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堕ちる

独りで-7

バーカウンターでキールロワイヤルを飲んでいた時に近付いてきた男は、本物のカジノだとハイローラーをもてなすカジノホスト役の男だった。
新田の指示を受けてハイレートルームへ誘うために近付いた事を紗耶香は知る術もない。
キャバクラ嬢という事は聞き及んでいるが、改めて言葉巧みに紗耶香の仕事を聞きだし、VIPルームには本物の紳士がいるので、今後、仕事にも何かと便宜を図ってもらえるかもしれませんよと話す。
男の言葉で踏ん切りをつけた紗耶香は、ついにハイレートルームに案内してもらった。
新田の事が頭をよぎったが勝てば怒られる事はないだろうし、思った通り紗耶香の勝負運はスゴイな、ギャンブラーだよって褒めてくれるかもしれない。
一瞬の思いが 顔をほころばせてしまったようだ。
「どうかしましたか??」
「あっ、いえ、何でもありません」

紗耶香はミニマム50万円のハイレート台がある特別の客のための部屋に一歩入ったところで雰囲気に気圧され、歩を進める事を躊躇ってしまう。
シャンデリアが明るく照らした広い部屋には、バカラ・ポーカーなどのカードゲーム、クラップス台が設えられている。
足元の絨毯は、今までいた部屋よりも一層厚く足首まで埋まってしまいそうで、クラップス台でダイスが転がる音やカードをシャッフルする音、配る際の摩擦音を吸収してしまいそうだ。
華美に飾り立てることなく落ち着いた雰囲気の部屋は、馴染むと優しく受け入れてくれ、最初に感じた気圧される雰囲気はハイレートを意識しすぎた結果のようだ。

徐々に緊張は解け、それぞれの台に目をやる余裕も生まれてくる。
バカラ台を見ると、これまで見慣れたコイン型のチップに混じって角チップも混じっている。
「あの角チップは??」
「あの角チップは20万と50万円チップです。ミニマムが50万ですからね、高額チップも必要になるんです」
「そうですね、そうですよね・・・私の持っているチップを20万円チップに交換してもらえますか??」
「ご融資できますが、どうしますか??」
「いいえ、この130万円分のチップで遊びます」
バッグの現金50万円はそのまま残して高額チップに交換してもらう。

20万円の角チップは重量感がコイン型チップと違って金額の大きさを感じさせ、期待よりも不安が高じてくる。
そばに居た男がそっと離れてキールロワイヤルを用意し、
「どうぞ、一気に飲んじゃいましょうか??」
冷蔵庫で冷やしたグラスが身体の火照りを抑え、喉を通る冷たい液体が気持ちの昂揚を冷ましてくれる。
「ありがとうございました。お陰で落ち着きました・・・バカラをします」

紗耶香がテーブルに座ったタイミングに合わせるかのように案内される。
「これから別室にてオークションを始めます。商品は2個で、住所、氏名等の詮索は無用に願います。1つ目は男性。最低金額200万円。女性希望で原則望むママの奉仕。3回まで可能、複数も可。2つ目は女性。ターゲットは1000万円。男性、女性いずれも可。アナル可能、縛りなど痕が残る事は禁止。剃毛・浣腸可。複数も可、加えて2穴同時挿入も可能。以上ですが二人とも落札者に対する選択権は保有。有料見学可能です・・・以上でございます。詳しくは落札後、相対で条件を詰めてください」

紗耶香は抑えきれない好奇心を浮かべた表情のまま、男に視線を向ける。
「ごらんになりますか??」
「見るだけでも良いのですか??」
「もちろんです。商品が気に入らない場合や落札できなかった時は結果として見るだけになりますからね・・・ご案内いたします」
何人かの客が立ち上がり、別室に向かう。
案内された部屋は、さほど大きくなく、中央に小さなステージがあり、客はそれを取り囲むように用意された椅子に座って始まるのを待つ。
男性客が多いが紗耶香以外にも女性客がいる。ハイレートルームにいた客ばかりではないようだ。

「セックス奉仕するのですか??」
「奉仕とは言えません。中には話をするだけのために数百万円を出したお客様もいらっしゃいます。カジノでのことですから、常識は通じません。もともと資金的に余裕のあるお客様が多いのです。カジノのスリルと勝てばバカげた遊び・・・失礼しました、言いすぎました。返済が可能にもかかわらず、セックスが目的でオークションに参加されるお客様もいらっしゃいます。我々はそのようなお客様も排除いたしません」
「先日、借入金の返済は翌日正午が期限と聞きましたが、必ずしもそうじゃないってことですか??」
「原則としては、そういうことです。先程も言いましたが、我々としてはギャンブルと共にセックスの提供もしていますので、お断りする必要がありません。お客様の自由意思を尊重するだけです」

堕ちる

独りで-6

窓用シャッターを開け放ったまま眠った紗耶香は、差し込む陽光を眩しそうに開いた手で遮り、気持ちの良い目覚めに大きな欠伸をする。
アンッ・・・オナニーで昇りつめた後、シャワーも浴びずに寝たために身に着けるものは何もなく、股間に指を伸ばして跡を確かめ、誰もいない部屋で羞恥の声を漏らす。
ナイトテーブルに目をやると、時計はもう少しで12時になる事を教えてくれる。

シャワーを浴びて汗と共に僅かに残っていた気の迷いも流し去り、スッキリした気持ちで食事の準備をする。
予ねて用意しておいた食材で調理を始め、カツ丼と勝ち栗、納豆の昼食を摂る。
カツ丼と勝ち栗で勝ち運を祈り、納豆で粘り強く勝負する事を誓う。

昨年の有馬記念、験担ぎの好きなお客様が同じ食事で3連単10万超えの馬券を取ったと自慢していた。
お蔭で年明け早々に同伴した時、予想外のお年玉をもらってアフターでホテルに付き合った。
「クククッ・・・あのお客様は馬券上手だけどエッチは超が付くほど下手。新田さんの帰りを待てない・・・今日、行ってみよう・・・もう一度だけ。三度目は絶対に独りでは行かない」
またしても誰も聞く者がいないのを承知で独り言ちる。
僅かに残っていた否定する気持ちを片隅に押しやり、一人で行った一度目は勝てたのだから、今回も大丈夫だと自分に言い聞かせる。


「こんにちは。今日もお一人ですか??」
「そうなの、新田さんは長い出張だから、我慢出来ずに一人で来ちゃった。怒られちゃうかもしれない」
「ウフフッ、新田さまは紗耶香さんのように美しい女性を怒ったりしませんよ・・・ごゆっくり、お楽しみください。幸運に恵まれますように・・・」
初めて来た時の瑞樹は、値踏みするように全身をねめ回したが、二度目の今日はそんな事もなく親しく声を掛けてくれる。
瑞樹のように同性から見ても魅力的な女性に、美しいと言われるのはお世辞混じりだとしても悪い気はしない。

用意してきた100万円の内50万円をチップに替えた紗耶香は、迷うことなくバカラ台に向かう。
このカジノはルーレットもバカラもミニマム5000円でマックスが50万円の一種類。
新田の話では大口客のためのハイレートルームがあるらしい。
近くにいたバニーガールにキールロワイヤルを頼み、気持ちを落ち着かせることにする。
フルートグラスを手に持ち、カシスの赤を楽しみサッパリとしたカクテルを味わっていると、客の手が伸びて思い思いにバンカーとプレイヤーに賭ける。
ノーモアベット・・・ディーラーの声と共にカードが配られ、バンカーが8、プレイヤーが5でバンカーの勝ち。
その次も三枚目を引いたバンカーが勝った。

シューターを見つめ、カードが語り掛けるのを感じた紗耶香はグラスを置いてバンカーに10万円をベットする。バンカーの勝ちが続き、プレイヤーが勝つと思った人が多いのかバンカーサイドの掛け金が不足している。
もう一度シューターとディーラーを見た紗耶香は10万円分のチップを追加する。
ノーモアベット・・・ディーラーのカードは絵札と9でプレイヤーは6、ディーラーが勝った。
バンカーで勝った紗耶香は賭け金の20万円とコミッションを引かれた19万円分のチップを受け取る。
勝負の早いバカラで自分のペースを守り、場の雰囲気にのまれる事を本能的に嫌った紗耶香はグラスを手に取り他の客がベットする様子を眺めて気持ちを落ち着かせる。
三度続けてバンカーが勝ったため、またもや賭けはプレイヤーサイドに偏り、紗耶香は自らの勘を信じてバンカーサイドに20万円をベットする。
またもやバンカーの勝ちだった。
グラスに残るキールロワイヤルを飲み干しケンする積りだった紗耶香だが、4回連続でバンカーが勝ったためプレイヤーに賭ける人が多く賭けが成立しないようなのでバンカーに40万円ベットする。
5回連続でバンカーが勝つ確率は1/32。ここで勝つようならVIPルームに行こうかという思いが頭をよぎる。
またしてもバンカーが勝った。
130万円近くに増えたチップを持ってバカラ台を離れ、バーカウンターで休憩する事にする。

自分が座っていたバカラ台を見ながらキールロワイヤルを飲んでいるとタキシード姿のカジノスタッフが近付いてくる。
「見惚れてしまいます。迷いなく信じる道を突き進む。ギャンブルは突き詰めると自分との戦いになるんですよ・・・ここで勝つ人を何人も見ての感想ですがね。負けると迷う、勝ち続けても常人は迷う。勝負は一瞬の積み重ねで白が出るか黒が出るかは常に1/2なんですよね。白が二回続く確率は1/4、三回なら1/8、五度目となると1/32・・・こうなると常人は平均を求めてしまう。ぼつぼつ黒じゃないかと・・・自分を信じる人は1/32に賭けられる。素晴らしいです、本物のギャンブラーです。敬意を込めて狂気を持ったギャンブラーと呼ばせていただきます・・・アッ、ごめんなさい。長々と余計な事を話してしまいました。申し訳ございません」

堕ちる

独りで-5

車中で会員制レストランに連絡して予約を入れる。
自然な佇まいながらも要所は厳重に守られた建物に入り、高揚する気持ちを落ち着かせるために、
「シャンパンキールをお願いします」と遊び慣れている風を装う。
「どうぞ、キールロワイヤルでございます」
充分に冷やされたグラスの感触が火照った手に心地好い、喉を通過する冷えたカクテルが興奮を冷まして冷静さを取り戻してくれる。

この日はルーレットで勝ったり負けたりしながら僅かに資金を増やし、バカラ台に移動する。
前回ほどではなかったが、ギャンブルの神さまは紗耶香に優しくしてくれた。
バカラ台を離れる際、ディーラーにチップを渡すと、
「ありがとうございます・・・この前も勝ったでしょう。迷わないのが良いですね。お上手です」
新田に言われていた通りの言葉を返して紗耶香の気持ちをくすぐる。
時計を見た紗耶香は後ろ髪を引かれながらも、新田のエスコートもなく独りで来た緊張と仕事の疲れもあって睡魔に抗うことを止めて帰る事にする。

バッグから持ち出した50万円に加えて、今日勝った50万円をバッグに入れる。
手元に現金が200万円。預金も幾らかある。
将来は居酒屋かスナックを開きたいと思っている。
客商売が好きだし、酒を飲むのも好き。
たまには好ましく思う客に抱かれるのも良いと思う。後を引かない男がいい。
男で失敗した友人を何人も見てきた。
貢ぐために、もっと儲かる仕事が良いと身体を売り始めた友人もいる。女の盛りを男に捧げて貢ぐような事はしたくない。


あえて、賭け事やセックスについて考える事を避けて、一週間我慢した。
今日、出勤すれば明日は休みになる。
気持ちの奥に沈殿するカジノに行きたいと逸る気持ちを抑える事が出来なくなり、気を紛らわすために差障りのなさそうな客に同伴をねだった。その人に同伴をねだったのは初めてだったため、何を勘違いしたのかラストまで居続けてアフターを誘われてしまった。
断るのも申し訳なく食事とカラオケに付き合い、その後は何事もなくタクシー代をもらって帰宅した。

「仕事帰りですか??」
「分りますか??」
「私がドアを閉めて発車するまでニコニコしていたのに、男性が見えなくなった途端、フゥッ~って疲れたような息を吐いたでしょう・・・頑張っているんだろうなって思いました」
「そうですか・・・好きな男性相手だと、そんなことしませんよね。まだまだですね、私は」
「ごめんなさい、余計な事を言っちゃいました・・・最近、水揚げが伸びないので、あなたを見て頑張らないといけないなぁって思ったものですから・・・」
運転手さんと、とりとめのない世間話をするうちにモヤモヤは霧散しタクシーを降りる時、迷いは吹っ切れていた。

シャワーで汗と共に気迷いも流し、部屋の明かりを消して素っ裸のままベッドに横たわる。
スポーツ気分で身体が欲するままに乳房に手を伸ばし、膨らみを掬い上げるように揉み込み、先端を摘まむ。
「ウッ、気持ちいぃ・・・男性の目には、大きさも形も丁度いいはず。乳輪も上品に見えるし先端はピンクで可愛い・・・アンッ、こうして上手に刺激すると可愛いポッチが固くなって、子宮がジンジンする」
独り言を言いながら右手が下腹部へ這い降りて恥丘をサワサワと擦る。
恥毛が手の平を撫でる感触が心地好い。
左手が内腿を撫でて会陰部をなぞる。
会陰部をなぞる指が何度も行き来すると、足の付け根が自然と開き尻の割れ目も何かを待ちわびて緩んでくる。
膣口から滲み出た愛液がまとわりつく指がアナルを撫で回し、窄まりが徐々に解れてくるのを意識する。
ウッ、いやぁ~ン、思い出しちゃう・・・誰もいない真っ暗な部屋に紗耶香の艶めかしい声が響き、自分が漏らした声の大きさに思わずドアを確かめ、新月が作る窓の向こうの闇に目を凝らす。

ハダカンボでベッドに横たわり、股間に手を伸ばす自分を見る者がいない事を確かめた紗耶香は、一層大胆に指を蠢かす。両足を立ててM字に開き、くぐもった音が部屋に響きわたるほど激しく弄る。
クチャクチャ、ジュルジュルッ・・・アンッアンッ、ウゥゥッ~・・・二本の指が膣口に没して激しく出入りを繰り返し、両肩を支えに反りかえって股間を指に押し付ける。

グチュグチュ、ヌチャヌチャ・・・アッアッ、ウッウゥゥッ~・・・ハァハァッ・・・股間と指が奏でる淫靡な音が響き、秘めやかに漏らす喘ぎ声が静かに尾を引き、疲れを感じさせる荒い息が真っ暗な部屋を満たす。
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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