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雨 -4

愛の交歓

唾液をまぶすことなく耳をしゃぶられ、舌が耳穴に侵入するとザワザワと妖しい音が脳を駆け巡る。
「ザワザワと頭の中を虫が走り回っているような変な感じなのに嫌じゃないの、脳を愛撫されているような気がする。……ハァ~、だめっ、狂っちゃいそう」
指先と舌や唇が産毛を一本一本、起こすような繊細なタッチで背中を這い回り、左手は愛美の手を握ったままで右手がムッチリとした感触を味わうように腰や太腿を擦る。
舌は波模様を描いて背骨に沿って腰まで這い下り、指先が内腿を撫でると愛美の口から、イヤァ~ンと艶めかしい声が漏れる。
尻の割れ目に息を吹きかけると大袈裟なまでに身体を捩って逃げようとするものの男の力に敵うはずもなく、腰を掴まれて動きを封じられ、割れ目に舌が這う。

「お尻がプリンプリンして可愛いよ」
「いやんっ、私のお尻って立派でしょう??バーテンダー衣装って身体のラインを強調するからバックバーに向かうときって緊張するんだよ」
「首や肩から胸を経てウェストの括れからパンと張り出した腰、プリッとした尻、ムッチリとしたラインが続く太腿、目立ち過ぎることなく慎ましい膝小僧に続く伸びやかな脛。尻がプリッとしているし膝が曲がらない後ろ姿は凛として恰好いいよ」
「ウフフッ、ありがとう。でも、褒めすぎじゃない??」
「むやみやたらと褒めたりしないよ。愛美に対する言葉は事実だけ、好きになった女に嫌われたくないから嘘は言わない」
「あぁ~ン、心が震える。指や舌の愛撫で身体が解されて、言葉の愛撫で心も蕩かされちゃう」
「バーテンダー姿の愛美を見れば恋心に火が点き、ハダカンボの愛美を目の前にすれば虜になる……プリケツはオレのモノだろう??」
「お尻だけじゃなく私のすべてをあげる……迷惑??」
「迷惑かってオレに聞くの??雨に濡れたバーテンダー衣装を着替えた後も似合っているかどうか、みたいなことを言ったけど……普通なら嫌味に聞こえてもしょうがないのに、そうは聞こえない。愛美は好い女、素直な好い女の証拠だね」
「フフフッ、ありがとう。私が好い女かどうかは別にして、女はね好きな男の前では素直な乙女時代に戻るんだよ……あなたのお顔を見たい」

俯せから仰向けに体位を変えて素っ裸の身体を晒す愛美の瞳は妖しく濡れて、興奮からくる渇きを癒そうとして舌を這わせた唇はリップグロスを塗ったように艶めかしい。
「どうしてだろう??嬉しいのに涙が出ちゃいそう。恥ずかしいから抱いて、ねっ……」
愛美を胸に強く抱きしめた男は、
「嬉しいのに涙が出たり、悲しいのに笑ったりすることもある。嬉しいときははしゃぎすぎるなと注意してくれているのかもしれないし、悲しいときはいつまでも落ち込んでいるんじゃないと励ましてくれるんだろうな……オレはそんな風に思うよ」
「フフフッ、そうかもしれない。あなたは悪い人だからはしゃぎ過ぎるなと注意されているのかなぁ??」
「オレにとって愛美は悪い女。何もかも忘れて夢中になっちゃいそうだよ」
「イヤンッ、悪い男。そんな事をされたら我慢できなくなっちゃう。私は真面目に話しているのに、あなたは私のオッパイで遊びながらお話しする」

愛美の言葉に笑みを浮かべた男は両足の間に身体を入れて右手で乳房をヤワヤワと揉み、反対側の乳房の先端にチュッと唇を合わせて舌先で乳輪をなぞる。
ハァハァッ、息を弾ませる愛美は両足で男の胴体を挟んで下半身を押し付ける。
「スケベな女は嫌いになる??」
「どんな男にもスケベになるんじゃ困るけど、オレと一緒の時だけなら理想的だな」
アンッ、ウッウッ、クゥッ~……目を閉じてしどけなく開いた唇から甘い吐息を漏らし、堪えきれない快感で眉間に皴を作る愛美を上目遣いに見る男は昂奮を新たにする。
乳房を揉みしだいていた右手が腰を擦り、脇腹を撫で上がって肩から首を経て頬を擦って耳朶で踊るように刺激する。
乳輪をなぞり乳房の先端を吸ったり甘噛みしたりしていた唇が軽く顎を甘噛みしてキスをする。
ジュルジュル……ハァハァッ……気持ちも身体も燃え上がる愛美は、男の頬に両手を添えて卑猥な音と共に息が続く限り唇を貪る。
やっと離れた愛美の瞳は言葉で言い尽くせない想いを込めて真っ赤に染まり、見つめる男も言葉を見つけることが出来ずに唇を合わせて舌を絡ませ、唾液を送り込む。

ゴクッ……白い喉を上下して唾液を飲み込んだ愛美は男にしがみつき、
「入れて、つながりたい。あなたと一緒にいるって実感させて……おねがい」
「愛美とオレの始まりだよ、いいね……」
両足の間で膝立ちの男が掴むペニスは先走り汁を滲ませて太々しく宙を睨み、上半身を起こした愛美は眼を見開いて昂奮を露わにする。
「すごいっ……ハァハァッ、こんなに大きいモノが私の中に入るの??」
男は左手を伸ばして愛美の右手を掴み、ペニスをバギナに擦りつけて十分に馴染ませた処で腰を突き出す。
ペニスが竿の半分ほど姿を隠すと、愛美は男とつなぐ手に力を込めて眉間に皴を作る。
「入ったよ、オレと愛美の身体がつながった。温かくて気持ちがいいよ」
「フゥッ~……あなたのモノが私の中を押し広げて奥へ入ってくるのが分かる」
「突き入れようとしなくても愛美がウネウネとオレのモノを奥へ引き込もうとしているだろう??」
「うそ、そんな事をしていないし、今までも言われたことがない。あっ、ごめんなさい……そんな積りじゃないないのに、どうしよう」
男は愛美の口を封じて唇を合わせ、鳥が餌を啄むように何度も何度もつついて何かを催促する。

催促に応じた愛美が両手を男の首と背中に回して抱きつくと唇を啄むだけだった男が濃厚なキスをする。
ジュルジュル、チュルチュル……上唇を吸い、下唇を甘噛みして右手が頬を擦る。
上顎を舐めて舌先が歯茎を這い、ズズズッと音を立てて愛美の舌を吸い込んでフェラチオを施すように口を丸めて顔を前後する。
「アンッ、気持ちいい……ありがとう……昔を思い出したわけじゃないの、つい……ごめんなさい」
「いいさ、気にすることはない。オレは愛美の過去を欲しいわけじゃない、目の前の愛美に惚れた……目の前の愛美はオレのモノだよ。離さない」
「嬉しい、身体だけじゃなく心も抱いてもらっていると感じる。何度も手をつないでくれると大切にされているんだなって思える……ウフフッ、恥ずかしい」
「可愛いよ……」
乱れ髪に手櫛を入れて整えながら、可愛いと言われる愛美は羞恥で頬を朱に染め、それを見る男の股間は爆ぜそうになるほどピクッと反応する。

「なぁ、オレンチで昼飯を食べないか??オレの得意料理を愛美に食べさせたくなった」
「ほんとう??連れてって、名前も分かるしね」
「あぁ、ダメだ。安心したら我慢できなくなっちゃった、逝っちゃってもいいか??」
「うん、私も逝っちゃう……クゥッ~、好いの、アウッウッ、クゥッ~、逝っちゃう……」


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雨 -3

愛撫

男はガウンの紐を解いて愛美の白い肌を露わにし、胸の膨らみの先端にチュッとキスをする。
「クククッ、もう一つは??……仲間外れにされたら寂しいって言ってるよ」
反対側の乳首をベロッと舐めて、ゴメン、寂しかった??と呟いて、チュゥ~と音を立てて吸い上げる。
「アンッ、エッチ。いやらしい男は嫌いじゃないよ」
「じゃぁ、こんな事をしても嫌いにならないでくれる??」
ガウンを大きくはだけてグラスを手に取り、胸の谷間にワインを垂らす。
「ウッ、冷たい……ハァハァッ、昂奮する。思った通りの男……」
白い肌に広がるワインを舌と唇で舐めとり、臍に向けてツツゥ~と垂らす。
羞恥と快感で息を荒げる愛美の腹部が上下する度にワインが波打ち、男の股間が隠しようのない昂ぶりでタオルを押し上げる。
腰に巻いたバスタオルを開いて屹立するペニス見せつけて愛美の瞳が妖しく揺れると、ズズズッと音を立ててワインを吸い取り、股間を見つめる。
「何か言って……あなたに遊ばれるのって昂奮するけど、私だけ燃えるのって恥ずかしい」

「やっぱり愛美は左側から見られたいんだな。今は顔の右側を見せるのが自然なのに顔を背けて左側を見せようとする」
「何か意味があるの??私は何も意識してないけど」
「右脳左脳ってのが一時期、流行ったろ。左脳は論理、右脳は非論理的な感情や芸術、創造性などを司るって……バスタブに浸かった時も今も愛美は顔の左側を見せる。左側は右脳につながり本音や直感、感情を表しているらしいよ」
「あんっ、そんな左脳的な事は言わなくてもいいの。私の直感があなたを求めているの、もっと遊んで……」
愛美さんと呼んでいたのが呼び捨てになり、私がオレと呼称も変わり、愛美も男も本音を剥き出しにする。

愛美の脚に触れてワイングラスに注目させ、ワカメ酒を意識させる。
両足に力を込めた愛美はこれでいいのと声を震わせ、瞳は赤く染まって妖しく揺れる。
「オレにとっちゃ、リーデルやバカラのワイングラスよりも愛美グラスの方が好いよ……ワインを注ぐよ」
「ハァハァッ、だめっ、自然と足が震えちゃう。ワインが零れちゃうかも」
零れると言われては足の震えに合わせてユラユラ揺れる恥毛の動きを楽しむ余裕もなく、唇を近付けてズズズッと啜り、肌に張り付く恥毛を噛んで引っ張ったり揺らしたりして刺激する。
男の頭に添えた両手に力を込めた愛美は、股間を突き上げて腰を艶めかしく蠢かす。
股間を押し付けられる息苦しさを堪えると恥毛が鼻と口をくすぐり、滲み出た花蜜が頬に触れて愛美への愛おしさが募る。

口を大きく開け、大陰唇を覆うようにしてハァッ~と温かい息を吹きかけると、イヤァ~ンと男の欲情を声で刺激して身体を反転させ,うつ伏せになる。
黒髪が乱れ、ガウンは愛美の肌を守るもののムッチリとした太腿の裏側の白さが際立ち、膝下から伸びやかに足首に続くラインにゴクッと唾を飲む。
腰に巻いたバスタオルを外し、最後の砦のように愛美を守るガウンを剥ぎ取り、爪の先で足首から触れるか触れないかの微妙なタッチで撫で上がり、膝裏で円を描いて腿の裏を刷くように付け根に向かうと、ウッウッウゥッ~と艶めかしい声を漏らして両手の指先が白くなるほどシーツを握り眉間に皴を作る。
「立ち仕事で疲れているだろう??ふくらはぎが少し張ってるような気がする……マッサージしようか??」
「もう若くないのかなぁ……でも、今はいい……久しぶりなの、気持ちよくさせて、おねがい」
「ムラムラする思いを発散すると楽になるかもしれないね」
「クククッ、ばかっ、それじゃぁ私はセックスに飢えた女みたいじゃない。蜘蛛の糸を張り巡らせて好い男がかかるのを待っていたの……期待はずれでガッカリさせないでね」
ベッドに顔を埋めて横たわる愛美から緊張する様子が消えてリラックスし、シーツを掴んでいた指が開き眉間の皴も消えて穏やかな表情になる。

足の甲に人差し指から小指まで四本の指を添えて親指で足裏を押し、表情が緩むと足指を摘まんで順にマッサージする。
「気持ちいぃ。疲れが解れてリラックスしすぎで、しどけない格好になっちゃいそう」
フゥッ~……尻の割れ目に息を梳きつけると再び緊張が蘇ってキュッと力を込める。
「いやぁ~ン、そんな事をされたらゾクゾクする」
愛美は開ききっていた手を軽く握り、男を意識することなく頬を緩める。
男はその手に自分の手を重ねて尻を甘噛みし、残る手で腿を擦り膝裏で指先が円を描く。
尻を甘噛みしてチュッチュッと音を立てて唇を這わせ、そのまま背骨に沿って唇と舌で愛撫して首筋から耳の裏まで温かい息を吐きながら舌で刷いていく。
「アァ~ン、お尻を噛まれるのも気持ちいい。あなたの愛撫に私の身体が合わせようとしている気がする。ウックゥッ~……手をギュッと握って離さないで」
重ねるだけの左手は指を絡ませて固く握り、耳朶を甘噛みして乾いた舌先がゾロリと舐めて息を吹きかける。
「ヒィッ~……アウッ、イヤンッ、頭の中をあなたの息が駆け回るような気がする。ダメッ」
首と言わず肩と言わずに全身が総毛立ち、男が重ねてくれた左手に力を込めて握り返し、右手は指先が白くなるほどシーツを掴む。
足指を伸ばしたり曲げたりして襲い来る快感を堪え、穏やかだった表情が歓喜で歪む。

雨 -2

男と女

キスを終えた二人は逸る気持ちを隠そうとして視線を合わさず、あえて正面を見てグラスを口にする。
男はバックバーの奥に張った鏡の中の愛美に可愛いよと囁く。
「フフフッ、なんか照れるな。こんな、はしたない誘い方をして変だけど……住まいは別にあるけど、二階が簡単な居住スペースになっているの……あなたの帰りを待っている女性がいればしょうがないけど、いないなら雨が止みそうもないし、衣服が乾くまで雨宿りしていかない??」

愛美に誘導されて二階に上がった男は視線を巡らす。
ベッドやバスタブ付きシャワーユニット以外に目立った家具もなく、衣類はハンガーラックと衣装ケースに幾つかある程度と愛美の言う住まいは別だという言葉を思い出させ、店内の趣味の好い内装との違いに苦笑いする。
「色気のない部屋でしょう。ここは仕事前と終わった後の仮眠程度しか使わないからキッチンスペースもこの程度で間に合うの……シャワーを使って、私も汗を流すから」
ずぶ濡れのズボンとシャツを脱いだ男は下着と靴下だけを残してシャワーユニットの前で立ち尽くす。
「全部、脱がなきゃ洗えないでしょう」
「それはマズイだろう」
「大人の男と女。女の部屋に入った男が今更だよ……諦めなさい。あなたは女郎蜘蛛の糸に絡めとられた雄蜘蛛、捕食されたくなかったら私を満足させなさい」
「愛美さんを満足させるしか、蜘蛛の糸から逃れる方法はないのか??」
「そうなの、さっきも言ったけど、男女を問わず、私以外の人をここに迎えたのは初めてだよ。ガッカリさせないでね……あなたに一目惚れしちゃったの、あなたは??」
「私も愛美さんに一目惚れ……今でもドキドキしてるよ」

「靴下やシャツは脱ぎっぱなしでいいよ。すぐに洗っちゃうから」
唇を合わせたくなるのを我慢した男は脱いだ靴下と下着をその場に残し、シャワーユニットの扉を開く。
コントロールパネルやシャワー用カランの付いた背面以外はクリアーガラスのため素通しで、愛美から丸見えなのが気になるものの、彼女が使用する景色を想像すると股間がピクッと反応する。
ボディシャンプーで全身と髪を洗い、シャンプーを流した男はバスタブに湯を張る用意をしてさっさと出る。

キッチンで手洗いしたのか、男の下着や靴下とシャツをハンガーに掛けた愛美は、ブラジャーとショーツだけを着けた姿の清潔な色気で男を刺激する。
「あらっ、私の下着姿じゃ昂奮しないんだ。悲しいな……私のガウンは小さいだろうからタオルで我慢してくれる??」
タオルを腰に巻いて縮こまったままの股間を隠した男の唇にチュッと音を立てて唇を合わせ、シャワーユニットに近付いてバスタブに湯を張ったのを見て満面に笑みを浮かべる。
ありがとうの言葉とともに愛美は振り返り、屈託のない笑顔に頬を熱くする男は、オレは間違いなく恋していると気持ちが騒めき始める。
背中を見せてブラジャーを外して嫣然と微笑み、ショーツを足から抜く瞬間に股間の陰りを見せる。

愛美は顔の左側を見せてバスタブに浸かり、巧みな手の動きで胸の膨らみの先端を隠す。
男の視線をくぎ付けにするしなやかな指の動きで白い腕を擦り、行儀の悪い格好でバスタブの縁に伸ばした足を見せつけて挑発する。
大部分はバスタブで隠れている太腿のムッチリとした肉感にゴクッと唾を飲み、膝下から踝に続く伸びやかな美しさに頬を緩める。
「どうしたの??裸の女を見るのが初めてではないでしょう??」
眉を吊り上げ、怒った振りをする男を焦らすようにボディシャンプーで全身を泡まみれにして、アッカンベーと舌を出す。
一見、クールに見えるけど積極的で、自分の意思を曲げない女性とイメージしていた愛美の茶目っ気に男の気持ちが穏やかになり、
「ワインを1本持ってくるよ」と、声をかけて店に戻り、チーズとクラッカー、白ワインとグラス2脚を用意して戻る。

バスローブ姿でベッドに座る愛美はチーズやワインを確かめて、
「これは偶然……じゃないよね??ゴーダチーズ、リースリングワインとリースリングワイン用グラス。リースリングワインを選んだのは、二人の時間に相応しいからかしら??」
「能書きを言うほどワインに造詣が深いわけじゃないから、この選択を褒めてもらえるのは嬉しいけど偶然だよ。愛美さんの店を見つけた事と言い、今日の私は人生最良の日を迎えたのかもしれない」
「好いわ、そういう事にしてあげる。開封してくれる??」
愛美に試されている事が分かっても男は平静を崩すことなく、いつも以上に巧く開栓して二つのグラスに注ぐ。

「愛美さんを紹介してくれた雨に乾杯」
「待っていた男性に合わせてくれた雨に乾杯」
顔の前で捧げ持ったグラスで乾杯した二人はフルーティーでキリッとした酸味の白ワインを味わい、どちらともなく顔を近付けて唇を合わせる。
蕩けるような唇の感触に酔い舌を絡ませて満足感に満ちた時間を過ごせることを確認した二人は、糸のように伸びた唾液が二人をつないで離れがたい思いを示すのを朱に染めた瞳で見つめる。
「恥ずかしい……男の人とこんな風に過ごすのは久しぶり」
「可愛いよ。今までも雨は嫌いじゃなかったけど、それは嫌な事を洗い流してくれるからだった。今日は改めて、雨が引き合わせてくれる出会いもある事を知って、もっと好きになった」
「あの日の雨が止んでいたら、すれ違っていただけかも……少し違うと思うけど、こんな詩の歌があったよね、知らない??」
「多分、西野カナさんの、ifだと思う」
「そうだ、それ、ifだった……明日、買いに行く。今度、あなたが名前を教えに来てくれたら、その曲で迎えてあげる。他のお客様がいても二人だけの秘密」

雨 -1

一目惚れ

「いらっしゃ……い。ずぶ濡れ、雨が降ってますか??」
「今日の雨は真面目に一生懸命、降っているよ」
「真面目に……ウフフッ、そうなの??お客様が一人も来てくれないのは雨のせいなんだ。ようやく分かった、ありがとう」
「えっ、なに??」
「お茶っぴきは雨のせいなんだって分かったの。一生懸命な雨っぷりを教えてくれて、ありがとう……来店早々で申し訳ないけど、お店を開けておいてもしょうがないから閉めちゃいますね。ほんの少しの間、待ってください」
「片付け終わるまででいいから雨宿りさせてもらうよ……床を濡らすのは本意じゃないけど、許してほしい」
「どうぞ、濡れたお召し物はハンガーに掛けた方がいいでしょう。暖房を強くしますから」

女が指さすハンガーに上着を掛けた男は店内を見渡して趣味の良さに頬を緩め、女の出て行ったドアに視線を向ける。
ヴ~ンヴ~ン、エアコンの音がわずかに大きくなるとともに店内は暖かい空気に満ち、びしょ濡れの身体が急速に乾いていくような気がする。

ガシャガシャ……カチャ……シャッターを下ろして施錠した女はタオルを手にして髪を拭き、雨に濡れたベストとシャツを拭う。
黒髪をひっつめて黒いパンツと真っ白のシャツに黒ベストとバーテンダー姿の後ろ姿は凛として美しく、閉店するのを残念に思う、
「すごい雨……シャツに浸み込んじゃった。ごめんなさい、着替えてくるからお座りになって待っていてください」
「店を閉めたのに長居をしちゃ迷惑でしょうから帰ります」
「すぐ戻ります。今、帰られちゃったら本当に今日は、お茶っぴきで縁起が悪い。おねがい、すぐに戻ります」
苦笑いを浮かべた男は濡れたズボンの不快感を気にしながらスツールに腰を下ろし、待っていますと声をかける。

退屈する間もなく姿を現した女は、ゆったりサイズのスウェットにロングスカートとカジュアルな衣装で髪は下ろして清潔な色気を感じさせる。
言葉もなく見惚れる男に、
「どうしたの??鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして??」
「えっ、いや、あまりに雰囲気が変わったもんだから驚いちゃった。ごめんなさい」
「うふふっ……善く変わったのか悪く変わったのか聞かせてもらえますか??」
「あなたがそんな事を聞くのは嫌味ですよ、と言いたいところですが……凛としたバーテンダー姿も好いし、大人カジュアル姿もフェミニンな雰囲気を醸し出して惚れちゃいそうです。あっ、ごめんなさい、初めてなのに馴れ馴れしい言い方を許してください」
「ウフフッ、お世辞でも嬉しいです。どなたかに聞いて来店されたのですか、それとも雨宿りするためだったのですか??」
「雨宿りを兼ねて美味いカクテルを飲みたいなと思って……」
「あっ、そうだった。何をおつくりしますか??」
カウンターに入った女は髪をアップにまとめてクルクルと巻き、最後にボールペンをピン代わりにして留める。

リズム感のある手際の良さに自然と笑みが浮かび、
「トムコリンズをください」
「少々、お待ちください」
アイスピックで丸氷を作り、形を整えるために布で包んで両手で擦る。
「普段は100%のレモンジュースを使っているのですが、今日は絞りますね」
「ありがとう」
シェーカーに氷を入れて、ジンとレモンの搾り汁、フロストシュガーを加えて素早くシェークし、トップを外して最後の一滴までコリンズグラスに移してソーダを注いでステア―し、飾り切りしたレモンを添えて、どうぞと差し出す。
「いただきます……美味い。ジントニックが好きなのですが、あなたがシェークする姿を見たくてトムコリンズにしました。味もシェークする様子も素晴らしいです。雨宿りで立ち寄るには勿体ないバーです。乾杯していただけますか??あなたも何か飲んでください」
「それでは私がジントニックをいただきます」

流れるような動きでジントニックを作った女は、
「隣に座らせていただいてもよろしいですか??」
どうぞ……何かを期待して声が掠れていなかったかと男は頬を赤らめる。
女が隣のスツールに座るのを待って、
「雨が教えてくれた素晴らしい店と、腕のいいバーテンダーさんに乾杯」
「乾杯……バーテンダーには違いないけど店は閉めちゃったし、この格好だし……私の名前は、まなみ。愛が美しいと書いてまなみ。愛美と呼んでください」
「それでは、改めて愛美さんとの出会いに乾杯。私は……」
「待って、あなたの名前は聞かない。この次、来てくれることがあったらその時に聞かせて。今日は聞きたくない……勘違いしないでね。この店を開いて1年余り、お客様にこんな事を言ったり、バーテンダー衣装以外を見せたりするのは初めてだから」
「分かった。この次に来た時にボトルを入れて、ボトルキーパーに私の名前を書くことにするよ」
「うん……手付けを置いていってくれる??必ず来るっていう証、約束のようなモノ」
正面を向いたまま話し終えた愛美は男に顔を向けて目を閉じる。
愛美を抱き寄せて唇を合わせた男は濃厚になり過ぎず、かといって挨拶程度でもなく一目惚れを証明するようなキスをする。

凌辱・12時間 -15

5:30
ソファに座った田中に対面座位でバギナを貫かれ、圧倒的な存在感を持つメタルプラグを引き抜かれた洞に佐藤の怒張を挿入された彩は薄っすらと汗を滲ませ、平静ではいられるはずのない昂ぶりに半開きにした口から絶え間なく喘ぎ声を漏らす。
「アンッ、すごいの、ダメ、こんな事って……クゥッ~~、ゴツゴツ擦れる。アソコとオチリがつながっちゃう、壁が破れちゃう。止めて、ヒィッ~、もっとぉ~」

普段、清楚で上品な奥さんと言われることの多い彩は、元々Mっ気が強く性的好奇心の強い顔を隠している。
夫とのセックスやオナニーでは性欲を隠すことなく曝け出し、アナル性感についても人並み以上に発達しているかもしれないと思っている。
結婚前の彩は生来の魅力的な容姿と時折見せる婀娜っぽい仕草で年相応の異性関係もあったが、結婚後は浮気をすることもなく夫を愛し、彼が出張中など欲望を抑えきれなくなった時はオナニーで満足し、秘めた欲望を解放していた。
元来、人見知りする質でもあり、他人の目を意識することもある。それが無意識のうちに社会的抑圧となり、その反作用のように時には自分でも驚くほど思い切った行動や弾け方をすることもある。
性的好奇心が強く出張中の夫を思い出しながらのオナニーで火照った身体を癒してきたものの、押し入ってきた男の股間にぶら下がる二本の怒張やオモチャで嬲られ、夫に申し訳ないと思いながらも抗しきれるはずもなく、漏らす声は甘く尾を引き身体は妖しく蠢き始めている。

アミアミの真っ赤なボディストッキングに包まれた白い肌はうっすらと汗を掻いて艶めかしく、抱きかかえる田中はストッキング越しでも密着した肌が溶け合うような心地好さに目を閉じる。
「佐藤さん、奥さんを攫っちゃだめですかね??」
「そうだな、連れてっちゃうか。でも、田中のタイプじゃないんだろう??なんていうか、もっと細身でスマートな人が好みなんだろう??」
「もう言わないでくださいよ。ムッチリと美味しそうな、この身体が好きになりました……それに毎晩のように風俗に行かなくても抱けるし、この人なら身体を壊さずに相手をしてくれるでしょう」
「前の女は可哀そうに、田中の性欲に付き合えなかったもんな。あの華奢な身体じゃ田中の性欲に付き合えるはずがないよ」

前後の穴を嬲りながら本気とも冗談ともとれる誘拐まで口にし始めた二人の話を聞いても不安に思う事もなく、田中にしがみつき腰を蠢かして快感を貪る。
二人の会話はスリルに溢れ、それが新たな快感を呼んで鼓動はドクドクと激しく胸を打ち、後戻りできないほどの欲望が全身を駆け巡る。
「もっと……もっと、激しく突いて。何もかも忘れるほど激しくしてちょうだい」
「分かったよ。旦那一人じゃ経験できないほど激しいのを経験させてやるよ」
アナルに挿入した佐藤は下向きに腰を突き出し、田中は膣壁の上部を擦る。
「ウグッ、グゥッ~、すごい、薄い膣壁を挟んでゴリゴリ擦りあっているのが分かる。破けちゃう、壊れちゃいそう……ヒィッ~、こんな事って……」
「まだまだ、こんなもんじゃないぞ……」
彩の腰を掴み、股間を突き出して剛棒を根元まで突き入れた田中はニヤッと頬を緩め、佐藤はアナルに挿入した自らの怒張を二度三度と出し入れした後にグイッと限界まで押し込む。
夫とのアナル遊びやアナルオナニーで感じたことのない圧倒的な圧迫感と、暴漢二人の怒張に薄い壁を挟んで弄ばれるという背徳感で、不安や恐怖、快感などが一度に脳裏をよぎり、彩の身体や気持ちから理性が姿を消してしまう。

「ウガァ~ヒィッ~……前も後ろも、イヤァ~、だめっ、奥まで入ってゴリゴリしてる、壊れちゃう……アウッ、ウグッ、ヒィッ~」
田中は掴んだ腰を揺すり、佐藤は彩の黒髪を掴んで背中が反るまで引き寄せる。
「ほらほら、どうだ……旦那一人じゃ、こんな事をしてくれないだろう」
「奥さん、壁が破れて尻の穴とオマンコがつながってしまうかもしれないな……まだまだ、これからだぞ」
「アガガッ、ウギャァ~、たまんない、裂けちゃう、私の身体じゃないみたい、どうなっちゃうの??ヒィッ~」
「ヒィヒィ、うるせぇな、これでも咥えてろ」
カチカチッ……ポッカリ開いた洞を残すほどアナルを押し広げていたメタルプラグを咥えさせられ、二つの穴に与えられる責めに身体が反応すると歯がプラグに当たり、くぐもった金属音を立てる。
パンパンッ……グチュグチュ、グチャグチャ……佐藤は彩の腰に手を置いて股間を打ち付け、田中は腰を掴んで突き上げた股間を擦りつけて刺激する。

押し付けた田中の股間は膣口に侵入した怒張が与える刺激だけではなく自然とクリトリスにも快感を与え、髪を振り乱して悦びを露わにする彩の後姿を見る佐藤は滾る思いを隠すことなく息を荒げて覆いかぶさり乳房に手を伸ばす。
乳房がひしゃげるほど佐藤が力を込めると眉間の皴を深くして表情をゆがめ、それを見る田中は抑えきれない獣欲で腰を掴んでいた手を首に回して引き寄せ、残る手でプラグを抜き取り、唇を合わせる。
ジュルジュル……ゴクッ……ハァハァッ……嫌がるどころか貪るように唾液を啜った彩は音を立てて飲み干し、瞳を真っ赤に染めて息を荒げる。
「口の周りがグジョグジョで汚ねぇな、動くなよ」
口の周囲を汚す唾液を舐めとった田中が満足した表情を佐藤に向けると、
「田中、穴を交換しようぜ。背中しか見えないんだよ。奥さんの可愛い顔が歓喜で菩薩顔に変わるのを確かめたい」
「菩薩顔ですか、般若顔に変化するって聞いたことがありますが??」
「経験不足か下手くそ野郎の戯言だな。気持ち善くなって怒り顔に変化するなんてありっこないだろう、それは男が悪いんだよ。優しく天国に導いてやれば菩薩顔になるんだよ」

夫が出張で留守にしていると知って押し入り、無理やり浣腸したりオモチャで蹂躙したり、挙句に二人で前後の穴を犯しながら優しく天国に導くという身勝手な言葉を聞いても彩の表情が曇る事はなくなっている。
「もっと、もっと激しくして……明日、帰ってくる夫に申し訳ないし言い訳もできない。こんなに理不尽な事をされても気持ちよくなっちゃう身体が憎い……罰を与えて、もっと無茶苦茶にして」
屈強な男二人の圧倒的な性的暴力に身体も気持ちも屈することなくムッチリとして被虐美に溢れる身体に汗を滲ませた彩は、Mの血を身体中に駆け巡らせて背徳感をセックスのスパイスに変化させてしまう。

二人の男は挿入した穴から肉棒を抜き取り、佐藤はアナルから抜き出したソレを彩の口にねじり込んで腰を突き出し、田中はアナルに挿入して腰を振りアナルプラグを掴んで膣口に沈める。
バギナとアナルと口の三つの穴は二人の怒張とアナルプラグが犯し続け、どの穴に何が挿入されているか分からないほど無慈悲に蹂躙される。
ウガガッ、ヒィッ~……悲鳴とも呻き声とも、あるいは感極まった悦びとも聞こえる声を漏らして汗の滲んだ身体を悶えさせる。

6:10

6時を過ぎて冬の空が白み始め、日の出が近いことが分かると男たちの動きが一層激しくなって終宴が近いことを教えてくれる。
アナルに突き入れた佐藤の怒張が満足の証を吐き出し、田中は手に持ったアナルプラグをバギナに挿入して口を犯す剛棒は喉の奥に精液をまき散らす。

汗にまみれて精液を吐き出した侵入者は欲望を満足させ、
「俺たち三人の秘密を奥さんが誰にも言わずにいてくれたら記念写真が世に出ることはない。それは約束する……今日の事は忘れて、旦那と幸せにな」
身勝手に押し入った男たちは身勝手な言葉を残して去っていった。

口の端から滴る精液を指先で拭い取った彩はじっと見つめて舐めとり、尻を窄めてウッと力を込めると吐き出された男汁がドロッと溢れ出る。
熱いシャワーを浴びて汗と男たちの匂いや残滓を洗い流して、フゥッ~と息を吐く。
「お尻とアソコがヒリヒリする。こんな強烈な経験は一度でたくさん、これからは私を見つめる男性の視線に気をつけよう……旦那様にはすべて秘密。明日はいつもより優しく迎えてあげよう」と、独りごとを漏らす彩の瞳に妖しい光が宿る。

「田中、秘密を持った奥さんは旦那に優しくなるから夫婦仲が良くなる。俺たちは、また一つ好い事をしたな……次の現場ではどんな奥さんに会えるか楽しみだな」


<<< おしまい >>>
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

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