彩―隠し事 113
萌芽 -9
「彩、それはすべて本当の事なの??」
「彼女は私に嘘を吐くはずがないし、親や互いの夫にも話せないことを相談する親友。だから真実だよ」
「今聞いた話は信じるけど一つだけ聞いてくれよ……彩はオレとのことをその親友に話したかい??彼女が彩に嘘を言ったと思わないけど、すべての事を知っているわけじゃないだろう??」
「嫌な男、知りたくない真実もあるし、すべてを知ったからって幸せになるわけじゃない。知らないことが幸せだってこともある……そう言いたいの??」
「そうだと思うよ。親しいからこそ聞いてほしいこともあれば、親しいからこそ知られたくないこともある。誰にも隠し事はあるだろうし、その隠し事がミステリアスな魅力になることもあるんじゃないかなぁ……」
「健志の目に彩のミステリアスな魅力が映っている??」
「あぁ、さっきも言ったけどスーツが似合っているから仕事が出来る女性だと想像できるけど、どんな仕事をしているか知らない。オレが知っているのは性的好奇心の強い夜の彩。昼間は淑女で夜は娼婦が我がままオヤジの理想だって言うけど大人の女の魅力たっぷりの彩は好い女。服を脱いだ身体は成熟した女性の魅力に溢れているけど、たぶん努力していると思う。色々とオレの知らない彩の姿を想像させるミステリアスな女だよ」
「おチビちゃんでムッチリの彩が好きなんだよね」
「そうだよ。SMショーパブで見た下着姿で縛られた彩を忘れることが出来なかった。そんな彩に偶然出会う幸運に恵まれたんだから機会を与えてくれた神様に感謝しているよ」
「人間は欲望に取りつかれると際限がなくなっちゃうのかもしれない。ウフフッ、健志は手を伸ばせば抱きしめることが出来る彩で満足しなさい……今頃、知らない男たちに抱かれているのかなぁ……彼女が経験するかもしれない今日の事って彩には想像もできない」
「えっ、知らない男たち??どういうことなの??」
「聞きたい??……まだ教えてあげない。食事の後で彩を満足させてくれたら教えてあげる」
バスルームを出た彩はクローゼットを開けて、
「これだ、これ。このシャツは彩のルームウェアだよ、知っていた??」
「オレのお気に入りだったんだけどなぁ……彩が自分のモノだっていうなら諦めるしかないな」
「クククッ、ありがとう。あとでお礼代わりにサービスしてあげる」
「そうか、ならサッサと食事を済ませよう」
「美味しい……料理が好きなの??」
「料理をしなくても食事に困ることはないけど、こんなクリエイティブな作業を人任せにするのは勿体ない。メニューから材料を揃える、あるいは食材からメニューを考える。出来上がりや盛り付けの美しさ、そんなことも楽しいし調理しながら終わった作業の後片付けも同時進行で進める段取りの良さ、最初から最後まで楽しめる……出来上がりを食べた彩の笑顔、これはご褒美だよ、ありがとう」
「お礼を言うのは私でしょう??鯛の塩釜を前にして木槌で塩の塊を打ったたくって最高。野蛮な行為で準備をするって食事ではなく餌のよう」
「そうだよ、餌で食欲を満たした後は性欲を満足させる。食欲も性欲も本来は原始的なモノだろう、シンプルなのがいいよ」
程よく冷えた白ワインが二人の気持ちを解して饒舌にし、性的な話題になっても陰湿になることなく笑みが消えることがない。
食事を終えた二人は後片付けを済ませ、氷を入れたグラスにワインの残りを開けてベランダに場所を移す。
「気持ちいい。爽やかな風と星の見えない夜空、氷を入れたワインは邪道だと思うけどスッキリして美味しい」
「彩の言葉に棘があるように感じるのは勘違いかな??」
「ウフフッ、見たまま、感じたままを言葉にしただけだよ。気にしないで……シャツの中の彩はどんな格好だか分かる??」
クローゼットから健志のシャツを出して身体に巻いたバスタオルを外した時、ピンクの紐パンだけを身に着け、胸の膨らみを隠すものがなかったことは気付いていたが知らない振りをする事にする。
「上品さを失わない彩だからシャツの下には上下お揃いの下着……そうだなぁ、可憐な色でピンクはどうだ??正解だろう??」
「どうかな??採点はオマケ付きで30点」
「厳しいな、満点を得るにはオレも努力をしないとな」
彩を抱き寄せた健志はグラスを傾けてシャツの胸に垂らす。
「アンッ、冷たい……えっ、ブラジャーを着けていないのが分かっちゃった」
濡れたシャツのせいで胸の膨らみがあからさまになり、ブラジャーを着けていないことが健志に知れる。
健志は膨らみの先端を指先で撫でながら、
「ブラジャーを着けていないのは分かったけど、パンツはどうかな??もしかするとノーパン、あるいは娼婦に変身した彩が穿くのはスケスケパンツ」
「クククッ、確かめてほしいけど、シャツを脱がせたりボタンを外したりしちゃダメだよ。ワインを垂らすのも、もうダメ……ウフフッ、昂奮して喉が渇いた、飲ませて」
グラスに残るワインを口に含んだ健志は唇を重ねて口移しで流し込む。
「ゴクッ……アンッ、いや。そんな事をされると我慢できなくなっちゃう」
ワインを飲ませた健志はシャツ越しに胸を揉み、再び唇を合わせて濃厚なキスをする。
彩は目を閉じ、その縁が赤みを帯びるのを見た健志は胸の膨らみを揉む手に力を込め、シャツ越しに先端を口に含んでコリコリと転がし甘噛みをする。
「イヤッ、直接が好い。シャツを脱がせて……早く」
「シャツを着けたままパンツを穿いているのかどうか確かめろって言ったのは彩だよ。オレはルール変更を認めないからシャツを脱がせたりしない」
突然、彩のスマホが着信を知らせ、ベランダからリビングに戻った彩の顔が曇る。
「ねぇ、大丈夫なの??彼も一緒なの??……うん、分かった。ほどほどにね。
何かあったら連絡してね……」
健志から視線を逸らすことなく話す彩は、栞と呼んだり課長と言ったりすること避ける冷静さを保つ。
話し終えたスマホを見つめる彩は、何かを吹っ切るように天井を向いてフゥッ~と息を吐く。
「どうした??何か心配事が出来たならオレに遠慮することはないよ」
「えっ、うん、そうじゃないの。今日、彩の想像もできないようなエッチな経験をするらしい友人がいるって言ったでしょう。その人なの……10分位で着くんだって……ねぇ、可愛がって、心配事を忘れさせてほしい」
「彩、それはすべて本当の事なの??」
「彼女は私に嘘を吐くはずがないし、親や互いの夫にも話せないことを相談する親友。だから真実だよ」
「今聞いた話は信じるけど一つだけ聞いてくれよ……彩はオレとのことをその親友に話したかい??彼女が彩に嘘を言ったと思わないけど、すべての事を知っているわけじゃないだろう??」
「嫌な男、知りたくない真実もあるし、すべてを知ったからって幸せになるわけじゃない。知らないことが幸せだってこともある……そう言いたいの??」
「そうだと思うよ。親しいからこそ聞いてほしいこともあれば、親しいからこそ知られたくないこともある。誰にも隠し事はあるだろうし、その隠し事がミステリアスな魅力になることもあるんじゃないかなぁ……」
「健志の目に彩のミステリアスな魅力が映っている??」
「あぁ、さっきも言ったけどスーツが似合っているから仕事が出来る女性だと想像できるけど、どんな仕事をしているか知らない。オレが知っているのは性的好奇心の強い夜の彩。昼間は淑女で夜は娼婦が我がままオヤジの理想だって言うけど大人の女の魅力たっぷりの彩は好い女。服を脱いだ身体は成熟した女性の魅力に溢れているけど、たぶん努力していると思う。色々とオレの知らない彩の姿を想像させるミステリアスな女だよ」
「おチビちゃんでムッチリの彩が好きなんだよね」
「そうだよ。SMショーパブで見た下着姿で縛られた彩を忘れることが出来なかった。そんな彩に偶然出会う幸運に恵まれたんだから機会を与えてくれた神様に感謝しているよ」
「人間は欲望に取りつかれると際限がなくなっちゃうのかもしれない。ウフフッ、健志は手を伸ばせば抱きしめることが出来る彩で満足しなさい……今頃、知らない男たちに抱かれているのかなぁ……彼女が経験するかもしれない今日の事って彩には想像もできない」
「えっ、知らない男たち??どういうことなの??」
「聞きたい??……まだ教えてあげない。食事の後で彩を満足させてくれたら教えてあげる」
バスルームを出た彩はクローゼットを開けて、
「これだ、これ。このシャツは彩のルームウェアだよ、知っていた??」
「オレのお気に入りだったんだけどなぁ……彩が自分のモノだっていうなら諦めるしかないな」
「クククッ、ありがとう。あとでお礼代わりにサービスしてあげる」
「そうか、ならサッサと食事を済ませよう」
「美味しい……料理が好きなの??」
「料理をしなくても食事に困ることはないけど、こんなクリエイティブな作業を人任せにするのは勿体ない。メニューから材料を揃える、あるいは食材からメニューを考える。出来上がりや盛り付けの美しさ、そんなことも楽しいし調理しながら終わった作業の後片付けも同時進行で進める段取りの良さ、最初から最後まで楽しめる……出来上がりを食べた彩の笑顔、これはご褒美だよ、ありがとう」
「お礼を言うのは私でしょう??鯛の塩釜を前にして木槌で塩の塊を打ったたくって最高。野蛮な行為で準備をするって食事ではなく餌のよう」
「そうだよ、餌で食欲を満たした後は性欲を満足させる。食欲も性欲も本来は原始的なモノだろう、シンプルなのがいいよ」
程よく冷えた白ワインが二人の気持ちを解して饒舌にし、性的な話題になっても陰湿になることなく笑みが消えることがない。
食事を終えた二人は後片付けを済ませ、氷を入れたグラスにワインの残りを開けてベランダに場所を移す。
「気持ちいい。爽やかな風と星の見えない夜空、氷を入れたワインは邪道だと思うけどスッキリして美味しい」
「彩の言葉に棘があるように感じるのは勘違いかな??」
「ウフフッ、見たまま、感じたままを言葉にしただけだよ。気にしないで……シャツの中の彩はどんな格好だか分かる??」
クローゼットから健志のシャツを出して身体に巻いたバスタオルを外した時、ピンクの紐パンだけを身に着け、胸の膨らみを隠すものがなかったことは気付いていたが知らない振りをする事にする。
「上品さを失わない彩だからシャツの下には上下お揃いの下着……そうだなぁ、可憐な色でピンクはどうだ??正解だろう??」
「どうかな??採点はオマケ付きで30点」
「厳しいな、満点を得るにはオレも努力をしないとな」
彩を抱き寄せた健志はグラスを傾けてシャツの胸に垂らす。
「アンッ、冷たい……えっ、ブラジャーを着けていないのが分かっちゃった」
濡れたシャツのせいで胸の膨らみがあからさまになり、ブラジャーを着けていないことが健志に知れる。
健志は膨らみの先端を指先で撫でながら、
「ブラジャーを着けていないのは分かったけど、パンツはどうかな??もしかするとノーパン、あるいは娼婦に変身した彩が穿くのはスケスケパンツ」
「クククッ、確かめてほしいけど、シャツを脱がせたりボタンを外したりしちゃダメだよ。ワインを垂らすのも、もうダメ……ウフフッ、昂奮して喉が渇いた、飲ませて」
グラスに残るワインを口に含んだ健志は唇を重ねて口移しで流し込む。
「ゴクッ……アンッ、いや。そんな事をされると我慢できなくなっちゃう」
ワインを飲ませた健志はシャツ越しに胸を揉み、再び唇を合わせて濃厚なキスをする。
彩は目を閉じ、その縁が赤みを帯びるのを見た健志は胸の膨らみを揉む手に力を込め、シャツ越しに先端を口に含んでコリコリと転がし甘噛みをする。
「イヤッ、直接が好い。シャツを脱がせて……早く」
「シャツを着けたままパンツを穿いているのかどうか確かめろって言ったのは彩だよ。オレはルール変更を認めないからシャツを脱がせたりしない」
突然、彩のスマホが着信を知らせ、ベランダからリビングに戻った彩の顔が曇る。
「ねぇ、大丈夫なの??彼も一緒なの??……うん、分かった。ほどほどにね。
何かあったら連絡してね……」
健志から視線を逸らすことなく話す彩は、栞と呼んだり課長と言ったりすること避ける冷静さを保つ。
話し終えたスマホを見つめる彩は、何かを吹っ切るように天井を向いてフゥッ~と息を吐く。
「どうした??何か心配事が出来たならオレに遠慮することはないよ」
「えっ、うん、そうじゃないの。今日、彩の想像もできないようなエッチな経験をするらしい友人がいるって言ったでしょう。その人なの……10分位で着くんだって……ねぇ、可愛がって、心配事を忘れさせてほしい」