いつか行きたいなって調べていたから」
「クククッ、可愛いな。次の案を聞こうか……その前にどこかに座ろうか」
「名古屋に来たら、コメダ珈琲でしょう……調べてあるから私についてきて」
改札口を出たアユは方向を確かめ、スマホを見ながら地下街に向かう。
「アユ、名古屋は地下街が発達しているけど気をつけないと迷子になっちゃうよ」
「えっ、迷子になった経験があるの??」
「息子が小学生の頃、名古屋城を見ようってことで一泊。名古屋キャッスルホテルまで地下街を歩こうとしたんだけど迷ったんで地上へ、タクシーに乗ろうとしたら、あれがそうですよって指さされたことがある」
「私は方向音痴じゃない……あった、ここだよ」
カフェオレを飲んでモーニングサービスのトーストとゆで卵を食べ終わると、顔を近付けて周囲に聞こえないように小声で話し始める。
「今日は暑いでしょう。それに、ノリタケの森は休みだしホテルでゆっくりしない??」
「休みでザンネンだったね……アユに聞くけど、名古屋まで来た目的は??」
「聞きたい??……私の部屋にいるとき、お尻やオッパイを触るけど脱がせようとしないでしょう。場所が変わればその気になるかなって……怒る??」
「そうか、欲求不満の熟れた身体を持て余しているのか、それは申し訳ない事をしたね。型落ちの中古品でも引き取ってくれる積りがあるんだから大切にしなきゃ」
「クククッ、そうだよ。役立たずの中古品は引き取らない……ホテルのディユース、このホテルは11時から入れるの、すごいでしょう」
スマホで場所を示して予約もしてあるよと囁く表情は妖しく輝く。
1㎞程の距離を30分近くかけてホテルに向かうと時計はちょうど11時を指している。
チェックインを済ませて部屋に入ると十分な広さと景観にアユは感嘆の声を漏らし、男はアユを抱き寄せて壁に押し付け瞳を覗き込む。
「素晴らしい部屋を予約してくれたね、ありがとう」
「ウフフッ、昂奮するでしょう……ごほうびは??」
両手を握って万歳の恰好で壁に押し付け、チュッと額に唇を合わせると口を尖らせて、違う、そこじゃないと抗議する。
壁に押し付けたまま、チュッチュッと唇を啄み瞳を覗き込むと妖しい輝きを発する。
「見つめられたら恥ずかしい……知ってる??深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている……」
「エッチな気分のアユを見つめると、オレもまたエッチな気分になる……そんな意味かな??」
「クククッ、合格点をあげる……ルームサービスもセットの予約なんだけど、昼食、バスタイム、1回目のエッチ、どれにする??」
「バスタイム、ルームサービス、エッチ1回の順でどうだ??」
「構わないけど、1回だけなの??」
「濃厚なのを1回とお手軽に2回、どっちがいい??」
「お風呂の準備をしながら考えてみる」
するりと抜け出たアユはバスルームのドアを開け、すぐにシャワーの音がする・
「濃厚なのをお願い……しばらく抱いてもらってないから、身体が火照って熱い」
「特にないけど、あなたは実家でしょう??」
「そうだよ。明日、帰るけど飛行機に欠航が多くて新幹線に変更。それで、東京駅か新横浜駅まで来ないか??」
「いいの??」
「あぁ、来られるならね。開店準備のために17時着で平気だろう??」
「もう少し遅くても平気だよ、お通しの手間を省けばいいんだから……ウフフッ。名古屋じゃダメ??行きたいところがあるんだけど、ダメかなぁ??」
「名古屋か、好いよ。待ち合わせの時刻はアユが決めていいよ」
「今日はお店が休みだから早寝する。ちょっと待って、時刻表を確かめるから……始発に乗れば名古屋駅着が7時34分、それにしようか??」
「もう少し、遅くしてくれるとありがたい」
「え~っと、じゃぁ、名古屋着が9時半頃は??」
「それ位の時刻なら大丈夫だよ。実家を早朝出発で18時頃帰宅はチョイと気になるからな」
「奥様が気になる??」
「当然だろ、追い出されちゃ困るから」
「もしも追い出されたら、たとえ型落ちの中古品でも私が引き取ってあげる」
「それは心強いな。そんなことになったら頼むよ。到着時刻を連絡してくれよ、ホームで待っているから」
名古屋駅9時25分、定刻に到着した上りひかり号から14番線に降り立った男は周囲を確かめて階段に向かう。
下り16番線ホームに立つと直ぐに、のぞみ号の到着を知らせるアナウンスがある。
「待っていたよ」
のぞみ号から降りてきた女からバッグを受け取ると胸に抱きよせて髪に顔を埋め、スゥッ~と息を吸い込む。
東京や横浜から名古屋出張で降りた人たちを気にする風もなく顔を見合わせてニコッと微笑む。
「あのね、謝らなきゃいけない事があるの、怒る??」
「怒るわけがないよ、どうした??」
「行きたい所があるって言ったでしょう??」
「うん、そう聞いたよ。アユの希望通りにするよ。アユの笑顔が好きだからな」
「私の希望通りでいいんだね、何があっても怒らないって約束したよ……行きたかったところは月曜が休み、今日は行けないの」
「そうか、残念だね。念のために聞くけど、いつ分かったの??」
「ずっと前から知っていたよ。いつか行きたいなって調べていたから」
「クククッ、可愛いな。次の案を聞こうか……その前にどこかに座ろうか」
「名古屋に来たら、コメダ珈琲でしょう……調べてあるから私についてきて」
改札口を出たアユは方向を確かめ、スマホを見ながら地下街に向かう。
「アユ、名古屋は地下街が発達しているけど気をつけないと迷子になっちゃうよ」
「えっ、迷子になった経験があるの??」
「息子が小学生の頃、名古屋城を見ようってことで一泊。名古屋キャッスルホテルまで地下街を歩こうとしたんだけど迷ったんで地上へ、タクシーに乗ろうとしたら、あれがそうですよって指さされたことがある」
「私は方向音痴じゃない……あった、ここだよ」
カフェオレを飲んでモーニングサービスのトーストとゆで卵を食べ終わると、顔を近付けて周囲に聞こえないように小声で話し始める。
「今日は暑いでしょう。それに、ノリタケの森は休みだしホテルでゆっくりしない??」
「休みでザンネンだったね……アユに聞くけど、名古屋まで来た目的は??」
「聞きたい??……私の部屋にいるとき、お尻やオッパイを触るけど脱がせようとしないでしょう。場所が変わればその気になるかなって……怒る??」
「そうか、欲求不満の熟れた身体を持て余しているのか、それは申し訳ない事をしたね。型落ちの中古品でも引き取ってくれる積りがあるんだから大切にしなきゃ」
「クククッ、そうだよ。役立たずの中古品は引き取らない……ホテルのディユース、このホテルは11時から入れるの、すごいでしょう」
スマホで場所を示して予約もしてあるよと囁く表情は妖しく輝く。
1㎞程の距離を30分近くかけてホテルに向かうと時計はちょうど11時を指している。
チェックインを済ませて部屋に入ると十分な広さと景観にアユは感嘆の声を漏らし、男はアユを抱き寄せて壁に押し付け瞳を覗き込む。
「素晴らしい部屋を予約してくれたね、ありがとう」
「ウフフッ、昂奮するでしょう……ごほうびは??」
両手を握って万歳の恰好で壁に押し付け、チュッと額に唇を合わせると口を尖らせて、違う、そこじゃないと抗議する。
壁に押し付けたまま、チュッチュッと唇を啄み瞳を覗き込むと妖しい輝きを発する。
「見つめられたら恥ずかしい……知ってる??深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている……」
「エッチな気分のアユを見つめると、オレもまたエッチな気分になる……そんな意味かな??」
「クククッ、合格点をあげる……ルームサービスもセットの予約なんだけど、昼食、バスタイム、1回目のエッチ、どれにする??」
「バスタイム、ルームサービス、エッチ1回の順でどうだ??」
「構わないけど、1回だけなの??」
「濃厚なのを1回とお手軽に2回、どっちがいい??」
「お風呂の準備をしながら考えてみる」
するりと抜け出たアユはバスルームのドアを開け、すぐにシャワーの音がする・
「濃厚なのをお願い……しばらく抱いてもらってないから、身体が火照って熱い」