堕ちる
罠-1
遅い昼食を摂り、ミルクティーを飲みながら受信メールを確認しているオレの足元に同居人の瑞樹が跪く。
「クククッ、一つでも欲求を満たされると全てを満足するオレの癖を知っているだろう??」
「私がこんな女になったのは誰のせい??友人が羨むような仕事をして将来の希望も色々あったのに・・・責任を取ってもらわなきゃ」
「うん??悪いのはオレか・・・良いよ、交渉してみるよ。瑞樹は十分に貢献してくれました、もう自由にしても良いでしょう、クラブの事を他言しないのは私が保証します。万一の際は私の責任で対処しますからって・・・」
「もう手遅れ・・・それに、こんな事が大切だと思うような女になっちゃったのを知っているくせに」
ファスナーを下ろして侵入した細くて冷たい指が下着の上からペニスを擦り始める。
「憎らしい・・・この子のせいで私は・・・」
「ウッ、痛い・・・クゥッ~、いってぇ~・・・許してください。瑞樹さま」
ゴツンッ・・・ペニスを摘まんで思い切り指を捻ると男は突然の痛さから逃げようとして膝を机にぶつけ、ズボンの上から膝を撫でて、さも痛そうに顔を顰める。
ウフフッ・・・精一杯、意地の悪い表情で男を見上げる瑞樹は快心の笑みを浮かべて笑い声を漏らす。怒ったような表情はいつまでも続かず、立ち上がって男の膝に座り唇を重ねる。
「ウンッ、フンッ・・・あんっ、もっと・・・こんな男に惚れるなんて・・・」
言葉の内容とは裏腹に頬を緩めた表情に後悔の色を感じさせる事はなく、言葉で男に絡む事を楽しんでいる。
「フフフッ、貴男のキスが好き・・・これでアソコをクチュクチュされるのはもっと好き・・・紗耶香って言ったっけ、何とかなりそうなの??」
膝に乗ったまま、男の股間に手を伸ばした瑞樹は平静を装いながらも嫉妬交じりで話しかける。
「まさかと思うけど、妬いちゃいないよな??・・・これは仕事だからね」
「分かってる。まるっきり平気かって聞かれると、返事に窮するけど貴男の邪魔はしない。嫌われたくないから・・・フフフッ、大きくなってきた。でもここまで、舐めてあげない」
「瑞樹もオレを焦らすのが上手になったな・・・それはそうと、これを見てごらん。紗耶香からのメールだよ」
<こんにちは、紗耶香です。最近、新田さんはお店に来てくれないし、先日のメールも無視されちゃったし、嫌われちゃったのかなぁって心配になっちゃう・・・寂しいの。お仕事が忙しくなるって聞いているから、わがままを言わないようにしようって思うんだけど・・・こんなメールしてごめんなさい。お仕事頑張ってね・・・新田さんとの約束、楽しみに待っています。紗耶香>
「悪い人ね、女にこんな事を言わせて。騙して悪の道に引きずりこむんでしょう??・・・なんか、可哀そう」
「まさか営業メールを信じているわけじゃないよな・・・」
「えっ、そうなの??これは嘘なの??本気じゃないの??」
問いかける瑞樹の表情は崩れ、こぼれる笑みは隠しようがない。PCを覗き込み、言葉を一つ一つ噛み締めるように確かめて、フゥッ~と感嘆の声を漏らす。
「初心な男なら信じちゃうよね。これだけ手練手管を使える女性を手玉に取る貴男は悪い人・・・で、どうするの??教えて・・・」
「今月は大変なんだ。ナンバーを維持できるかどうかの瀬戸際・・・あっ、ごめん、独り言だから気にしないで」
「そうか、協力するよ。今日は余裕があるからね・・・高価な酒を飲んだ事がないから銘柄は分からないし任せるよ」
「えっ、そんな積りじゃ・・・独り言だから気にしないで・・・でも、今日だけ甘えても良いかな??」
「あぁ、あぶく銭が紗耶香の役に立つなら嬉しいよ」
「えっ、あぶく銭って、どういう事??」
「俺の仕事は営業だって言ったよね・・・先週の事だけど、アポの時刻に余裕があったんで、たまたま開催中の競輪場に入ったんだよ。そしたら大穴が大当たり・・・ほとんど使ってないんだけど、紗耶香のために待機していたのかも知れないね」
「本当??そんなお金だったら甘えちゃっても良いかな??・・・新田さん、大好き」
「クククッ、そんな事があったんだ・・・それでどうするの、教えて」
「ここに約束って書いてあるだろ・・・今度、競輪に一緒に行こうって約束しているんだよ・・・丁度、今日が開催初日だから明後日の最終日にでも誘ってみるよ」
「競輪で儲かったからって・・・その後は・・・悪い人。でも当たらなきゃ、しょうがないんでしょう??当たるの??」
「絶対に当たる・・・当たる車券を買えばいいだけの話だから、簡単だよ」
「うそ、そんな事は貴男でも無理でしょう??」
「絶対とは言えないけど、簡単だよ。競輪は9車立て、3連単は504通りで2車単なら72通り、その中に必ず正解がある・・・要は儲かったと思わせればいいだけの話だから」
「良く分からないけど、貴男が言うんだから間違いないよね・・・信じる」
遅い昼食を摂り、ミルクティーを飲みながら受信メールを確認しているオレの足元に同居人の瑞樹が跪く。
「クククッ、一つでも欲求を満たされると全てを満足するオレの癖を知っているだろう??」
「私がこんな女になったのは誰のせい??友人が羨むような仕事をして将来の希望も色々あったのに・・・責任を取ってもらわなきゃ」
「うん??悪いのはオレか・・・良いよ、交渉してみるよ。瑞樹は十分に貢献してくれました、もう自由にしても良いでしょう、クラブの事を他言しないのは私が保証します。万一の際は私の責任で対処しますからって・・・」
「もう手遅れ・・・それに、こんな事が大切だと思うような女になっちゃったのを知っているくせに」
ファスナーを下ろして侵入した細くて冷たい指が下着の上からペニスを擦り始める。
「憎らしい・・・この子のせいで私は・・・」
「ウッ、痛い・・・クゥッ~、いってぇ~・・・許してください。瑞樹さま」
ゴツンッ・・・ペニスを摘まんで思い切り指を捻ると男は突然の痛さから逃げようとして膝を机にぶつけ、ズボンの上から膝を撫でて、さも痛そうに顔を顰める。
ウフフッ・・・精一杯、意地の悪い表情で男を見上げる瑞樹は快心の笑みを浮かべて笑い声を漏らす。怒ったような表情はいつまでも続かず、立ち上がって男の膝に座り唇を重ねる。
「ウンッ、フンッ・・・あんっ、もっと・・・こんな男に惚れるなんて・・・」
言葉の内容とは裏腹に頬を緩めた表情に後悔の色を感じさせる事はなく、言葉で男に絡む事を楽しんでいる。
「フフフッ、貴男のキスが好き・・・これでアソコをクチュクチュされるのはもっと好き・・・紗耶香って言ったっけ、何とかなりそうなの??」
膝に乗ったまま、男の股間に手を伸ばした瑞樹は平静を装いながらも嫉妬交じりで話しかける。
「まさかと思うけど、妬いちゃいないよな??・・・これは仕事だからね」
「分かってる。まるっきり平気かって聞かれると、返事に窮するけど貴男の邪魔はしない。嫌われたくないから・・・フフフッ、大きくなってきた。でもここまで、舐めてあげない」
「瑞樹もオレを焦らすのが上手になったな・・・それはそうと、これを見てごらん。紗耶香からのメールだよ」
<こんにちは、紗耶香です。最近、新田さんはお店に来てくれないし、先日のメールも無視されちゃったし、嫌われちゃったのかなぁって心配になっちゃう・・・寂しいの。お仕事が忙しくなるって聞いているから、わがままを言わないようにしようって思うんだけど・・・こんなメールしてごめんなさい。お仕事頑張ってね・・・新田さんとの約束、楽しみに待っています。紗耶香>
「悪い人ね、女にこんな事を言わせて。騙して悪の道に引きずりこむんでしょう??・・・なんか、可哀そう」
「まさか営業メールを信じているわけじゃないよな・・・」
「えっ、そうなの??これは嘘なの??本気じゃないの??」
問いかける瑞樹の表情は崩れ、こぼれる笑みは隠しようがない。PCを覗き込み、言葉を一つ一つ噛み締めるように確かめて、フゥッ~と感嘆の声を漏らす。
「初心な男なら信じちゃうよね。これだけ手練手管を使える女性を手玉に取る貴男は悪い人・・・で、どうするの??教えて・・・」
「今月は大変なんだ。ナンバーを維持できるかどうかの瀬戸際・・・あっ、ごめん、独り言だから気にしないで」
「そうか、協力するよ。今日は余裕があるからね・・・高価な酒を飲んだ事がないから銘柄は分からないし任せるよ」
「えっ、そんな積りじゃ・・・独り言だから気にしないで・・・でも、今日だけ甘えても良いかな??」
「あぁ、あぶく銭が紗耶香の役に立つなら嬉しいよ」
「えっ、あぶく銭って、どういう事??」
「俺の仕事は営業だって言ったよね・・・先週の事だけど、アポの時刻に余裕があったんで、たまたま開催中の競輪場に入ったんだよ。そしたら大穴が大当たり・・・ほとんど使ってないんだけど、紗耶香のために待機していたのかも知れないね」
「本当??そんなお金だったら甘えちゃっても良いかな??・・・新田さん、大好き」
「クククッ、そんな事があったんだ・・・それでどうするの、教えて」
「ここに約束って書いてあるだろ・・・今度、競輪に一緒に行こうって約束しているんだよ・・・丁度、今日が開催初日だから明後日の最終日にでも誘ってみるよ」
「競輪で儲かったからって・・・その後は・・・悪い人。でも当たらなきゃ、しょうがないんでしょう??当たるの??」
「絶対に当たる・・・当たる車券を買えばいいだけの話だから、簡単だよ」
「うそ、そんな事は貴男でも無理でしょう??」
「絶対とは言えないけど、簡単だよ。競輪は9車立て、3連単は504通りで2車単なら72通り、その中に必ず正解がある・・・要は儲かったと思わせればいいだけの話だから」
「良く分からないけど、貴男が言うんだから間違いないよね・・・信じる」