便利な男と便利な女
便利な男と便利な女-7
ホテルを出て横断歩道の信号待ちも含めて5分ほどのビル内にある居酒屋に入り、予約済みの二人用個室に案内される。
料理もコースで予約してあったのでドリンクメニューの選択だけで済む。
辛口の白ワインをオーダーして誰に邪魔される事なく二人きりになると、ユカは俯いて顔を上げようとしない。
「便利な男のあなたは、いつも満足させてくれる・・・そう言ったの。ダメだ、この先は恥ずかしい」
「そう言った??誰に??・・・まさか??」
「たぶん、あなたの想像した人に話したの。四方がガラス張りのラブホ、香りや目隠し猿ぐつわなど五感を刺激するセックスなどをね・・・」
「ふ~ン・・・それで、その先は??」
「お願いが一つあるって言ったけど、その事・・・だめだ、やっぱり恥ずかしくて言えない。勘のいいあなただから分かったでしょう??返事は急がないから」
その時、失礼しますと声がして、ワインや料理が運び込まれる。
デザートを除いて、すべてを一度に運んでくださいと伝えてあったので前菜からメイン料理までが所狭しと並べられる。
「ごゆっくり、お召し上がりください。飲み物の追加はいつでもどうぞ」
「ありがとう」
二人きりになると柏木が口を開く。
「一つ確かめたいんだけど、レンタルって事はないよね??」
「レンタル??・・・ウフフッ、便利な男でもあなたの事が好きだよ、他人に貸したりしない」
「そうか、分った・・・乾杯しよう」
乾杯の後は他愛のない話でワインと食事を楽しみ、先ほどまでの濃厚なセックスの余韻やユカの新たなお願いを話題にする事なくゆったりと時間の経過を楽しむ。
デザートも美味しく頂き、ユカはカンパリソーダ、柏木はジントニックをオーダーする。
小さなテーブルを挟んで無言のうちにカンパリソーダとジントニックを味わう。
激しいセックスで身体が満足し、美味い食事とワインでセックスが満たしてくれなかった僅かな隙間にも満ち足りた幸せが忍び込む。
会話を必要としない時間が愛おしく感じられる。
いわゆるセフレと言われる付き合いでユカが身体の疼きを解消したいと思った時にセックスをする。
互いに好ましく思っている事に間違いはなく、刹那のセックスに満足感を得ているだけではない。
カンパリソーダを飲み干したのを見て、柏木もジントニックのグラスを傾け、
「このまま帰るけど良いだろう??」
「うん、ありがとう。考えといてね」
「あぁ、分った。オレの想像が正しければ経験がない事だからな・・・」
「あなたなら大丈夫だよ。朱里さんが望むのは後腐れの無い変態セックスだから・・・あっ、名前を出しちゃった。分かってたでしょう??」
「フフフッ、わざと間違えた振りをしたんだろう。分かってるよ・・・明朝、起こしに来るからね」
「うん、待ってる。今日はありがとう、スッキリしたからよく眠れそう」
柏木がドアチャイムを鳴らすと同時と言っていいほどの速さでドアを開けたユカは、おはようの挨拶と同時に腰に手を回して引寄せてむしゃぶりつくようにキスをする。
ヌチャヌチャッ・・・アッアンッ、ウゥッ~・・・ハァハァッ・・・
「ハァハァッ、だめ、まだ治まらない・・・眠ろうとすると思い出して身体が疼くの。アソコを指で弄っても冷めるどころか不満が募るだけで眠れなかった。バイブを持ってくればよかったと思ったけど後の祭り・・・って言ったらどうする??」
「ふ~ン・・・いつも以上に笑顔が輝いているしツヤも好い。十分な睡眠をとってオレが着くのを今や遅しと待ち構えていた、それほど満足したって事かな」
「ウフフッ、あなたにウソは通じない。すごく満足させてもらったよ・・・お礼代わりに朝の挨拶をさせて」
仁王立ちの柏木をドアに押し付けたまま跪いたユカは目の前のファスナーを下ろして萎れたままのペニスを引き出す。
「あ~ァ、私はこの子に会いたくてしょうがなかったのに、この子は違うみたい。がっかりだな・・・私と同伴したい、アフターで食事に行きたい。出来れば抱きたいって思っている男がチンチンをおっ立てて列をなしてるって言うのに・・・」
蹲ったまま時刻を確かめたユカは、
「チェックアウトタイムに余裕はあるけど、ゆっくり出来ないんでしょう??」
「月曜だからね」
「サクサクッと出してくれる??飲んじゃうから・・・今度、三人でする時までおねだりしないから」
「5分で良いなら・・・朝食を摂らないなら良いけど」
「ウフフッ、三人でするって言っても否定しなかったから好いの・・・行こう、早く。お腹がすいた」
「柏木さん、おはようございます。お邪魔ですか??ユカちゃんに朝食を一緒にって誘われたから・・・」
「ねぇ、好いでしょう??朱里さんと私は、あなたを挟んで姉妹になるんだし、ねっ」
「えっ、ユカちゃん。話したの??」
「うん、話しやすい時期があるわけじゃないから、善は急げってヤツ」
「その話はともかく、食事は賑やかな方が美味しいし朱里さんを歓迎します」
「ありがとうございます。ご一緒させていただきます・・・ウフフッ、満足させてもらったようね、ユカちゃん。いつもより楽しそうだし輝いてる」
「そうだよ、今までにない方法で可愛がってくれたの。朱里さんも楽しみにして良いわよ」
二人のあけすけな会話に隣席の男性が興味をそそられた様にチラチラと視線を送り、その様子を気付いた二人は顔を見合わせて肩をすくめ、話題を昨晩のテレビ番組に替える。
<< 続く >>
ホテルを出て横断歩道の信号待ちも含めて5分ほどのビル内にある居酒屋に入り、予約済みの二人用個室に案内される。
料理もコースで予約してあったのでドリンクメニューの選択だけで済む。
辛口の白ワインをオーダーして誰に邪魔される事なく二人きりになると、ユカは俯いて顔を上げようとしない。
「便利な男のあなたは、いつも満足させてくれる・・・そう言ったの。ダメだ、この先は恥ずかしい」
「そう言った??誰に??・・・まさか??」
「たぶん、あなたの想像した人に話したの。四方がガラス張りのラブホ、香りや目隠し猿ぐつわなど五感を刺激するセックスなどをね・・・」
「ふ~ン・・・それで、その先は??」
「お願いが一つあるって言ったけど、その事・・・だめだ、やっぱり恥ずかしくて言えない。勘のいいあなただから分かったでしょう??返事は急がないから」
その時、失礼しますと声がして、ワインや料理が運び込まれる。
デザートを除いて、すべてを一度に運んでくださいと伝えてあったので前菜からメイン料理までが所狭しと並べられる。
「ごゆっくり、お召し上がりください。飲み物の追加はいつでもどうぞ」
「ありがとう」
二人きりになると柏木が口を開く。
「一つ確かめたいんだけど、レンタルって事はないよね??」
「レンタル??・・・ウフフッ、便利な男でもあなたの事が好きだよ、他人に貸したりしない」
「そうか、分った・・・乾杯しよう」
乾杯の後は他愛のない話でワインと食事を楽しみ、先ほどまでの濃厚なセックスの余韻やユカの新たなお願いを話題にする事なくゆったりと時間の経過を楽しむ。
デザートも美味しく頂き、ユカはカンパリソーダ、柏木はジントニックをオーダーする。
小さなテーブルを挟んで無言のうちにカンパリソーダとジントニックを味わう。
激しいセックスで身体が満足し、美味い食事とワインでセックスが満たしてくれなかった僅かな隙間にも満ち足りた幸せが忍び込む。
会話を必要としない時間が愛おしく感じられる。
いわゆるセフレと言われる付き合いでユカが身体の疼きを解消したいと思った時にセックスをする。
互いに好ましく思っている事に間違いはなく、刹那のセックスに満足感を得ているだけではない。
カンパリソーダを飲み干したのを見て、柏木もジントニックのグラスを傾け、
「このまま帰るけど良いだろう??」
「うん、ありがとう。考えといてね」
「あぁ、分った。オレの想像が正しければ経験がない事だからな・・・」
「あなたなら大丈夫だよ。朱里さんが望むのは後腐れの無い変態セックスだから・・・あっ、名前を出しちゃった。分かってたでしょう??」
「フフフッ、わざと間違えた振りをしたんだろう。分かってるよ・・・明朝、起こしに来るからね」
「うん、待ってる。今日はありがとう、スッキリしたからよく眠れそう」
柏木がドアチャイムを鳴らすと同時と言っていいほどの速さでドアを開けたユカは、おはようの挨拶と同時に腰に手を回して引寄せてむしゃぶりつくようにキスをする。
ヌチャヌチャッ・・・アッアンッ、ウゥッ~・・・ハァハァッ・・・
「ハァハァッ、だめ、まだ治まらない・・・眠ろうとすると思い出して身体が疼くの。アソコを指で弄っても冷めるどころか不満が募るだけで眠れなかった。バイブを持ってくればよかったと思ったけど後の祭り・・・って言ったらどうする??」
「ふ~ン・・・いつも以上に笑顔が輝いているしツヤも好い。十分な睡眠をとってオレが着くのを今や遅しと待ち構えていた、それほど満足したって事かな」
「ウフフッ、あなたにウソは通じない。すごく満足させてもらったよ・・・お礼代わりに朝の挨拶をさせて」
仁王立ちの柏木をドアに押し付けたまま跪いたユカは目の前のファスナーを下ろして萎れたままのペニスを引き出す。
「あ~ァ、私はこの子に会いたくてしょうがなかったのに、この子は違うみたい。がっかりだな・・・私と同伴したい、アフターで食事に行きたい。出来れば抱きたいって思っている男がチンチンをおっ立てて列をなしてるって言うのに・・・」
蹲ったまま時刻を確かめたユカは、
「チェックアウトタイムに余裕はあるけど、ゆっくり出来ないんでしょう??」
「月曜だからね」
「サクサクッと出してくれる??飲んじゃうから・・・今度、三人でする時までおねだりしないから」
「5分で良いなら・・・朝食を摂らないなら良いけど」
「ウフフッ、三人でするって言っても否定しなかったから好いの・・・行こう、早く。お腹がすいた」
「柏木さん、おはようございます。お邪魔ですか??ユカちゃんに朝食を一緒にって誘われたから・・・」
「ねぇ、好いでしょう??朱里さんと私は、あなたを挟んで姉妹になるんだし、ねっ」
「えっ、ユカちゃん。話したの??」
「うん、話しやすい時期があるわけじゃないから、善は急げってヤツ」
「その話はともかく、食事は賑やかな方が美味しいし朱里さんを歓迎します」
「ありがとうございます。ご一緒させていただきます・・・ウフフッ、満足させてもらったようね、ユカちゃん。いつもより楽しそうだし輝いてる」
「そうだよ、今までにない方法で可愛がってくれたの。朱里さんも楽しみにして良いわよ」
二人のあけすけな会話に隣席の男性が興味をそそられた様にチラチラと視線を送り、その様子を気付いた二人は顔を見合わせて肩をすくめ、話題を昨晩のテレビ番組に替える。
<< 続く >>