彩―隠し事 105
萌芽 -1
健志に見送られた彩は電車のドア近くに立って車窓を走り去る見慣れた景色に目を向けているはずなのに、風景はぼやけて何処を走っているのかも分からない。
意識は別れたばかりの健志に向き、久しぶりに会うのに時間がないから食事だけと言ったけど、もしも、強引にホテルに誘われたら断ることが出来ただろうか……もしかすると自分でも気付かないうちに抱かれることを期待して連絡したのかもしれないと思って頬を赤らめる。
夫の浮気は続いている様子だし三連休の来週末辺りに出張の予感がする。
その時は浮気相手も同行するだろうと思うけど気持ちが苛立つどころか、その日を待ち遠しく思う。
フゥッ~……周囲を気にする様子もなく大きく息を吐いて目を閉じると、健志に抱かれる自分を見つめるもう一人の自分がいて股間が熱くなり身体の疼きを止めることが出来なくなる。
電車に乗っていることも忘れて右手が上着の中に入り自然に乳房に添えてしまう。
ゴホンッ……前に立つ男性のわざとらしい咳払いで我に返った彩は、肩を揉む振りで誤魔化し電車が滑り込んだホームが最寄り駅だと気付き軽く会釈して下車する。
改札口に向かいながら見ず知らずの男性に会釈したのは場所を弁えない行為をしたと自ら認めたようなものだと苦笑いを浮かべる。
帰宅後、家事や翌日の準備をしていると、
「ただいま」
なんの憂いも屈託も感じさせない声とともに夫が帰宅する。
「おかえりなさい」
彩もまた普段通りに夫の帰宅を優しく迎える。
「彩、久しぶりにビールを飲まないか??」
「そうね、久しぶりに二人っきりで飲むっていいわね。おつまみを用意するね」
「北海道出張から帰ってきた同僚にチーズクッキーを貰ったから、これで飲もうよ」
「チーズクッキーならビールよりワインの方が好いでしょう??」
チーズクッキーとワインの相性はよく、二人の表情は綻ぶものの隠し事を抱えているだけに話しが遠回りになるのはやむを得ない。
それでも久しぶりにテーブルを挟んで穏やかに話せたことに満足する。
片付けと入浴を済ませて自室に戻り、ベッドに入って目を閉じると健志の顔が浮かぶ。
フゥッ~、天井を睨んで息を吐き、
「健志の事は考えない。絶対に考えない」と、自分に暗示をかける。
健志との妄想を追い払うと栞に聞かされたご主人や課長との痴話が蘇る。
気配から浮気を疑ったご主人に責められて不倫を認めた栞が許しを請うと、離婚を迫るどころか不倫相手に抱かれて身悶える様子をボイスレコーダーで録音しろと命じられたと言う。
不倫相手が課長であると知られると後々に面倒なことがあるかもしれないと思った栞は、課長と部下だと思うと仕事が気になってセックスにのめり込むことが出来ないから英作と英子と名乗って抱かれたいと提案した。
面白そうだと喜んで承諾した課長は緊縛を含むSMプレイに誘い、栞の身体は縄と戯れるだけではなくバギナにミニ電マを挿入されてアナルに怒張を受け入れ、身も世もなく身悶えて喘ぎ声を漏らした。
ボイスレコーダーを再生したご主人がどのような反応をしたのか聞いていないが、別居や離婚を迫られた様子もない栞を見ているとAV動画や何かで読んだ、寝取られ願望ということが現実にあるのだと実感できた。
その時のご主人の反応は明日の昼食時に聞かせてくれるようなことを言っていた。
そして、もう一つ。課長に転勤の内示が出ていると本人から聞いたと栞は言った。
彩の本当の姿、優子が提案したプロジェクトの理解者である課長が転勤すると仕事がどうなるのだろうと不安に思う。
久しぶりに健志と食事を共にしたことで浮かれていた気持ちが夫と穏やかな気持ちでワインを飲んで落ち着き、栞の話しを思い出して騒めき始める。
気持ちが騒めくときは身体が求める欲求を満たしてやれば穏やかな気持ちに戻れると信じている彩は左手を胸に右手を股間に伸ばす。
乳房を揉むと健志の顔が浮かび、早くもぬかるみ始めた股間を弄ると課長に縛られた身体を艶めかしく揺する栞が優子と呼ぶ声が聞こえる。
後ろ手に縛られて乳房が歪になるほど縄に嬲られた栞は背後から課長に抱きしめられて間断なく喘ぎ声を漏らしている。
課長の怒張は栞を貫いているはずなのにバギナは花蜜を滴らせるばかりで、股間を注視するとアナルを押しひろげて犯し続けるペニスが見える。
今にも裂けそうなほど押し広げられて苦しいはずの栞はしどけなく開いた口から悦びを叫び続けて嫌がる様子は感じられない。
ウッウッ、クゥッ~、健志、抱いて、私のアソコをぶっといモノで掻きまわして……部屋が違うとはいえ同居する夫を忘れて昇り詰めた彩は落ち着きを取り戻して深い眠りに落ちる。
「おはよう、栞」
「おはよう、優子。昼食は個室を予約しといたからね、ウフフッ。」
「鍬田君、おはよう。今日、一時間ほど残業してくれるかな??」
「はい、分かりました、課長」
「優子、たぶん例の件だと思うよ」
「えっ、うん。多分、栞の言う通りだろうね。私たちの仕事の将来にもかかわる話だからしっかり聞いてくるね」
健志に見送られた彩は電車のドア近くに立って車窓を走り去る見慣れた景色に目を向けているはずなのに、風景はぼやけて何処を走っているのかも分からない。
意識は別れたばかりの健志に向き、久しぶりに会うのに時間がないから食事だけと言ったけど、もしも、強引にホテルに誘われたら断ることが出来ただろうか……もしかすると自分でも気付かないうちに抱かれることを期待して連絡したのかもしれないと思って頬を赤らめる。
夫の浮気は続いている様子だし三連休の来週末辺りに出張の予感がする。
その時は浮気相手も同行するだろうと思うけど気持ちが苛立つどころか、その日を待ち遠しく思う。
フゥッ~……周囲を気にする様子もなく大きく息を吐いて目を閉じると、健志に抱かれる自分を見つめるもう一人の自分がいて股間が熱くなり身体の疼きを止めることが出来なくなる。
電車に乗っていることも忘れて右手が上着の中に入り自然に乳房に添えてしまう。
ゴホンッ……前に立つ男性のわざとらしい咳払いで我に返った彩は、肩を揉む振りで誤魔化し電車が滑り込んだホームが最寄り駅だと気付き軽く会釈して下車する。
改札口に向かいながら見ず知らずの男性に会釈したのは場所を弁えない行為をしたと自ら認めたようなものだと苦笑いを浮かべる。
帰宅後、家事や翌日の準備をしていると、
「ただいま」
なんの憂いも屈託も感じさせない声とともに夫が帰宅する。
「おかえりなさい」
彩もまた普段通りに夫の帰宅を優しく迎える。
「彩、久しぶりにビールを飲まないか??」
「そうね、久しぶりに二人っきりで飲むっていいわね。おつまみを用意するね」
「北海道出張から帰ってきた同僚にチーズクッキーを貰ったから、これで飲もうよ」
「チーズクッキーならビールよりワインの方が好いでしょう??」
チーズクッキーとワインの相性はよく、二人の表情は綻ぶものの隠し事を抱えているだけに話しが遠回りになるのはやむを得ない。
それでも久しぶりにテーブルを挟んで穏やかに話せたことに満足する。
片付けと入浴を済ませて自室に戻り、ベッドに入って目を閉じると健志の顔が浮かぶ。
フゥッ~、天井を睨んで息を吐き、
「健志の事は考えない。絶対に考えない」と、自分に暗示をかける。
健志との妄想を追い払うと栞に聞かされたご主人や課長との痴話が蘇る。
気配から浮気を疑ったご主人に責められて不倫を認めた栞が許しを請うと、離婚を迫るどころか不倫相手に抱かれて身悶える様子をボイスレコーダーで録音しろと命じられたと言う。
不倫相手が課長であると知られると後々に面倒なことがあるかもしれないと思った栞は、課長と部下だと思うと仕事が気になってセックスにのめり込むことが出来ないから英作と英子と名乗って抱かれたいと提案した。
面白そうだと喜んで承諾した課長は緊縛を含むSMプレイに誘い、栞の身体は縄と戯れるだけではなくバギナにミニ電マを挿入されてアナルに怒張を受け入れ、身も世もなく身悶えて喘ぎ声を漏らした。
ボイスレコーダーを再生したご主人がどのような反応をしたのか聞いていないが、別居や離婚を迫られた様子もない栞を見ているとAV動画や何かで読んだ、寝取られ願望ということが現実にあるのだと実感できた。
その時のご主人の反応は明日の昼食時に聞かせてくれるようなことを言っていた。
そして、もう一つ。課長に転勤の内示が出ていると本人から聞いたと栞は言った。
彩の本当の姿、優子が提案したプロジェクトの理解者である課長が転勤すると仕事がどうなるのだろうと不安に思う。
久しぶりに健志と食事を共にしたことで浮かれていた気持ちが夫と穏やかな気持ちでワインを飲んで落ち着き、栞の話しを思い出して騒めき始める。
気持ちが騒めくときは身体が求める欲求を満たしてやれば穏やかな気持ちに戻れると信じている彩は左手を胸に右手を股間に伸ばす。
乳房を揉むと健志の顔が浮かび、早くもぬかるみ始めた股間を弄ると課長に縛られた身体を艶めかしく揺する栞が優子と呼ぶ声が聞こえる。
後ろ手に縛られて乳房が歪になるほど縄に嬲られた栞は背後から課長に抱きしめられて間断なく喘ぎ声を漏らしている。
課長の怒張は栞を貫いているはずなのにバギナは花蜜を滴らせるばかりで、股間を注視するとアナルを押しひろげて犯し続けるペニスが見える。
今にも裂けそうなほど押し広げられて苦しいはずの栞はしどけなく開いた口から悦びを叫び続けて嫌がる様子は感じられない。
ウッウッ、クゥッ~、健志、抱いて、私のアソコをぶっといモノで掻きまわして……部屋が違うとはいえ同居する夫を忘れて昇り詰めた彩は落ち着きを取り戻して深い眠りに落ちる。
「おはよう、栞」
「おはよう、優子。昼食は個室を予約しといたからね、ウフフッ。」
「鍬田君、おはよう。今日、一時間ほど残業してくれるかな??」
「はい、分かりました、課長」
「優子、たぶん例の件だと思うよ」
「えっ、うん。多分、栞の言う通りだろうね。私たちの仕事の将来にもかかわる話だからしっかり聞いてくるね」