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彩―隠し事 150

隠し事 -2

途中で知り合いに会うこともなく帰宅した彩が時計を見ると13時30分を指している。
金曜日の出勤から二日と六時間ほどしか経っていない自宅が懐かしく思われ、夫や会社の同僚、友人などが知る優子から彩に変身して隠し事を抱えていることに不敵な笑みを漏らす。
「たとえ浮気をしていると言っても夫のことは今でも嫌いじゃない。栞や同僚にも仕事上で迷惑はかけないようにする……そのためにも肉体的、精神的に満たされるために隠し事をするのも必要なの。分かってくれるでしょう」
身勝手な言い訳だと思わないでもないが、心と身体の奥に妖しい思いを抱えたままではいずれ爆発して迷惑をかけてしまうかもしれない。
神様は分かってくれるし理解してくれるはずと言い訳をして簡単に掃除をすませ、シャワーを浴びて健志やカヲルとの時間を一旦洗い流すことにする。

熱いシャワーで卑猥な思いを洗い流して彩から優子に戻ろうとしても指に触れたプラチナ下着が健志を思い出させる。
何処にいても、姿が見えなくてもいつも一緒だと言った健志の言葉が思い出される。
「やっぱり嫌な男。プラチナチェーンで彩の心を縛って優子に戻らせまいとする……健志の拘束から一時でも逃れるには、これしかない」
バスルームの壁に寄りかかり、ローション代わりのボディソープを塗りつけた乳房を痛く感じるほど揉みしだく。
「アウッ、いやんっ……エッチな事をいっぱいしたのに、また気持ち善くなるなんて彩はエッチな女。早く優子に戻りたい、ウッウッ、クゥッ~」
SMショークラブで彩と名乗って見ず知らずの人たちの前で縛られたり、健志と浮気をしたりする前から就寝前のオナニーに興じていたことも忘れたかのようにエッチでスケベなのはすべて彩のせいだと言い訳をする。
プラチナチェーンを割れ目に埋めてクイクイ引くと膣口とクリトリスに電気が走るような刺激が伝わり、擦られて痛痒く感じる小陰唇も快感に変化してくる。
「ウッウッ、クゥッ~、クリもビラビラも穴の入り口も気持ちいい……アンッ、いやっ、逝っちゃう」
膝が落ちて腰を引き前屈みになってプラチナチェーンを摘まんでいた指が膣口に没し、しどけなく開いた唇から悦びの声が漏れる。
シャワーが容赦なく頭上に迸り、それが被虐感を募らせて予期せぬ快感を誘う。
中指と薬指を膣口に挿入して膣壁を擦るように出入りさせると親指が自然とクリトリスを刺激する動きをする。
「気持ちいい、イヤッ……夕食の準備をしなきゃいけないのに、ダメッ、気持ちいい」
二本の指が膣壁を擦り親指がクリトリスを刺激して小指がアナルを求めて蠢く。
「ウッ、クゥッ~、ハァハァッ~、気持ちいい……イヤッ、我慢できない」
ヌチャヌチャ、グチュグチュッ……指の動きが激しさを増し、唇を噛んで快感を貪る。
「ダメッ、イク、イク、イッチャウ、気持ちいい」
足から力が抜けて壁に寄りかかっても身体を支えることが出来ず、崩れるようにしゃがみ込んでしまう。
シャワーはそんな彩の気持ちや様子を知らぬげに身体に降り注ぐ。
どれほどの時間を座り込んだままでいたのか、我に返った時は性的な欲望は満たされてスッキリした気持ちになっている。

姿見の中の優子はジーンズと白のカットソーというシンプルで外れのない恰好ながら、他人が評価してくれる清潔感と上品さを感じられて彩を心と身体の奥に封じたことに満足の笑みを浮かべる。
帰宅する夫を迎えるための夕食の買い物を済ませて調理に取り掛かる。
夫が浮気相手との逢瀬を楽しんでいると思っても以前のように苛立つことはなく、最後に肌を重ねたのはいつだったろうとはっきり思いだすこともできなくても弱々しい糸だけど今でも夫とつながっていると信じている。
正しいと思うことを行い、間違ったことをしない生き方を心掛けていた優子は心の奥に秘かに隠れていた彩が姿を現し、夫と同じ過ちを犯す事で寛大な心を持つことが出来た。

「ただいま」
「おかえりなさい。夕食の準備が出来ているけどお風呂を先にする??」
「いや、この匂いを我慢することは出来ない。食事を先にするよ。あっ、これはお土産」
ありがとう、と笑顔を向けても私は健志と旅行してもお土産は買わないことにする、お土産は負い目がある証拠で浮気がばれる元だもんと心の中で舌を出す。

上司とのゴルフは大変だったよ、気遣いなしでやろうと言われてもそうもいかないだろう。とにかく疲れたよという夫の話しに相槌を打ちながら笑みを絶やすことなく聞くことのできる自分に、これも健志に抱かれてきたから気持ちに余裕があるのだろうと股間に手を伸ばしてプラチナ製下着を意識する。

入浴後、申し訳ないけど疲れたから先に休ませてもらうよと言う夫に、おやすみなさいと言葉をかける。
後片付けを終えた優子は夫も健志のことも思い出さないように好きな歌を口ずさみながらゆっくりとバスタブに浸かる。
温かいお湯に包まれて手の平を肌に這わせると記憶から追い出そうとしたはずの健志が脳裏に浮かぶ。
プラチナ製下着を意識する度にこんな思いをすると仕事ができるだろうかと不安になるものの、慣れれば平気、金曜夕方までは優子の時間だと自分に言い聞かせる。

彩―隠し事 149

隠し事 -1

彩の帰宅時刻が近付いても寂しいと思うことはなく、翌週の三連休は夫が不在ということで予定した旅行を話題にして話が弾む。
確かめたい事はあるけれど、一週間どんなところに行くのかと思いを巡らす方が楽しそうだと言う彩の言葉が切っ掛けで話しは途絶えてしまう。
会話は途絶えても寄り添った身体を通じて感じる温もりや鼓動が気持ちもつながっていると信じられて不安に思うことがない。

カヲルの部屋での出来事や訪ねて来た時の想像もしていなかった卑猥遊戯は彩の気持ちと身体の奥底に秘かに棲みついていた妖しい思いを刺激したような気がする。
遠い昔の淫靡な行いを切っ掛けにして恥ずかしい姿を見られてゾクゾクするような悦びに打ち震えることを秘かに妄想していたが、もっと妖しく禍々しい思いがその奥に隠れているのを思い知らされて彩自身が驚いている。
そんな事が脳裏をよぎると彩の手は自然と自らの身体を這い、股間に着けたプラチナ製の下着の存在を思い出させる。

「ねぇ、これは離れている時もずっと着けていなきゃダメ??」
「オレは彩の希望に沿った積りだけどな。離れている時もオレは彩の事を思っていると信じてもらうためのプレゼントだけど……これを渡しとくよ」
手の中にスッポリ治まる小さな紙袋は糊付けしたところに健志のサインがしてあり、封を解くと分かるようになっている。
「鍵なの??外したくなったら外してもいいの??」
「オレはいつでも彩の味方だよ。彩の結論を尊重する」
「ずるい言いかた。どうするか彩が決めればいいって言われても、外す事なんかないと思っているでしょう……でも、もらっとく」

刻々と近付いてくる帰宅時刻を確かめた二人は来週末の旅行について話し合い、旅行準備をした彩と金曜の退社後、待ち合わせることにして場所や時刻は彩が改めて連絡することにする。
ゴルゴンゾーラペンネなどで昼食を済ませ、卑猥な思いを封じたまま伝えきれない言葉を口にすることもできずに身体を寄せあう。
言葉で伝えることも大切だが、正しく伝える言葉が見つからない時は身体を寄せ合うことで思いが通じることもある。
来週までの別れの時が近付き穏やかならざる気持ちになっていたのが互いの身体を接しているだけで安らぎを覚え、次に会うときの期待で平静になってくる。
「ぼつぼつ出ようか」
「うん、送ってくれる??」

金曜日の終業後、直接実家へ行ったということにして通勤着のスカートスーツに着替えた彩は仕事が出来る女の雰囲気を醸し、見つめる健志に昼間は淑女、夜は娼婦という言葉を思い出させる。
「なに??どうしたの??ジロジロ値踏みするように見られるのって好きじゃない」
「オレの知らない本当の彩を見たような気がする。昼間の彩は清楚で上品、後ろ姿がすっきりして姿勢が好い。ご主人が浮気をしていると聞いたけど、それ以上の愚痴や悪口は言わない……昼間の本当の姿とオレが知る夜や週末の彩、どっちも好い女だよ」
「ウフフッ、彩は謎の多い女なの??褒めてもらったと思うことにする」

「明日からパンツを穿くかどうかは別にしてこのプラチナ製下着を着けて出社するでしょう、仕事で接触する人は気付くかなぁ??」
窓外を走る景色を見ていた彩はスカートを捲り上げて股間を丸出しにし、健志の視線が正面から無毛の股間に向くと舐めて滑りを与えた指を割れ目に沿って上下する。
「そんな恰好を見せられたら気が散って事故を起こしそうだよ」
「そうなの??しょうがないなぁ……もう少し先、コンビニを過ぎたら狭い路地があるから入ってくれる」
「駅じゃなくていいんだね……この道だね、左へ入るよ」

車一台が通れるほどの狭い道は左右に立ち並ぶ家々の壁が並んで玄関がなく歩く人もいない。
「ここでいい、止めて……この先は川沿いの散歩道で今日の暑さじゃ歩く人もいないだろうし、この道を通る人もいない」
「なんとなく、そんな雰囲気を感じるけど……まさか……」
「そうだよ、そのまさかだよ……カヲルが帰った後、しなかったでしょう。この子を空っぽにしとかないと好い女を見てフラフラ付いて行くかもしれない、ウフフッ」

スカートに皴が出来ることを意に介する様子もなく股間だけではなく尻も丸見えになるほど捲り上げて車の前後を見回し、
「誰も通らないと思うけど見ていてね」
言うが早いか健志の股間に手を伸ばしてファスナーを下ろし、陰毛に隠れるようにして縮こまっているペニスを引き出してパクリと口に含む。
驚いた表情を見せた健志は彩の行為を止めることもなく前後を確かめて剥き出しになった白い尻に手を伸ばしてプラチナチェーンをなぞり、尻から太腿へ続くムッチリとした感触に頬を緩めて下半身の力を抜き、背もたれに身体を預けて目を閉じる。

温かい口腔に包まれてネットリと舌が絡みつく感触が心地好く、彩はフェラチオを施しながら楽しんでいる様子に安堵する。
「ジュボジュボ、ジュルジュルッ……ウグッ、プファッ、ハァハァッ、初めてフェラチオを強制された時はセックスの時はこうするんだって納得したけど、その後はあまり好きじゃなくなった。いつからかなぁ、彩のお口の中でムクムク大きくなると気持ち善くなってくれているんだって愛おしく思えるようになったのは……ウフフッ」
竿の根元に左手指を添えて再び咥え、右手で陰嚢をヤワヤワと擦り始める。
「お口の中に出してね、金曜まで健志の感触を忘れないようにしたい。こんな下着を穿かせた人を忘れずに呪ってやるの、女を怒らせると怖いわよ」
口元を汚している先走り汁と唾液混じりの滑りを気にする様子もなく、手の中のペニスをヤワヤワと擦りながら上目遣いに見つめる艶めかしさに我慢の限界を悟った健志は、
「ごめん、出ちゃう……気持ち善くて我慢できない」
「えっ、そうなの。お口に出してね……ウグウグッ……ウグッ、グゥッ~、ウッウッ……ウプッ、フゥッ~、ハァハァッ……」

喉を目がける満足の証を全て受け止めた彩は涙の滲んだ瞳を健志に向けて頬を緩め、口を開いて白濁液を見せつけて次の瞬間にゴクッと喉を鳴らして飲み干してしまう。
「ウフフッ、昨日したばかりなのに濃くて熱い健志のモノが彩の口の中に広がった。美味しい……次に会う金曜まで健志の記憶が刻まれた」

川沿いの道に出ると、
「ここでいい、ここからは歩いて帰る」と告げて健志の返事を待たずに下車して歩き始める。
後ろ姿は凛として格好良く、颯爽と歩く姿を見ていると昼間の本当の彩とデートをしてみたいものだと独り言を漏らす。
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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