堕ちる
カジノ-1
「これで良い??フォーマルでなくていいけど、崩し過ぎないって言われても良く分からない。友達の結婚式に着たワンピースで良いかなと思って・・・」
「うん、好いよ。今日は、店で見るより好い女だよ・・・ベーシックなデザインでブルーが良いね、紗耶香をクールな好い女に見せる。似合っているよ・・・キスしても良い??」
「ウフフッ・・・新田さんは私を気持ち良くしてくれる名人。ウフフッ、キスして・・・」
背中に手を回して軽く抱き寄せ、唇を合わせる。
可愛いよと言葉を掛けた新田は助手席のドアを開ける。
「表向きは会員制のレストランになっているから会員同伴でないと入れないんだ。ビジターも希望すれば同伴会員の推薦と資格検査が済めば入会できるけどね」
「ふ~ン・・・面白かったらだけど、入会したくなったら推薦してくれる??」
「それは構わないけど、怖いらしいよ」
怖いよと言う言葉を強調した新田は、特に紗耶香のように好い女はカジノ側にとっても色々メリットがあるらしいから注意した方が好いよ、と白々しい言葉を掛ける。
「ふ~ん・・・負けた女は借金を背負わされて太客のセックス奴隷にされるとか??クククッ、まさかね??」
「いや、客だったはずの女性が、ある日からバニースタイルで接客するとか、オレには縁がないけど客の男と特別室に入っていくのを見た事もあるしね」
「特別室って??・・・まさか、アレのための部屋なの??」
「分からない、オレなんかショボイ客だから縁のない部屋だからね。想像できないような高額でやってるのか、酒池肉林の部屋なのか・・・紗耶香が望むなら推薦するけど注意しろよ」
「うん・・・・・」
会員になりたいと言うのは分かっている。そして、近い将来に借金を背負いこんで短期間とは言え、言うがまま働かされる。その選択をしたのは新田のせいではなく、全て自分の招いた事だと諦めるための言質を取っておく新田の狡猾な話である。
不安を隠そうともせずに寡黙になった紗耶香を乗せた車は、二階建ての豪壮な建物を正面に見ながら走る。
ケータイを手にした新田は、
「新田です。ビジターを独り同伴しています」と告げて、鉄扉の前で停車する。
洒落たプレートに会員制の表示とレストラン名を見ることが出来る。
石塀に囲まれた敷地の奥に建物の屋根らしいものが見えるが、木々が遮り全容を見る事は出来ない。
紗耶香が美しくも頑丈なロートアイアンに見入っていると、そこに取り付けられた監視カメラが微妙に動いているのが見える。
「同伴者を確認し、周囲に別の車がいないかなどを確認しているんだと思うよ」
音もなく扉が開き敷地内に車が入る。
玄関前で車を停めると、ドアマンが音もなく近寄り建物の中へ案内してくれる。
「新田さま、お待ちいたしておりました。お席の用意をいたしますのでウェイティングバーでお待ちください」
タキシード姿で蝶ネクタイとカマーバンドが良く似合う男に案内された二人は、キールロワイヤルを食前酒に選ぶ。
「美味しい。飲みやすいし色も赤がきれい」
フルートグラスの中で静かに立ち昇る泡が爽やかな飲み心地となって、不安もあって寡黙になっていた紗耶香に元気が戻る。
「ブルーのドレスにカクテルの赤い色が映える。フルートグラスも小粋で紗耶香を一層エレガントに見せる・・・このままホテルに行きたい気分だよ」
「ウフフッ、本当??嬉しい・・・食事を終えたら・・・なの??」
カクテルのせいとは思えないものの、頬を僅かに朱に染めた紗耶香はカジノに思いを馳せ、あちこち見回す。
「クククッ、見えないよ。闇とは言え紳士淑女の社交場。先ずは食前酒で食欲を増進させて、食事を楽しむ。食欲を満たした後は冒険してみたくなる」
「冒険とかスピード感って女の性欲を昂進させるんだよね・・・興奮スイッチと性欲スイッチは直ぐそばにあるの」
「お席の用意が出来ました。ご案内いたします」
新田の好みでワインは良質の白だけをオーダーし、紗耶香もあえて赤はオーダーしない事にする。
「新田さんて普段は我を張らないのに、絶対に譲らないこだわりがあるよね。そこに惹かれたんだけど・・・」
アバンアミューズに始まりスープや前菜のエビマリネ、魚料理のヒラメも美味しく紗耶香の頭からカジノは姿を消し、肉料理が運ばれる頃には料理に感嘆する言葉しか出なくなる。
お腹がいっぱいになったと言う紗耶香に合わせてデザートは断り、エスプレッソを頼む。
「幸せ、このままホテルの最上階に連れて行かれたら何でも言う事を聞いちゃいそう・・・」
「好いよ、そうしようか??・・・スイートルームを頼もうか」
「イヤンッ、だめ・・・今日の目的は・・・でしょう??」
笑みを浮かべながらも怒った表情で抗議する紗耶香が何とも可愛い。
「これで良い??フォーマルでなくていいけど、崩し過ぎないって言われても良く分からない。友達の結婚式に着たワンピースで良いかなと思って・・・」
「うん、好いよ。今日は、店で見るより好い女だよ・・・ベーシックなデザインでブルーが良いね、紗耶香をクールな好い女に見せる。似合っているよ・・・キスしても良い??」
「ウフフッ・・・新田さんは私を気持ち良くしてくれる名人。ウフフッ、キスして・・・」
背中に手を回して軽く抱き寄せ、唇を合わせる。
可愛いよと言葉を掛けた新田は助手席のドアを開ける。
「表向きは会員制のレストランになっているから会員同伴でないと入れないんだ。ビジターも希望すれば同伴会員の推薦と資格検査が済めば入会できるけどね」
「ふ~ン・・・面白かったらだけど、入会したくなったら推薦してくれる??」
「それは構わないけど、怖いらしいよ」
怖いよと言う言葉を強調した新田は、特に紗耶香のように好い女はカジノ側にとっても色々メリットがあるらしいから注意した方が好いよ、と白々しい言葉を掛ける。
「ふ~ん・・・負けた女は借金を背負わされて太客のセックス奴隷にされるとか??クククッ、まさかね??」
「いや、客だったはずの女性が、ある日からバニースタイルで接客するとか、オレには縁がないけど客の男と特別室に入っていくのを見た事もあるしね」
「特別室って??・・・まさか、アレのための部屋なの??」
「分からない、オレなんかショボイ客だから縁のない部屋だからね。想像できないような高額でやってるのか、酒池肉林の部屋なのか・・・紗耶香が望むなら推薦するけど注意しろよ」
「うん・・・・・」
会員になりたいと言うのは分かっている。そして、近い将来に借金を背負いこんで短期間とは言え、言うがまま働かされる。その選択をしたのは新田のせいではなく、全て自分の招いた事だと諦めるための言質を取っておく新田の狡猾な話である。
不安を隠そうともせずに寡黙になった紗耶香を乗せた車は、二階建ての豪壮な建物を正面に見ながら走る。
ケータイを手にした新田は、
「新田です。ビジターを独り同伴しています」と告げて、鉄扉の前で停車する。
洒落たプレートに会員制の表示とレストラン名を見ることが出来る。
石塀に囲まれた敷地の奥に建物の屋根らしいものが見えるが、木々が遮り全容を見る事は出来ない。
紗耶香が美しくも頑丈なロートアイアンに見入っていると、そこに取り付けられた監視カメラが微妙に動いているのが見える。
「同伴者を確認し、周囲に別の車がいないかなどを確認しているんだと思うよ」
音もなく扉が開き敷地内に車が入る。
玄関前で車を停めると、ドアマンが音もなく近寄り建物の中へ案内してくれる。
「新田さま、お待ちいたしておりました。お席の用意をいたしますのでウェイティングバーでお待ちください」
タキシード姿で蝶ネクタイとカマーバンドが良く似合う男に案内された二人は、キールロワイヤルを食前酒に選ぶ。
「美味しい。飲みやすいし色も赤がきれい」
フルートグラスの中で静かに立ち昇る泡が爽やかな飲み心地となって、不安もあって寡黙になっていた紗耶香に元気が戻る。
「ブルーのドレスにカクテルの赤い色が映える。フルートグラスも小粋で紗耶香を一層エレガントに見せる・・・このままホテルに行きたい気分だよ」
「ウフフッ、本当??嬉しい・・・食事を終えたら・・・なの??」
カクテルのせいとは思えないものの、頬を僅かに朱に染めた紗耶香はカジノに思いを馳せ、あちこち見回す。
「クククッ、見えないよ。闇とは言え紳士淑女の社交場。先ずは食前酒で食欲を増進させて、食事を楽しむ。食欲を満たした後は冒険してみたくなる」
「冒険とかスピード感って女の性欲を昂進させるんだよね・・・興奮スイッチと性欲スイッチは直ぐそばにあるの」
「お席の用意が出来ました。ご案内いたします」
新田の好みでワインは良質の白だけをオーダーし、紗耶香もあえて赤はオーダーしない事にする。
「新田さんて普段は我を張らないのに、絶対に譲らないこだわりがあるよね。そこに惹かれたんだけど・・・」
アバンアミューズに始まりスープや前菜のエビマリネ、魚料理のヒラメも美味しく紗耶香の頭からカジノは姿を消し、肉料理が運ばれる頃には料理に感嘆する言葉しか出なくなる。
お腹がいっぱいになったと言う紗耶香に合わせてデザートは断り、エスプレッソを頼む。
「幸せ、このままホテルの最上階に連れて行かれたら何でも言う事を聞いちゃいそう・・・」
「好いよ、そうしようか??・・・スイートルームを頼もうか」
「イヤンッ、だめ・・・今日の目的は・・・でしょう??」
笑みを浮かべながらも怒った表情で抗議する紗耶香が何とも可愛い。