2ntブログ

彩―隠し事 183

海の見えるホテル -21

人は誰でも隠し事を持つ権利がある。
明らかに違法なことや他人に迷惑を掛けない限り知られたくない趣味嗜好を持つことは悪いことではない。
気持ちや身体の均衡を保ち平穏に過ごすためには人知れず隠し事を実行したり、あるいは妄想で紛らしたりすることもある。
食べることに執着し、高級食材やゲテモノ料理あるいは有名店に興味を示す者もいれば他人は興味を示さないようなモノを収集する者もいる。
性的嗜好が強い者もいる。
今は彩と名乗る優子と健志も性的嗜好が強いと言える。

優子は高校時代に経験したハダカンボになって着替えるところを隣家の男子に見せつけた時のゾクゾクするような経験を忘れられずにいた。
ハダカンボや恥ずかしいことをするところを見られたいというよりも、見られるか見られないかのスリルを味わいたいという思いが強く、それは気持ちの奥に密かに隠していた。
年上の男性と初体験を済ませたことや女子高ということで男子がいないことを幸いに性的なことをあけすけに話す友人たちに交じって妄想を膨らませていた。
大学時代に親しくなった栞は自分の欲望に忠実な女性で性的に奔放なところもあり、経験も豊富で話題が尽きることはなかった。
もともと人見知りする質の優子は人付き合いが苦手とか嫌いとかいうわけではなく、自分から積極的に付き合いを求めるということが少ないだけで友人は少なくなかった。
そんな中でも栞との仲は深まり、いつしか互いに親友と呼び合う仲になっていた。
栞は優子の恥ずかしい姿を見られるか見られないかのスリルを味わいたいという密かな思いを知ってか知らずにか、自分の経験をあけすけに話し、いろいろなところに連れて行ってくれた。
優子と一緒に仕事をしたいという栞の希望は叶い、二人一緒に今の会社に就職し、栞の人たらしの見事さで同じ部署で働いている。
そんな栞との付き合いの中で優子の身体の奥に棲みつく妖しい思いは密かに成長し、ついに一歩を踏み出して自撮りのハダカンボ写真を載せるようなブログを始めた。
彩という名で身に着けるものをすべて脱ぐだけではなく、夫や親しい栞にも隠していた性的な欲望を発散し気持ちの奥にまとって覆い隠していたものもすべて脱ぎ棄てた。
そこでは男性だけではなく女性からも魅力的な身体だ、美しい肌だと褒められたり写真の構図を褒められたりすることもあった。
普段は人見知りで引っ込み思案と思われることもあるが、実際の優子は何かの拍子でスイッチが入ると他人だけではなく自分さえも驚くような行動をすることがある。
彩と名乗ったブログの中の優子はまさしくスイッチの入った状態で、オナニーもアナルにディルドを挿入したり、もともと興味のあったムッチリとして魅力的な身体を縄で飾る場面を自縛として曝したりと欲望には忠実に振舞った。
そうなると見る者の要求も過激になり、野外で肌を曝す彩さんの魅力的な身体を見たいとか男性と絡む姿を見たい、中にはデートの申し込みやヌードモデルとして会ってくれないかと申し込まれることもあり、ブログの運営方法を考えるうちに疎遠となった。
男性は視覚と聴覚で性的昂奮が昂ぶるために動画や女性のヌードやパンチラを好み、女性は男性に身体や髪を撫でられる触角刺激で興奮するというけれど優子は文字情報で妄想を高めて昂奮するためブログは自分の性的嗜好に合っていたと今でも思っている。
栞に連れられて行ったSMショークラブで偶然出会ったのが目の前で意地悪なことを命じる健志だった。

アキラとサチ、岩陰で初対面の二人と淫猥遊びをしたことで彩の気持ちと身体の奥で何かがパチンと弾けたのを感じた。
何かの拍子でスイッチが入ると自分でも驚くほどの決断をする。今はその分水嶺に立っている気がする。
今までのように見られるか見られないかのスリルを味わいたいという思いはブログ発信でその一部を満足させた。
此処で立ち止まって思いを妄想で満足するか、あるいは親友の栞に誘われて知るはずのない世界を覗き見てその延長で健志に出会った。
変身した彩を通じてもう一歩踏み出すか……湧き上がる欲望を抑えてここで立ち止まると明言する自信がない。

「ウッウグッ、クゥッ~、きつい……」
健志に見せつけるようにして自らの手でアナルに一つ、また一つとパールを押し込み、最後に残った大ぶりのパールが半分ほど姿を隠すと眉間に刻んだ皺が一層深くなり、しどけなく開いた口から苦痛とも喘ぎ声とも聞こえる声が漏れる。
ニュルンッ……最後の一粒が姿を消すと彩の表情は柔和になり羞恥交じりで笑みさえ浮かべる。
「ハァハァッ、入っちゃった……続きを見たい??」
「ゴクッ……続き??ゴクッ……激しい彩のアナルオナを見たい」
白くてプリンとした双丘の谷間で密やかに隠れていた窄まりがこれ以上ないほど押し広げられてアナルパールを飲み込まされた様子にゴクッと唾を飲んだ健志は、再び唾を飲んでアナルオナニーの続きを見たいと呟く。

「……いいよ、見せてあげる。彩はね、オナオナするときはオチリをオモチャで押し広げて……」
言葉を途中で切った彩は嫣然と微笑み、オモチャの入ったポーチを引き寄せてミニ電マを手に取る。
「オチリは満足したけどオッパイとマンちゃんが怒っている。どうして遊んでくれないんだって……どうすればいいと思う??」
「オレには分からないよ」
「うそ……彩にこんなことをさせたのは健志、あなただよ。シャワーで汗を流した後、彩のオチリを弄って、その挙句オモチャを使ってオナニーしなさいって命令した。忘れたの??」
「……そうか、そうだった。ウ~ン、そうだなぁ、アナルを押し広げたままでも平気ならパールをそのままにしてオマンコとオッパイをミニ電マで刺激して気持ち善くなりなさい」
「どうしても、しなきゃダメ??……分かった、恥ずかしいけど見せてあげる」
抑えきれない昂奮は隠しようもなく、彩自身と健志の言葉が性具となって妖しい気持ちを刺激して滲み出る花蜜は会陰部にまで届く。

ヴィ~ンヴィ~ン、目の前でスイッチを入れた電マが振動するのを見つめる彩は、またもや身体の奥で何かが弾けるのを感じる。
パールを飲み込んだアナルを見せつけるように突き出して宙を睨み、電マは乳房の麓で円を描いて頂上を目指す。
乳輪の周囲をなぞり先端に触れるか触れないかの刺激でクスミの少ないピンクの乳首は勃起し、股間が滴らせる蜜は陽光に照らされて虹のように輝く。
ヴィ~ンヴィ~ン……アウッ、ウッウッ……電マはオッパイを刺激し、しどけなく開いた口からは秘めやかな吐息が漏れて健志に向けた視線は霞がかかったように焦点が合わない。

電マは恥丘で戯れてオマンコと痴態を凝視する健志を焦らし、乾いた唇に舌を這わせて滑りを与える彩は我慢の限度を超えてクリトリスを電マで刺激する。
ヴィ~ンヴィ~ン……「クゥッ~、いやんっ、彩は中もいいけどクリ刺激も気持ち善いの」
「ゴクッ、ハァハァッ……欲張りだな、彩は。見ているだけで興奮する」
健志は息を弾ませて自らの股間に手を伸ばす。
ヴィ~ンヴィ~ン……右手に持った電マはクリトリスを刺激し、左手は乳房を揉みしだいてアナルパールを咥えたままのアナルは電マの振動が伝わってヒクヒク息をする。
「クゥッ~、ダメ、逝っちゃう、もう限界。イヤッ、恥ずかしい……見てる??彩は逝っちゃうよ、クゥッ~……ウッウッ……」
ゴトッ……ヴィ~ンヴィ~ン……彩を満足させた電マは床に転がっても振動を止めることはなく、次の獲物を求めるようにむなしく蠢いている。



イルミネーション (桜子)

-4

ブラジャーで後ろ手に縛られて両手の自由を奪われ、下着を咥えさせられて言葉を発することもできない桜子の乳房にシャワーを浴びせると切ない表情を浮かべて欲望を露わにする。
胸の膨らみを刺激するシャワーが腹部伝いに股間に移動すると、ウグッ、フグッとくぐもり声を漏らして両足をゆっくり開いていく。
飾り毛に隠された秘所に右手に持ったシャワーを向けて左手で割れ目を開くと足はフルフル震え、滴る湯とは違う粘度の強い花蜜が溢れ出る。
男はシャワーヘッドをフックに掛けて右手中指を立てて桜子に見せつけ、両足の間に下ろすと意図を汲んだ桜子は足を踏ん張りゆっくり腰を下ろしていく。

粘膜に指が触れると表情を見なくとも桜子が一瞬躊躇するのを感じ、立てた指を離そうとすると逃がすまいとして太腿を閉じて動きを封じようとする。
「桜子、指を咥えたいんだろう??」
「フン、フグッ、フグッ……」
下着を咥えたままでは意味不明の声を漏らすしかなく顔を左右に振って拒否し、挟まれた指を強引に引き抜こうとすると激しく首を上下に振って卑猥な気持ちを伝えようとする。
吐き出そうと思えば吐き出せるはずのショーツを咥えて被虐心を募らせ、潤んだ瞳で男を見つめて腰を下ろしていく。
グゥッ~……ニュルニュルッ……ウッ、ウグッ……指を付け根まで飲み込むと桜子の動きは止まり、動くのが辛そうに顔を歪める。
二度三度と出し入れした男は一旦指を引き抜くと桜子は名残惜し気な表情をし、欲しいかと聞くと、首を縦に振る。
後ろ手に縛ったままの格好で桜子の身体の向きを変えて壁に向かって立たせると、何かを期待して額を壁に押しつけて両足を踏ん張る。
両足の間から手を伸ばして親指を花蜜が滴る源泉に挿入し、中指でクリトリスを刺激すると、またもや両脚は震えを帯びて額だけでは支えることができずに胸を壁に押し付けて崩れそうになる身体を支えようとする。

花蜜を滾々と溢れさせる源泉は膣壁が蠢いて指を奥へ誘い込もうとし、中指でクリトリスを弄ると親指の付け根が膣口を刺激することにもなり、突き出した丸い尻がプリプリ揺れて可憐な窄まりがヒクヒク揺れる。
息を吹きかけると窄まりがキュッと締まり、もう一度吹くと締まったアナルの緊張が解ける。
桜子は咥えたままのショーツを吐き出し、
「いやっ、入れて。我慢できないの、おねがい」

ピシッ……手首の拘束を解いた桜子の尻を打つと両足を開いて下半身を突き出し、白くて丸みを帯びた尻をウネウネ蠢かして無言のうちに挿入をねだる。
桜子の足の付け根には飾り毛に隠れていたはずの花弁が綻びを見せて姿を現し、摘まんだペニスを押し付けると桜子は下半身を振って挿入を促す。
「早く、焦らしちゃ嫌……ほしいの、あなたが欲しい」
花弁とペニスが馴染んだのを確かめた男がわずかに腰を突き出すとニュルニュルと音を立てて吸い込まれる。
「アァッ~、これが欲しかったの……あなたのモノが私を押し開いて入ってくる……気持ちいい」
「オレも気持ちいい。温かい襞がウネウネ蠢いて吸い込もうとする感触がゾクゾクするほどいいよ」
出しっ放しのシャワーが二人の頭や身体に降り注ぐことも構わず、快感を貪り欲望を満足させる。
二人の仲を裂こうとするかのようなシャワーを気にすることなく男は桜子の腰を掴んで怒張を打ち込み続ける。
「ウグッ、グゥッ~……もっと、激しく……ヒィッ~、気持ちいぃ」
獣じみた喘ぎ声で悦びを訴える桜子がキスをねだり振り返る顔にはシャワーで濡れた髪がへばりつき凄惨な色気を撒き散らす。

男は挿入を解いて桜子を抱きしめ、唇を重ねて唾液を啜り唇や舌を甘噛みして抑えきれない気持ちのまま獣欲をぶつけ合う。
ハァハァッ……ヌチャヌチャ、グチュグチュッ……ハァハァッ……ようやく落ち着きを取り戻した二人は互いの顔に張り付く髪を整えてシャワーを止める。
「ごめん、我慢できなかった」
「謝ったりしないで……謝られると今の激しさは嘘になっちゃう。私を欲しくて性欲をぶつけてくれたと思いたいの」
「そうだ、たまにしか会えない桜子にオレの気持ちをぶつけたかった。感じてくれた??」
「うん……ウフフッ、恥ずかしい」
「店がはねた桜子を迎えに行ってもいいか??」
「嬉しい、連絡する。週末はあなたの部屋で過ごしてもいい??」
「そうして欲しいと言うつもりだった。オレに言わせろよ」
「クククッ、言って。私にしてほしいことがあるんでしょう??」
「店が休みの週末は桜子と一緒に過ごしたい」
「アァッ~、ダメ。言葉の愛撫で立っているのも辛いほどゾクゾクする」
「ベッドに行こうか」
「ウフフッ、ここで興奮を煽ってベッドで楽しむの??」

腰にバスタオルを巻いて先に出た男は部屋の明かりを消して窓際に立ち、イルミネーションのような街の灯りを見つめる。
ビルの窓から煌々と灯りが漏れ、家族や恋人の許に急ぐ車のヘッドライトやテールランプが延々と続きブレーキランプが規則正しく点滅する。
ネオンサインやライトパネルが夜の街に彩りを添え、寂しい人たちに妖しい魅力を撒き散らす。

「何を見ているの??……窓の外に私よりも魅力的なモノがあるの??」
振り返ると薄明りの中で糸くず一本身につけず素っ裸で立つ乳白色の肌が艶めかしく、腰に巻いたバスタオルを外して陰毛に隠れて萎れたペニスを見せる。
「クククッ、頭から足までシャワーでずぶ濡れになっても元気だったのに独りになるとこんなになっちゃって……二人でなきゃダメみたいね」
膝立ちになった桜子は萎れたペニスを口に含んで元気を取り戻させ、上目遣いに嫣然と微笑み、男は押し倒した桜子に覆いかぶさり所かまわず舌を這わせて両手は肌をまさぐる。
窓は街の灯りを映して変幻自在に色を変え、床で絡み合う二人を優しく照らす。


                            << おしまい >>

イルミネーション (桜子)

-3

マンションのエントランスに入ると桜子が前に立って歩き、男はその後ろ姿に見惚れる。
スキニーデニムとショートダウン、足元のヒールがスタイルの良さを強調し、過度に飾り立てずシンプルな恰好ながら桜子の魅力を損なうことがない。
オートロックを解錠した桜子に続いて中に入ると男の動悸が激しくなる。
今日は桜子の部屋で性的昂奮を抑えられるかどうか自信がない。

「あなたの視線が背中にビシビシ突き刺さる」
エレベーターに向かう桜子は振り返って嫣然と微笑み、
「店がはねたあとで連絡すれば迎えに来てくれるって言ったけど一度もしなかった。もし迎えに来てって言えばどうしたの??」
「簡単な夜食を作って家を出る時に風呂の用意をする積りだった」
「そうだったの、ざんねん……酒の匂いをプンプンさせる私を迎えに来てもらうのが嫌だったの。あなたの前では清楚とは言えなくてもそれなりに見てもらいたいから」
「気にしなくていいよ。酒を飲む店で桜子と会った……」
「そうだった、今更気取ることもなかったね」
「そうじゃない。自棄になった女は好きじゃない。いつものままで居てくれればいいんだよ」

バタンッ……部屋に入ると背後で音を立ててドアが閉まり、二人を邪魔するものが何もなくなる。
男は抱き寄せた桜子を壁に押し付けて動きを封じ、言葉を口にすることなく唇を合わせて右手だけで上着を剥ぎ取る。
タバコの匂いと過度なアルコール臭のする女を好まない男も桜子が放つアルコールの匂いを好ましく思う。
侵入した舌が桜子の匂いを通じて気持ちが交差するのを感じ、ジーンズ越しに腰や尻を撫でる手が身体の相性が好いと教えてくれる。
舌が互いの口腔を行き来して唾液を貪り、密着させた身体が体温を感じて鼓動さえもが同調し、二人だけの時間と空間に酔いしれる。
「ハァハァッ、ドキドキが止まらないし身体が燃えそうなくらい熱い……外の空気で火照りを冷ましたい。その前に風呂の用意をしとくね」

カーテンを開けると無数の宝石を撒き散らしたように猥雑ながら煌びやかな夜景が広がり、ベランダに出ると12月の夜の寒気が二人の火照りを冷ましてくれる。
男はキラキラした夜景に見入り、桜子はフェンスに寄りかかって男の視線を追い見慣れた景色も好きな男のそばにいると一層華やかに見えることに気付く。
「変態チックなエッチをするんでしょう……今日の私は変なの」
桜子の言葉に触発された男は背後から抱きかかえるようにしてタートルネックセーター越しに胸の膨らみを揉み、黒髪に顔を埋めて息を吸う。
「いやっ、変な匂いがしない??恥ずかしい……」
「今日の桜子は変態なんだろう」と、言いながらデニムのファスナーを下ろして右手を侵入させ、開いた手で股間を覆う。
「アンッ、濡れているかもしれない。会うのが久しぶりなんだもん」
「温かい……言葉通り、密やかに興奮する桜子がオレにもうつったらしい」
「クククッ、お尻に押し付けられた熱い棒で火傷しちゃいそう」

カチャ……シュゥ~……シュッシュッ……ベルトを外す音に続いてファスナーが下がる音が続き、衣擦れの音がすると桜子は平静ではいられない。
「ハァハァッ、えっ、なに??どうしたの??……ハァハァッ」
「分かっているだろう。変態の桜子が何をするかも分かるね」
「こんなところで……」
振り向いた桜子は上気して瞳は潤み、仁王立ちの男の股間に聳える男根に恐る恐る手を伸ばす。
「嫌ならパンツの中に片付けるよ。どうする??」
「いじわる……」
怒張から視線を外すこともできずにその場でしゃがみ、上目遣いに見つめる桜子の口は閉じることを忘れたようにしどけなく開いてハァハァッと荒い息を漏らし、視線を合わせた男が頷くとゴクッと唾を飲んで指を伸ばす。
「すごいっ、血管が膨れ上がって今にも破裂しそう」
「爆発する前に優しくなだめてくれるね」
言葉を発することなくコクンと頷いた桜子は宙を睨む怒張の先端を指先で撫でて滲み出る先走り汁を塗り広げ、竿に添えた指が撫で降りて根元を摘まみ、再びゴクッと唾を飲んで意を決したように舌を伸ばして先走り汁を舐めとりそのままパクリと口に含む。

ジュルジュルッ、ジュボジュボッ……羞恥を捨て去るように荒々しく顔を上下してフェラチオに興じるさまは男の嗜虐心を刺激する。
手を伸ばしてセーターを引っ張り上げようとすると意を汲んだ桜子はペニスに添えた手をそのままにして、空いた片手で自ら捲り上げる。
男がセーターを脱がせようとすると桜子は怒張を吐き出して万歳の格好になり上半身はブラジャーを残すだけになる。
「脱いじゃいなよ。素っ裸の桜子に咥えてもらいたい」
「ここで??寒いのに……いいよ、あなたがハダカンボになれって言うなら」
セーターとジーンズを脱いで下着だけを残す桜子は寒さで肩を丸めて首をすくめ、握って両手を口に近づけて息を吹きかける。
「フゥッ~、寒い……震えが止まらない」
全身の震えが止まらず、部屋から漏れる灯りでも全身が総毛だっているのが分かる。
「ごめん……寒かったね」
桜子を抱き上げてバスルームに向かう。

下着を着けたままの桜子にシャワーを浴びせた男は身に着けたものを全て脱ぎ捨てて二人でずぶ濡れになり、ボディソープを振りかけて泡にまみれた身体を擦り合い、唇を重ねる。
ウッウッ、クチュクチュ、ニュルニュルッ……外したブラジャーで桜子を後ろ手に縛り、乳房にむしゃぶりついて先端を甘噛みする。
「アウッ、クゥッ~……気持ちいい、もっと、もっと激しく」
ショーツを着けたままの股間を男の太腿にこすりつけ、見つめる瞳は赤く燃える。
桜子を壁に押し付けてシャワーの水量を調整して乳房に浴びせ、快感で表情が歪み甘い吐息が漏れるとショーツを脱がせて口に押し込む。
「ウグッ、フグッ……グゥッ~、ウゥッ~、ウッウッ」

イルミネーション (桜子)

-2

「いらっしゃいませ」
「こんにちは…マスター、約束を守りましたよ……どうですか??」
「この方ですか??……桜子さん、たぶん合格でしょうが太鼓判を押すのはお帰りまで待っていただきます」
店は開店直後らしく他に客がなく、桜子とバーテンダーは気安く言葉を交わす。
男は何やら自分の品定めをされているようだと察しがついても不快な感じはせず、二人の会話を聞きながら店内に視線を巡らす。
桜子の話から普通のバーだと思っていたが実はシガーバーらしくウィスキーボトルのそばに葉巻が飾られている。
タバコを嗜まない男は匂いが苦手だが葉巻の香りは嫌ではない。
落ち着いた雰囲気の店内は照明も明るすぎず、節度を弁えた客がカクテルや葉巻を楽しむのに相応しい店だと感じさせる。

「マスター、このイチゴを使ったフルーツカクテルをお願いします……あなたは??」
カウンターに盛られたイチゴを指さした桜子はバーテンダーに任せ、男を見つめて小首をかしげる。
「ウィスキーにも魅かれますが最初はジントニックをお願いします」
バックバーに並ぶウィスキーに未練を残しながらジントニックをオーダーする。
「かしこまりました」

「桜子さん、今まで見せたことのない可愛い表情でしたよ……熱い気持ちをほんの少し冷やして差し上げます」
バーテンダーは何種類かのリキュールとクラッシュアイス、生イチゴをブレンダーに投入し、ソーサーグラスに盛り付けて最後に生イチゴをトッピングする。
「うわぁ、イチゴのかき氷。美味しそう」
「口当たりがいいからと油断しないでください。フローズンカクテルですからね……ジントニックでございます」
「ありがとう……いただきます」

「イチゴの花言葉はキリスト教由来の“尊重と愛情”、親株から多数の蔓が出るということで“幸福な家庭”というのもあります」
バーテンダーは博識で話は芸術やスポーツにまで及び、時間はあっという間に過ぎていく。
桜子がストロベリー.マティーニ、男は勧められたウィスキーをロックで飲み干すと、
「もうこんな時間、もう一杯頂いて帰ろうよ」
他の客の相手をするバーテンダーを見ながら桜子は瞳に淫蕩な思いを宿らせて囁く。
「分かった……マスター、最後の一杯をください。お任せします」

持ち手のついた脚付きグラス、アイリッシュウィスキーのジェムソン、コーヒー、砂糖、生クリームを用意したバーテンダーは、グラスにブラウンシュガーとジェムソンを入れてグラスごと温め、熱いコーヒーを加えて生クリームを浮かべる。
「店を出ても二人で歩くと12月の寒さも気にならないでしょうがアイリッシュコーヒーで温まってください」
「お気遣い痛み入ります。いただきます……身体の芯から温まります」
「美味しい……マスター、どうですか??」
「桜子さん、私の太鼓判が欲しいですか??」
「はい、マスターは経験豊富なようだし今までも折に触れ色々と相談させていただきました」

「お客様、お名前も知らないのに失礼ですが一つ質問させていただいてよろしいでしょうか??」
「どうぞ……美味しいお酒を飲ませていただいたお礼に分かる範囲でお答えいたします」
「失礼なことをお聞きしますが、桜子さんになめられて立つモノってありますか??」
「ハハハッ、どちらをお答えすれば合格なのか……そうですね、彼女には少々なめられても腹は立たないですよ」
「ユーモアも理解するし私の話も退屈せずに聞いていただいて気持ちのいい相槌もいただきました。ウィスキーを気にしながらジントニックをオーダーするいい意味での頑固さもある。桜子さんに相応しい男性だと思いますよ……今の質問の答えから夜にも自信があるとお見掛けしました」
「フフフッ、そうなの、見掛け倒しではなく夜も満足させてもらっています。なかなか会えないのが不満だけど……」
話し終えた桜子にねっとり見つめられると股間が反応しそうになる。

「美味い酒だけではなく楽しい時間をありがとうございました。彼女が自信をもって誘うわけですね」
「マスター、ありがとう。ストロベリー・フローズンカクテルもアイリッシュコーヒーも美味しかったです。ごちそうさまでした」
「私こそバーテンダー冥利に尽きる時間を過ごすことができました。また、お二人をお迎えするのを楽しみにしています」

手袋をしたままつないだ手をコートのポケットに引き入れて離そうともせず、チュッと唇を合わせる。
「ウフフッ……」
「また思い出し笑いかよ。可愛いな」
「だって……クククッ、マスターが私になめられて立つモノってあるかって聞くんだもん、びっくりしちゃった」
「なめられて腹以外に立つモノってあるか??相手が桜子なら腹も立たないよ」
「私もあなたなら、なめられても立たない」
「嘘だろ、桜子を舐めるとオッパイの先端が立つし、クリもボッキッキ~しちゃうと思うよ」
「自分だけ……フンッ、そんなことを言うと今日は寝かせないよ。私がもう止めてって言うまで可愛がってもらっちゃうからね」
「今日は変態チックに責めちゃうぞ……興奮を高めるために桜子を抱っこしちゃおう」

「クククッ、恥ずかしい。ほら、笑っているよ」
「構うことはない。可愛い桜子をお姫様抱っこするんだからオレは幸せだよ」
「抱っこされるのって記憶も定かでないほど昔、両親に抱っこされて以来、ウフフッ……二日前だけど、高浜さんが後輩の方と一緒にお店に来てくれたの。それでね、付き合っているだろうって聞くから、ご想像にお任せしますって答えちゃった。怒る??」
「古い付き合いだから嘘は吐けないよ。桜子がオレと付き合ってくれるなら話しても構わないよ」
「クククッ、付き合っていると思ってもいいんだね」

イルミネーション (桜子)

-1

駅を出た男は時刻を確かめて待ち合わせ場所に急ぐ。
寒さと風のせいで肩をすぼめて前屈みになったり両手を擦ったりする人が多い中、男は背筋と膝下を伸ばして颯爽と歩く。
寒くないはずがないし頬をくすぐり遠ざかる寒風に背中を丸めたくなるけれど、久しぶりに会う人に格好好い姿を見せたいと思う気持ちが勝る。

目的地の手前でスキニーデニムにショートダウンを着けてスタイルの良さを際立たせる女性がイルミネーションを見つめる姿に足を止める。
すぐそばで同じようにイルミネーションを見るカップルの男性と同じくらいの身長があり、よく見ると腰から太腿に続くラインがパンと張り出して鑑賞に堪えるだけではなく抱き心地もよさそうだと手が伸びそうになる。
後姿しか見えないのをいいことに不躾な態度をとることも厭わず、震い付きたくなる気持ちを抑えて後姿を矯めつ眇めつ見ていると近くにいる待ち合わせらしい男性も涎を流さんばかりに見つめている。

「どうしたの、失礼よ……あの人にもだけど、待ち合わせする私に失礼でしょう。行くよ」
スキニーデニムが強調する尻や腰と手入れの行き届いた黒髪に見惚れていた男性が遅れてきた女性に肩を叩かれ、口を尖らせる抗議に言い訳をする。
「ゴメン、勘違いしないでくれよ。僕はイルミネーションを見ていたんだよ。さぁ、行こうか。何を食べる??」
男性は気恥ずかしさを取り繕うように男に軽く会釈して女性の手を掴んで歩き出す。
デートの待ち合わせ中に他の女性に気を惹かれるような態度をとっちゃだめだろうと二人の後姿を見ていると、くだんの女性が時計を確認して突然振り返り笑みを浮かべる。

後姿だけではなく……いや、正面から見ると後ろ姿以上に抱きしめたくなるほどの好い女だと思わずにいられない。
「時計を確かめたらどうなの、約束の時刻になったよ。それとも後姿を見るだけで満足しちゃったの」
「クククッ、桜子のように見えるけど待ち合わせ場所は此処じゃないから、オレの見間違いかなと思って後姿を見ていた、確認のためにね……後姿も小粋だけどタートルネックも似合っているよ」
「えっ、なんだ、そうなの??私と気付かずに後姿をみて好い女だなって一目惚れしそうになっているのかと思った。私だと分っていたんだ??」
その言葉には他人と自分を見間違えるはずがないという自負と自信に溢れている。

「クククッ、可愛いな……動いちゃダメ」
「えっ、恥ずかしい。人がいっぱいいるから後でね」
男が髪に手を伸ばすとこんなところでキスをするのかと勘違いしたような言葉を吐き、髪に付いた紙きれを摘まんで顔の前でヒラヒラさせると勘違いを恥じてばつが悪そうにはにかんで顔を赤らめる。
「可愛いよ。桜子よりも好い女は此処にはいない」
額にチュッと唇を合わせると、
「ほら、やっぱりキスした……どうせするなら、子供だましみたいなのは、イヤ」
場所も弁えず魅惑的な表情を浮かべる桜子に男の欲情を止める術はない。
桜子を抱きよせて唇を重ね、舌を差し入れて髪を撫でる。
「アンッ、いやっ……嫌じゃないけど此処じゃ恥ずかしいから後で……
今日は泊まってくでしょう??」
「その積りだよ」
「じゃぁ、時間はたっぷりあるね。歩きたい……」

青色に彩られた幻想的な通りを歩くと桜子は男の腕を掴んで身体を寄せ、漂う香りに魅せられてその横顔を見る男はドクドクと身体中を血が駆け巡るのを感じる。
「イルミネーションの青がきれい、ウフフッ……」
「どうした??思い出し笑いをしただろう??」
「フフフッ、分かる??この間、同伴で此処へ行こうって誘われたの。イルミネーションを見ながら歩いてフレンチレストランはどうだって」
「良かったからオレにおすそ分けってことか……何とも言いようがないな」
「勘違いしないで、誘ってくれた人とは食事だけ……今日が初めて。誘われ時、あなたの顔が浮かんだの。そんな素晴らしい場所ならあなたと歩きたいって……迷惑だった??」
「そのお客様にお礼を言いたいね。桜子と素晴らしいデートをするきっかけを作ってくれてありがとうって」

エリア全体がキラキラ輝き宝石をちりばめたようなクリスマスツリーの前では興奮のあまり自然とつないだ手が痛くなるほど力が入る。
ひときわ豪華なバカラクリスタル製のシャンデリアを見ると思わず、ホォッ~、すごい、とため息が漏れる。
高さが数メートルもあり両手を広げたよりも遥かに大きなシャンデリアの存在感は圧倒的で周囲の煌びやかな光たちが添え物にしか見えなくなる。
バカラシャンデリアに照らされた広場で飲むバカラグラスに満たされたシャンパンの味は格別でワインに詳しくない男も満足で頬が緩む。
シャンデリアの輝きといたるところで宝石を散りばめた様な灯りで視覚を刺激され、イルミネーションを見る人々の歓声で聴覚を、手をつないで寄り添う桜子が触角を満足させてくれる。
漂う香りに導かれて近付くとウェスティンホテル東京の料理長が手掛けるフードトラックがあり嗅覚が味覚を呼び寄せてくれる。

「今日のディナーはフレンチにしようと思っていたけど、この格好だしここで食べなきゃ後悔することになるよね」
スキニーデニムとショートダウンを指さしてタートルネックセーターを摘まんだ桜子は悪戯っぽく微笑む。
ビーフカレーを食べてホットチョコレートを飲み終えると桜子は満足の笑みを浮かべ、動かないでと告げて指を伸ばし男の口元に付いたホットチョコを拭い取ってペロリと舐める。
「ありがとう」
「ウフフッ、どういたしまして……ホットチョコもいいけどカクテルを飲みたいな」
「あのホテルのバーはどうだろう??」
「ウェスティンはダメ。ドレスコードがあるからジーンズじゃ入れてくれない。うちの近くのバーじゃダメ??」
「いいよ。オレの知らない桜子が見えるかもしれないな」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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