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彩―隠し事 201

獣欲 -15

デニムスカートのフロントボタン五個のうち三つを外しても足の付け目まで見えるわけがないしプラチナチェーン下着はスカートがしっかり隠してくれている。
それでも、股間を見られるかもしれないという不安と期待が綯い交ぜになったスリルで身体の火照りは止まることがなくフワフワと雲の上を歩いているような気がする。
これまで通勤の電車内や通りを歩くときに今ほど他人の視線を意識したことがなかった。
スタイルの好い人や女の自分が見ても美しいと思う人がいるし、若々しく溌溂として歩く姿を見るだけで楽しくなるような人もいた。
健志と歩く今、他人の視線が気になるのは恋する女がきれいに見えるからなのだろうかと自然と頬が緩む。
「ねぇ、彩は可愛い??」
「うん、どうしたんだよ。彩は可愛いしオレの大切な人だよ。知らなかったのか??」

寄り添って歩いていた健志の手が腰に伸びてプラチナチェーンを探り、指先に力を込めたり、緩めたりと背後を歩く人には違和感を与えずに彩にしか分からない動きをする。
「いやらしい、彩にしか分からない指の動きが子宮を愛撫されているようなエッチな気持ちになる……」
「クククッ、ここを少し入ったところに好い店があるから寄っていこうか」
彩の返事も聞かずに横丁に入ってすぐの店のドアを開ける。
カウンター席とボックス席が二つの小さなバーで健志は壁を背にして四人掛けのテーブルに座り、向かい合う席に彩を誘導する。

コンクリートを打ちっぱなしの壁と重厚な木のカウンターやテーブルなど飾り気のない調度がシックな雰囲気を醸し、静かに流れる女性ボーカル曲は性的好奇心で熱く昂奮していた彩の気持ちを冷ます。
「雰囲気がすごくいい。何時間でも居たいって感じで落ち着く」

「いらっしゃいませ……おほめ頂き、ありがとうございます」
黒いパンツと白いシャツにベストを着けて蝶ネクタイ姿の女性バーテンダーが彩のそばに立って微笑んでいる。
「えっ、私の言葉をお聞きになったのですか??思ったままの感想です」
照れたような彩の表情が健志の股間を刺激する。
「こんにちは。ジントニックとスプモーニをお願いします」
「かしこまりました。オイル漬けオリーブとチーズでよろしいですか??」
「プチトマトマリネもお願いします」
「タケは優しいけけど油断しちゃダメよ。案外とワルだから、ウフフッ……ごゆっくり」
振り向いた彩の視線の中のバーテンダーはモデル体型でスタイルはいいけれど、セックスの相手として健志好みではないと表情を緩める。

「一つ聞いてもいい??」
「クククッ、客と女性バーテンダー、それ以上でも以下でもない。オレはモテないし彩一筋。信じてくれるだろう??」
「彩一筋で居てくれるのはカヲルさんの言葉で信じてもいいかと思ったけど、今のバーテンダーさんやサクラさんのことを思うと信じていいか分からない……ウフフッ、彩と健志は気持ちで継がっているの??それとも彩のムッチリな身体が目当て??ねぇ、どっちなの??」
「オレが彩にプレチナチェーン下着を着けてほしいと思うのは離れていても心を縛るため、それが答えだよ」
「信じる。健志に会って月に一度くらいだけど身体の芯に溜まるコリを解してもらうようになってから仕事が順調だし、夫との関係は相変わらずだけど以前よりも平穏でイライラすることがなくなった。彩の身体が求める大切な人」

「おまちどうさま。スプモーニとジントニック、オリーブとプチトマトマリネ。チーズでございます」
「ありがとう。カウンター席が空いているのにゴメン」
「愛を語るためのテーブル席なので気にしなくていいよ。混んできたらお代わりはセルフだぜ」
「分かったよ」
「ごゆっくりどうぞ」
マスターは彩に向けて満面の笑みを浮かべて戻っていく。

「スプモーニも美味しいしプチトマトマリネも最高。家でも作ってみようかな」
「オレは彩の気持ちを確かめてみたい……見せてくれるだろう??」
「ここで??……どうしても??……見えないよね??」
「背もたれが邪魔をして見えないよ。オレの大切な彩を他の人には見せたくない……見せてくれるね??」
ハァハァッ……ゴクッ……コクッと頷いた彩は息を荒げてゴクッと唾を飲み、さりげない風を装って周囲に視線を巡らせる

健志を見つめる瞳は潤み、自らの視線を股間に向けてスカートを摘まんで左右に広げていく。
軽く腰を持ち上げて広げやすくして健志に言われたわけでもないのに四つ目のボタンを外す。
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

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さむいのも嫌
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