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彩―隠し事 186

海の見えるホテル -24

学生時代からの親友である栞は夫に浮気がばれ、セックスの様子をボイスレコーダーで録音することを許してもらう条件とされた。
浮気を音声で確認した夫は愛妻がSMプレイで責められて漏らす啼き声で寝取られ願望を満足させ、これまでにないほど激しく可愛がってくれたばかりではなく、もっと激しく責められて来いと命じた。
時を同じくして課長の転勤で不倫関係を清算することになり、最後は複数の男たちを相手にする乱交プレイをしたいと言われた栞は夫の希望に叶うと考えて承諾した。
優子が想像する課長とは思えないほどの変態プレイで栞を責め、それを聞かされた優子は彩に変身して自分も経験したみたいと妄想を温めていた。

夫が出張にかこつけて不倫相手を伴って留守にするので優子は彩に変身して健志と3泊4日の旅に出た。
そして今日、岩場に隠れてセックスするアキラとサチに会い、成り行きで相手を替えてセックスに及んだ。
その後、部屋に戻ってもモヤモヤする気持ちを持て余した彩はアナルオナニーを健志に見せつけて欲情を発散し、夜の海で素っ裸になって戯れると心の奥に隠したままにしていた見ず知らずの他人と、それも複数の男たちに犯されてみたいという妄想を現実のモノにしたいと口にした。

「……分かった」と、答えるのみで続く言葉を発することのない健志に不安を抱いた彩は横目で様子を探る。
健志はそんな彩に気付かない様子で無言のうちにホテルを目指し、小柄な彩は遅れまいとして小走りになる。
「待ってよ、ゆっくり歩いてほしい……気に入らないならダメって言えばいいじゃない……」
「えっ、あぁ、ゴメン。怒っているわけじゃないよ。どうすれば彩が喜んでくれるか考えていた、ゴメン」
「そうなんだ、心配して損しちゃった。ねぇ、手をつないで……」
差し出した健志の手の平はジットリ汗ばみ、怒っていないという言葉に嘘がないかと
表情を覗き込む。
「なんだよ、信用できないのか??」
「信用するけど、それもね……彩のことを大切だと思うなら他人にオモチャにされてもいいと思うのは……ちょっとね」
「面倒な人だなぁ」
「あぁ~、面倒な人って他人事みたい。面倒な女って言うところじゃない??……クククッ、こんな言い方をするのが面倒な女だよね。ねぇ、抱っこして、疲れちゃった」
軽々とお姫様抱っこをする健志の首に手を回して軽く唇を合わせた彩は、
「スカートを穿いていれば捲ってツルマンを見せてあげられたのに、ザンネン」
「そうだな、塩味のするマンコを舐めることができたのに、クククッ」

部屋に戻った二人は卑猥な思いと共に海の名残をシャワーで洗い流し、彩はビール、健志はウィスキーの水割りを用意してベランダに設えられた椅子に座り夜の海を眺める。
海は前日と同じように波が慎ましやかに月明りを反射し、規則正しく照らす灯台の灯りが夜の海を見張る。
「健志に会ってからの彩は自分でも怖いと思うほど欲望を抑えきれない……健志の部屋で見る夜景だけど華やかであればあるほど影が濃くなる。健志は言ったよね、夜の灯りが作る影は人間の欲望の象徴だって」
「人の好みや興味は千差万別。性的欲望も人それぞれ……オレは彩の立ち居振る舞いや雰囲気が好き。何をしても清潔感がある。食事をする、歩く、後姿、もちろんセックスもすべてが好きだよ」
「抽象的な誉め言葉じゃ信用できない。具体的に聞かせて……」
「二日目の朝、ヨガを終えた彩がスッポンポンで胡坐座りで太陽に向かい、お日さまのエネルギーを身体全体に受けていた姿。オッパイもツルマンもムッチリの身体が丸見えなのにスケベ心は生まれなかった、芸術を前にしてエロイ気持ちは生まれない。それほど彩はきれいだったよ」
「本当のことでも改めて褒められると嬉しい、フフフッ、冗談よ彩は己惚れ屋さんじゃないの」
「可愛いな。彩は何をしても、何を言っても、どんな時でも可愛い」
「本気にするよ……健志といると内気で人見知りする本当の私は姿を消して積極的な彩になれる……あの日、カヲルさんのいるSMクラブに行って良かった。行かなければ二人の歩く道が交差することがなかっただろうし他人のままだったよね、きっと」
「どっちも本当の彩だよ、きっと。悪い意味の裏表じゃなく、その人の持つ多様性が人間の深みになると思う」

ホテルでの最後の夜はツインルームらしく二つのベッドで寝ることにして離れて横になる。
健志は疲れもあってすぐに夢の国の住人になり、彩は健志以外の男性とエッチしたいと告げたことに後悔はないけれど不安と期待で身体の火照りが収まらず何度も寝返りを打つ。
「ねぇ、寝ちゃったの??……つまんない」
静かに独り言ちた彩はベッドを降りて健志を起こすことなく身体を寄せていく。
鼻頭をつつき、瞼に指先を這わせても目を開ける気配はなく、あきらめた彩は額にチュッと唇を合わせて健志の腕を抱き、おやすみなさいと囁いて目を閉じる。

祝日の月曜日、チェックアウトを早くした二人は往路の千葉東金道路ではなく、東関東自動車道路経由で帰路に就く。
「往路は海好きの彩に外房だと勘違いさせようとしたでしょう……楽しかった、また機会があれば今度は山あいの温泉地に行きたいな……覚えておいてね、約束だよ」
「分かった、覚えとくよ」

途中で昼食を済ませ、3時間余りで健志の部屋に戻り時刻を確かめた二人は離れがたい気持ちが沸き上がり交わす言葉が見つからずに静寂の中で立ち尽くす。
そのタイミングで健志のスマホが着信を知らせる。
「もしもし……そうか、ありがとう……今日というわけにはいかないけど、近いうちに彼女が1人で取りに行くと思う……そうじゃない……連絡するよ。ありがとう」
「どうしたの??彼女って誰??……いい、答えてもらわなくてもいい。帰るね、楽しかった、ありがとう」
「なにか勘違いしているようだから、帰る前に聞いてくれる??」
「いいよ、なに??」
彩は自分の世界に閉じこもろうとしているようで言葉に抑揚はなく冷たく感じる。
「今の電話は銀細工の友人からでホテルから頼んだのが出来たって。ほら、オッパイ飾りのついたヤツだよ。店が休みだったから彩のアクセサリーを大急ぎで作ってくれたんだって……」
「えっ、そうなの。ごめんなさい、健志の言う通り勘違いしちゃった……それで彩が1人で取りに行くの??」
「そうだよ、オッパイとオマンコ飾りのつながったモノだからサイズ合わせをしなきゃだめだろう。待っているのが面倒だから彩が一人で行ってくれよ、いいだろう??」
「スッポンポンになってアクセサリーを着けて……オッパイやアソコを触られちゃうの??」
「結果的にはそうなるかもしれないな。奴がスッポンポンの彩を前にして平静を保てるかオレには分からない……彩が嫌だって言うならしょうがないけどどうする??」
「いいの??1人で行っても、あの人は嫌いなタイプじゃないよ。芸術家タイプで指先がきれいだし繊細な動きをする……本当にいいの??」
「食事に対する嗜好と同様、性的な興味も人それぞれ……彩が好きだし信じている。
但し、聞いた話だけど風俗女性は身体だけではなく心を壊す場合もあるらしい。男に気を遣いすぎたり義務だと思ったりしないで趣味嗜好の範囲で抑えてほしい」
「うん、覚えておく。ありがとう」

「よし、それじゃぁ、ジーンズと下着を脱いでくれる」
健志が持つプラチナチェーン製パンツを見た彩は淫蕩な光を宿す瞳で見つめ、カーテンを開け放った窓に一瞬目をやってジーンズだけではなく、Tシャツとブラジャーも脱いで素っ裸になる。
下着を着け終えた健志はチェーンに沿って指を這わせ、飾り毛のない恥丘に唇を合わせて下腹部から胸の膨らみまで舌を這わせる。
「アンッ、気持ちいい。帰りたくなくなっちゃう……」
「クククッ、可愛いよ……名残が尽きないから家の近くまで送るよ」
「うん、今の関係を続けるためには好い奥様で居なきゃね。ウフフッ、世間的には彩は好い奥様、健志の前では悪い妻だけど好い愛人……キスして」
左手を腰に回してハダカンボの彩を抱きしめ、唇を合わせて濃厚なキスをしながら右手で髪を撫でて頬を擦る。
ウッ、ジュルジュルッ……唾液を交換する頃には健志の右脚が彩の両脚の間に入り込んで股間を刺激する。
「アンッ、ダメッ、ウッウッ、クゥッ~……気持ちいい、ハァハァッ」
真っ赤な瞳で見つめる二人は離れがたい思いを振り切って彩は衣服を整えて髪にブラシを入れ、健志はホテルで来ていた二人の衣服を洗濯機に入れてスイッチを入れる。
「ごめんね、彩の下着まで洗わせちゃって」
「いいさ、行くよ」

最寄り駅の近くの人通りの少ない場所で降りた彩は買い物を済ませて時刻を確かめ、ここからは好い奥様になるんだと自分に言い聞かせながら夏の太陽を見上げて目を眇め、フゥッ~と息を吐いて歩き始める。
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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