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不倫 ~immorality~

想いを巡らす 30

ペニスの付け根に残る違和感に思いを至らせると二度の放出は頑張りすぎたかなと苦笑いが浮かぶ。
萎れて情けない姿で垂れ下がるムスコに、しばらく頑張らなくてもいいから休憩しろよ、と言葉を掛けてガリガリッと氷を噛み砕く。
港の風景に目をやるとベイブリッジの照明が、また白から青に変化し、この変化に彩も気付いたかなと頬を緩める。
性感を満たして心地好い余韻に浸っていた健は、用意できたよという彩の声で、
残っていたシャンパンをグラスに注ぎ氷を浮かべてバスルームに向かう。

バスルームに入るとレモンンの爽やかな香りに混じってローズの華やかさが部屋を覆い、泡の中に身体を隠して嫣然と微笑む彩の姿が眩しく見える。
バスタブだけを照らす照明にすると顔だけを泡から出した彩が幻想的に見えて魅力が一層際立つ。
「どうかしたの、驚いたような顔になっているよ??」
「泡風呂が似合ってカッコいい。ハリウッド女優みたいだよ」
「ウフフッ、ありがとう。他の人に言われたら冗談言わないでって思うけど、健に言われると素直に信じられる・・・何を持っているの??」
「これ??今の彩には、これも似合うよ、きっと・・・どうぞ」
泡の中から手を伸ばしてフルートグラスを受け取った彩は一口飲んで、
「美味しい・・・冷えたシャンパンが一層冷たくなって爽やか。お風呂で飲むのは氷入りが好いね・・・もちろん、グラスはフルートグラス」
シャワーブースで汗を流す健と視線を合わす彩はグラスをバスタブの縁に置き、泡に隠れたまま手を蠢かして艶めかしく眉間に皺を寄せて目を閉じ、口をしどけなく開いて赤い舌を唇に這わす。
目を見張って驚いた様子を見せる健の股間に視線を落とした彩は、そこが変化の兆しを見せないのを確かめると手の動きを止めて欲情を現す表情も普段の快活なモノに戻してニコリと微笑む。

彩と向かいあって泡に埋もれた健は足を掴んで指を擦る。
「クククッ、くすぐったいよ・・・アンッ、不味い、あげる」
差し出すフルートグラスを受け取り、シャンパンを口に含んだ健は、
「氷が融けちゃって水っぽくてダメだな。一息に飲むか、今年発売されたアイスアンペリアルだな、やっぱ」
「何その、アイスアンペリアルって??」
「モエエシャンドンが今年、夏限定で発売した氷を浮かべて飲むシャンパンだよ。シャンパンって言うと普通のスパークリングワインと違って形式ばったり、キャバクラで歓心を買うためにオーダーするイメージがあるけど、氷を浮かべて気楽に飲もうってコンセプトの商品だと思うよ」
「ふ~ン、キャバクラねぇ・・・ふ~ん」
「バカ、誰かに聞いた話だよ・・・可愛いな」
「ウフフッ・・・ねぇ、聞いても好い??奥さんやキャバ嬢にも可愛いなって、顔を合わせるたびに何度も言うの??」
泡に埋もれたままにじり寄り健の顔を覗き込む彩の表情は悪戯心を滲ませる。
「そんな事を考えた事はないな。目の前の彩を可愛いなと思っただけだよ」
「うん、その返事に丸をあげる。抱っこして・・・」
背中を預けて寄りかかった彩は夜の港とベイブリッジの景色を見ながら、
「不思議な感じ・・・昨日の今頃は二泊出張の夫の準備を手伝いながら、久しぶりに実家へ行ってこようかなって話していた。この泡風呂が彩の実家なの??ねぇ、そうなの??・・・ウフフッ、困らなくてもいいよ。返事なんか欲しくないもん」

シャァッ~・・・「なんだ、どうした」・・・「ウフフッ・・・」
手を伸ばしてシャワーヘッドを掴んだ彩は背中越しに勢いよく湯をかけ、慌てた様子で顔を拭うのを見て会心の笑みを浮かべる。
「彩が仕掛けたんだよ、後悔させてやる」
背後から抱え込んで動きを封じ、乳房の先端を人差し指と中指で挟んで鷲掴みしてヤワヤワと揉み込む。
「アンッ、そんな事を・・・卑怯だよ」
「性感の優れた彩の弱点はあちこちにあるんだろうな・・・こうするとどうだ??」
わざとらしく舌を伸ばして首筋から耳の裏まで舐め上げ、耳穴に息を吹きかける。
「アッ、アゥッ・・・くぅっ~、悔しい」
バスタブの縁を掴んで快感を堪える悔しいという彩の声は悔しさを滲ますことはなく、楽しげにさえ聞こえる。
「こうやって後ろから抱きしめて吸い付くような肌の感触を独り占めに出来るのは幸せだなぁ」
のんびりした健の声に拍子抜けし、抗う事を止めてされるがまま受け入れる彩は与えられる快感に身を任せて全身の緊張を解く。

「アッ、いやんッ、気持ち良くなっちゃう・・・最後までしてくれる??これは使わなくてもいいけど・・・女は得だね、何度でもできる」
健の股間に手を伸ばして萎れたままなのを確かめ、女の方が得だと笑みを浮かべる。
「ここで最後までは無理だろう、いくら感度の良い彩でも・・・」
「まさか本気だと思ってないでしょう??ウソだよ嘘。軽食はイイの、フルコースで明日してもらうから・・・洗いっこしようよ」
泡を掬い取って身体に擦り付けて両手で全身を撫で回す。
健は乳房や腰から腿へと続くラインを丁寧に洗い、彩は股間を両手で包み込むように擦っても大きくならないと鼻を鳴らす。
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ちっち

Author:ちっち
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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